この記事では「鼻高々」について解説する。

端的に言えば鼻高々の意味は「得意げな様子」のことですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

ドラマやアニメなど、数多くの映像字幕を作成した経験があるNagiを呼んです。一緒に「鼻高々」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Nagi

映像翻訳スクール出身。翻訳、チェッカー以外にも、CC字幕(クローズドキャプション)の制作多数。言葉を文字で表現する「字幕」の世界に数多く触れてきた経験を活かして、分かりやすく解説する。

「鼻高々」の意味や語源・使い方まとめ

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「鼻高々(はなたかだか)」は、誰もが一度は耳にしたことがある表現だと思います。使ったことがないという人も、この表現が持つ意味合いは容易にイメージできるでしょう。「鼻高々」は「鼻高高」と書くこともできます。

それでは早速「鼻高々」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「鼻高々」の意味は?

まずは、国語辞典に記載されている意味を見てみましょう。「鼻高々」には、次のような意味があります。

1.[形動][文][ナリ]いかにも得意そうであるさま。

2.[副]得意そうに。自慢げに。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「鼻高高」

「鼻高々」とは、自慢げな様子や得意げな表情を比喩的に表現している言葉です。実際の鼻の高さは無関係。ベースになっているのは主観的な印象です。辞書の説明に「得意そう」という言葉が入っていることからも分かりますね。状況によっては「慢心している」「うぬぼれている」といったネガティブな意味合いを含むこともあります

フォーマルな文章では「々」の使用は控えたほうが良いとも言われています。そのため、多くの辞書が「鼻高々」ではなく「鼻高高」のほうを記載しているようです。

「鼻高々」の語源は?

次に「鼻高々」の語源を確認しておきましょう。

人は自信がないと目線が落ちてうつむきがちになるもの。反対に、自信がある時は目線もアゴも上がります。アゴが上がると鼻の位置もいつもより高くなりますよね。このことから、得意そうな様子や表情のことを「鼻高々」と表現するようになったのではないかと言われています。さらに「高高(高々)」と同じ語を繰り返すことで、得意げな様子がより強調されているのです。

ちなみに「繰り返し符号(記号)」である「々」は、片仮名の「ノ」と「マ」を組み合わせたように見えることから「ノマ」とも呼ばれています。おもしろいですね。

\次のページで「「鼻高々」の使い方・例文」を解説!/

「鼻高々」の使い方・例文

続いて「鼻高々」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.生まれて初めて算数のテストで100点を取った弟は、両親に褒められて鼻高々だった。

2.営業成績が常にトップの同僚は、上司に対しても日々、鼻高々な態度を取っている。

3.息子の東大合格を連絡してきた姉夫婦だったが、電話ごしの会話からも鼻高々になっている様子が感じられた。

どの例文からも、得意満面の顔が浮かんできますね。「鼻高々」は基本的に相手の様子に対して使われる言葉ですが、自らの心情に対して使うことも可能です。自分に対して「鼻高々」をあえて使うと、自らの置かれている状況を客観的に表現することができるでしょう。

「鼻高々」の類義語は?違いは?

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ここからは「鼻高々」の類義語を見ていきましょう。「得意げな様子」と同じような意味合いを持つ言葉を、いくつか紹介していきます。

その1「意気揚々」

「意気揚々(いきようよう)」は、得意げで威勢のよいさまや、 誇らしげに振る舞うさまを表す四字熟語です。ここでも「々」が使われていますね。ここで強調されている「揚」という漢字には「高く目立つところへの移動・上昇」という意味があります。「荷揚げ」や「抑揚」という言葉を見ればイメージしやすいでしょう。

この「意気揚々」には、精神面からくる気持ちの上昇があることが分かります。得意げになるが故に気分やテンションがあがっているのです。精神や気分が高まるという意味の「高揚」にも、このニュアンスがあります。

\次のページで「その2「天狗になる」」を解説!/

その2「天狗になる」

「天狗になる」は、いい気になって自慢したり、得意になっている状態を表現する言葉です。自分は他人よりもすぐれていると思っている(うぬぼれている)人に対して使われることが多く、「鼻高々」よりもネガティブな意味合いが強く感じられます

仕事を干されてしまった芸能人が、当時の自分を振り返って「天狗になっていた」とコメントしたりしますよね。謙虚さがなくなると人は横柄になりがちなもの。これは人気商売に携わる人だけの話ではありません。一般の人々に対しても同じことが言えるでしょう。

「鼻高々」の対義語は?

次は「鼻高々」の対義語を見ていきましょう。「得意げな様子」と反対の意味合いを持つ言葉を、いくつか紹介していきます。

その1「意気消沈」

「意気消沈」は、元気をなくして落ちこんだり、かつての勢いが消えうせることを意味する四字熟語です。気持ちや気概(=意気)が、消えて沈む(=消沈)様子は、「鼻高々」とは真逆な状態と言えるでしょう。

その2「肩身が狭い」

肩身が狭い」も「鼻高々」とは反対の状態を表していると言えるでしょう。世間に対して面目が立たずに引け目を感じている状態です。逆に「肩身が広い」人は、周りの目を気にすることなく、堂々と人前に立つことができます。世間に対して面目が立つので、肩をすぼめたりする必要はないというわけですね。

「鼻高々」の英訳は?

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日本語の「鼻高々」は英語で表現すると、どのようになるのでしょうか?

ここからは日本というフィールドを離れて、文化や習慣の異なる英語圏の視点から「鼻高々」の英語訳を見ていきましょう。

その1「be proud of」

英語で「鼻高々」を表す場合、自慢げな気持ちを表すフレーズ「be proud of」を使うのが一般的でしょう。「of」の後には自分自身のことを指す「oneself」や、具体的な成果の内容を述べることができます。日本語の「鼻高々」をそのまま直訳しても伝わりませんので、状況の汲み取りが必要です。副詞の「proudly」もよく使われています。

\次のページで「その2「triumphantly」」を解説!/

その2「triumphantly」

「鼻高々」は「triumphantly」という副詞を使って表すこともできます。元になっているのは「勝利・大成功」という意味の名詞「triumph」。勝利といえば「win」や「victory」ですが、これらは「勝つ」という事実に焦点が置かれた単語です。一方の「triumph」は勝利や成功から得られる喜びも含んでいます。そのため「鼻高々」の表現にピッタリと言えるでしょう。

1.My old friend is very proud of her husband's success in business.
私の古い友人は、夫がビジネスで成功をおさめたことで鼻高々になっている。

2.She is triumphantly boasting of her success in the entrance examination.
入試に合格した彼女は、鬼の首を取ったかのように鼻高々だ。

「鼻高々」を使いこなそう

この記事では「鼻高々」の意味・使い方・類語などを説明しました。「鼻高々」は、現代語に言い換えると「ドヤ顔」という表現がピッタリな気がします。もちろん、「鼻高々」と「ドヤ顔」の間にも微妙なニュアンスの違いはあり、使用する場面や状況、話す相手との関係性などを考慮することが重要です。

普段、何気なく使っている言葉というツール。ひとつひとつの意味合いをあらためて考えると、言葉の周りに付随しているストーリーが見えてきます。このことを正確に捉えながら言葉を操ることこそが、コミュニケーションの真髄と言えるでしょう。

「鼻高々」になる背景には、棚ボタのような運だけではなく、ある程度の努力もあってのこと。せっかくのポジティブな結果が、態度次第でネガティブに捉えられることがないようにしたいものですね。

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国語言葉の意味

「鼻高々」の意味や使い方は?例文や類語を字幕制作者がわかりやすく解説!

この記事では「鼻高々」について解説する。

端的に言えば鼻高々の意味は「得意げな様子」のことですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

ドラマやアニメなど、数多くの映像字幕を作成した経験があるNagiを呼んです。一緒に「鼻高々」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Nagi

映像翻訳スクール出身。翻訳、チェッカー以外にも、CC字幕(クローズドキャプション)の制作多数。言葉を文字で表現する「字幕」の世界に数多く触れてきた経験を活かして、分かりやすく解説する。

「鼻高々」の意味や語源・使い方まとめ

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「鼻高々(はなたかだか)」は、誰もが一度は耳にしたことがある表現だと思います。使ったことがないという人も、この表現が持つ意味合いは容易にイメージできるでしょう。「鼻高々」は「鼻高高」と書くこともできます。

それでは早速「鼻高々」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「鼻高々」の意味は?

まずは、国語辞典に記載されている意味を見てみましょう。「鼻高々」には、次のような意味があります。

1.[形動][文][ナリ]いかにも得意そうであるさま。

2.[副]得意そうに。自慢げに。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「鼻高高」

「鼻高々」とは、自慢げな様子や得意げな表情を比喩的に表現している言葉です。実際の鼻の高さは無関係。ベースになっているのは主観的な印象です。辞書の説明に「得意そう」という言葉が入っていることからも分かりますね。状況によっては「慢心している」「うぬぼれている」といったネガティブな意味合いを含むこともあります

フォーマルな文章では「々」の使用は控えたほうが良いとも言われています。そのため、多くの辞書が「鼻高々」ではなく「鼻高高」のほうを記載しているようです。

「鼻高々」の語源は?

次に「鼻高々」の語源を確認しておきましょう。

人は自信がないと目線が落ちてうつむきがちになるもの。反対に、自信がある時は目線もアゴも上がります。アゴが上がると鼻の位置もいつもより高くなりますよね。このことから、得意そうな様子や表情のことを「鼻高々」と表現するようになったのではないかと言われています。さらに「高高(高々)」と同じ語を繰り返すことで、得意げな様子がより強調されているのです。

ちなみに「繰り返し符号(記号)」である「々」は、片仮名の「ノ」と「マ」を組み合わせたように見えることから「ノマ」とも呼ばれています。おもしろいですね。

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