「不服」
「承服」には「不服」という対義語があります。普段の生活でも「不服」という言葉を使う人は多いのではないでしょうか。
辞書で「不服」を見てみると、「納得がいかず不満に思うこと、またそのさま」などと書いてあります。納得がいかないという思いと、納得できないという表情をすることのどちらも「不服」となるわけです。
しかし、実際に「不服」という言葉を使ってしまうと、何かと角が立つことになるでしょう。得意先に「その提案は不服に存じます」などと言うと、相手はいい顔をしないはずです。よって、「使い方・例文」の項目で紹介した「承服しかねる」や「承服しがたい」といった表現を使うことになります。
「accept」「agree」
「accept」と「agree」は、どちらも中学校で学ぶレベルの比較的易しい英単語です。それでも「承服(する)」の英訳として用いることができます。なお、「承服」は「できない、しかねる」を付けて肯定では使わないと前の項目で説明しましたが、その場合は否定文にして「accept」や「agree」を使いましょう。
「accept」は「受け入れる、引き受ける」などの意味があり、様々な場面で使えるので便利に思えるでしょう。例として、「accept a gift」で「贈り物を受納する」、「accept things as they are」で「現状を甘受する」です。そして、「提案を承服する」は「accept a suggestion」などとなります。
一方、「agree」には「受ける」という意味合いはありません。「同意する、同感である」という意味となります。たとえば、「提案に承服する」を「agree」で表現するには、「agree to the proposal」などとすると良いでしょう。
「承服」を使いこなそう
この記事では「承服」の意味・使い方・類語などを説明しました。
仕事の得意先に「それは不服です」などとは、よっぽど信頼関係を築いていない限り口に出すことはできないでしょう。そんなときに便利な言葉が「承服」です。「承服しかねます」などと言えば、角が立つことはなくなります。よくよく考えると、「承服しかねる」は「受け入れることをするのはできない」という意味ですので、回りくどいと感じるかもしれません。しかし、それこそが人間関係を円滑にするための知恵です。この「承服」という言葉の使い方を覚えて、ビジネスを有利に運んでいきましょう。