この記事では「滅法」について解説する。

端的に言えば滅法の意味は「並外れな」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「滅法」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「滅法」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「滅法」の意味や語源・使い方まとめ

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「滅法」という言葉を使う方はいるでしょうか?何となく下町の言葉のように感じますね。「めっぽう強い」などと聞いたことはありませんか?昔の言葉というかべらんべえ口調で江戸っ子が使うイメージがあります。そんな「滅法」という言葉を詳しく解説していきますね。

それでは早速「滅法」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「滅法」の意味は?

「滅法」を、辞書で検索すると次のような意味が出てきます。

1.因縁によって生じたのではないもの。無為法。
2.道理に外れるさま。常識を越えているさま。
3.並の程度でないさま。はなはだしく。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「滅法」

「滅法」は難しい漢字ですが、「めっぽう」と読み、仏教に由来する日本語です。意味にもあるように無為法(むいほう)の別名で、「因縁によって作らたものではない絶対的な真理」を意味する言葉ですよ。下町言葉ではなく仏教語で涅槃(ねはん)と同じ意味です。無為法や涅槃など難しい言葉が多く出てきていますが、詳しくは語源の所で解説しましょう。

「滅法」には他にも「道理に外れる・常識を越えている」「並に程度ではない・はなはだしい」の意味もあります。現在は並外れたという意味で、一般的に使われていますよ。

「滅法」の語源は?

次に「滅法」の語源を確認しておきましょう。意味の章でも少し触れましたが、「滅法」は仏教に由来した言葉です。仏教の世界では、万物は内的原因の「因」と外的原因の「縁」で成り立っていると考えられていて、全て「因縁」という法則のもと成り立っているとされていますよ。しかしその「因縁」から外れる事が起こると「法則が消滅してしまう」=「滅法」となるのです。この事を仏教の世界では「無為法(むいほう)」とも言い、因縁の法則から逸脱すること、すなわち因縁を超越した絶対的真理の事を指してますよ。「超越した・絶対的」から「滅法」が「並外れて」などの意味に成ったとされています。

少し専門的で難しいですね。堅苦しく考えずに簡単に言うと、仏教の世界で言われている「因縁」を超越するものを、法則が消滅する、すなわち「滅法」と言い、超越するさまや絶対的という意味から現在の「並外れて」に成ったという事ですよ。

\次のページで「「滅法」の使い方・文」を解説!/

「滅法」の使い方・文

「滅法」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.私はお酒が滅法弱い。
2.彼はけんかが滅法強い。
3.彼は法律には強いがPCなどは滅法弱い。

3つの例文を挙げてみました。並外れての意味なので、現代用語でいう「めっちゃ」と言い換えるとしっくりくると思います。お酒がめっちゃ弱い・けんかがとても強い・PCなどはめっちゃ苦手、といった意味になりますよ。「めっちゃ」に言い換えができると言いましたが、滅法本来の「並外れた・常識を越えた」という「尋常じゃない範囲」を表すという事は念頭に置いておきましょう。

「滅法」の類義語は?違いは?

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「滅法」にはどんな類義語があるでしょうか。「滅法」との関連性もみていきましょう。

その1「甚だ」

「甚だ」「はなはだ」と読み、「たいそう・ひじょうに・ひどく」などの意味があります。基本的にはネガティブな気持ちを強める際に用いられますよ。「甚だ不愉快だ。」「甚だ遺憾だ。」などと聞いた事があると思います。ですが、「甚だ」という言葉自体にマイナス要素は含まれていないので、「甚だ感激した。」と使ってはいけないわけではありませんよ。

程度が遙かに超えているさまを表す言葉なので、「滅法」の類義語として適切でしょう。

\次のページで「その2「極めて」」を解説!/

その2「極めて」

「極めて」は慣れ親しんだ言葉ですね。「きわめて」と読み、「程度がはなはだしいさま・非常に・この上なく」などの意味があります。「極めて」は少しかしこまった表現なので、ニュースや公の場の発表の時などによく耳にしますね。もう少し砕けた表現だと「とても・すごく・大変」といったところでしょうか。関西弁なら「めっちゃ」、福岡では「ばり」、江戸弁では「べらぼう」、といったところですね。

「滅法」「甚だ」「極めて」はすべて類義語ですが、それぞれに軽微な使い方の違いがあるので合わせて覚えておきましょう。

「滅法」の対義語は?

並の程度ではないさまを表す「滅法」という言葉には、対義語の定義は存在しません。色んな辞典で「甚だ」や「極めて」「とても」などからも探してみましたが、やはり該当する言葉はなかったので、「滅法」の対義語はなしという結論に至りました。

「滅法」の英訳は?

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「滅法」にはどんな英語表現があるのでしょうか。

「very」

いくつか表現方法はありますが、やはり一番単純明快に「very」で表現しましょう。「very」は身近な英語として使いやすく名詞の前に置くことができますよ。「とても」と強調したい時に使いますが、「wonderful」や「great」などの強調を表す単語とは併用できないので注意しましょう。

「滅法」のようなカジュアルな表現の時は、「so」を用いてもいいでしょう。「so」は副詞や形容詞の前に置いて使えて、より感情を込めたいときに用いられます。前出の例文を英訳しておくので参考にしてください。

「I am very strong in alcohol.」(私はお酒が滅法強い。)

「He has a very strong fight.」(彼は喧嘩が滅法強い。)

\次のページで「「滅法」を使いこなそう」を解説!/

「滅法」を使いこなそう

この記事では「滅法」の意味・使い方・類語などを説明しました。簡単に復習しましょう。「滅法」とは並の程度を超えた、はなはだしいさまを表す言葉でしたね。そしてこの言葉は仏教用語ですよ。万物の因縁を超越した真理である、という考えから「並の程度ではない」という意味で使われています。

自身で何か「滅法強い」と言えるものはありますか?私は器用ではありませんが「忍耐力だけは滅法強い」と思っていますよ。お酒でも語学でも体力でも何でもいいと思います。この記事をきっかけに自分の「滅法強い」と「滅法弱い」を探してみてはいかがでしょうか。

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国語言葉の意味

「滅法」の意味や使い方は?例文や類語を読書好きWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「滅法」について解説する。

端的に言えば滅法の意味は「並外れな」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「滅法」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「滅法」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「滅法」の意味や語源・使い方まとめ

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「滅法」という言葉を使う方はいるでしょうか?何となく下町の言葉のように感じますね。「めっぽう強い」などと聞いたことはありませんか?昔の言葉というかべらんべえ口調で江戸っ子が使うイメージがあります。そんな「滅法」という言葉を詳しく解説していきますね。

それでは早速「滅法」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「滅法」の意味は?

「滅法」を、辞書で検索すると次のような意味が出てきます。

1.因縁によって生じたのではないもの。無為法。
2.道理に外れるさま。常識を越えているさま。
3.並の程度でないさま。はなはだしく。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「滅法」

「滅法」は難しい漢字ですが、「めっぽう」と読み、仏教に由来する日本語です。意味にもあるように無為法(むいほう)の別名で、「因縁によって作らたものではない絶対的な真理」を意味する言葉ですよ。下町言葉ではなく仏教語で涅槃(ねはん)と同じ意味です。無為法や涅槃など難しい言葉が多く出てきていますが、詳しくは語源の所で解説しましょう。

「滅法」には他にも「道理に外れる・常識を越えている」「並に程度ではない・はなはだしい」の意味もあります。現在は並外れたという意味で、一般的に使われていますよ。

「滅法」の語源は?

次に「滅法」の語源を確認しておきましょう。意味の章でも少し触れましたが、「滅法」は仏教に由来した言葉です。仏教の世界では、万物は内的原因の「因」と外的原因の「縁」で成り立っていると考えられていて、全て「因縁」という法則のもと成り立っているとされていますよ。しかしその「因縁」から外れる事が起こると「法則が消滅してしまう」=「滅法」となるのです。この事を仏教の世界では「無為法(むいほう)」とも言い、因縁の法則から逸脱すること、すなわち因縁を超越した絶対的真理の事を指してますよ。「超越した・絶対的」から「滅法」が「並外れて」などの意味に成ったとされています。

少し専門的で難しいですね。堅苦しく考えずに簡単に言うと、仏教の世界で言われている「因縁」を超越するものを、法則が消滅する、すなわち「滅法」と言い、超越するさまや絶対的という意味から現在の「並外れて」に成ったという事ですよ。

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