この記事では「ふんぞり返る」について解説する。

端的に言えばふんぞり返るの意味は「いばること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験をもつベテランのKAIKAIを呼んです。一緒に「ふんぞり返る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱いながら文章力を磨いてきました。学生時代から国語が得意で言葉の意味には自信あり。

「ふんぞり返る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ふんぞり返る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ふんぞり返る」の意味は?

辞書をひくと、「ふんぞり返る」には、次のような意味があります。

1.上体を後ろにぐっとそらすようにする。また、尊大な態度をとる。


出典:デジタル大辞泉(小学館)「ふんぞり返る」

「ふんぞり返る」は、状態を後ろにそらせてリラックスしているという意味と、脚を前に伸ばして後方に状態をそらすように威張った態度をとるという意味があります。「ふんぞり返る」の「返る」とは動詞の連用形の後についてその動詞を強調し「すっかりその状態になる」という意味です。「すっかり威張った態度や尊大な態度をとる」ことの意味で使われます。ふんぞり返っている人を見て、単に「威張っている」と言うのではなく、皮肉をこめて「ふんぞり返る」と表現することが多いのです。

「ふんぞり返る」の語源は?

次に「ふんぞり返る」の語源を確認しておきましょう。

「ふんぞり返る」の「ふん」は「踏む」の撥音便化したもので、「踏ん張る」ことの意味です。「ぞり」は「反る」の連濁で、姿勢を後ろの方にそらす意味があります。「返る」は、「ふんぞる」を強調する言葉です。踏ん反り返っているポーズが偉そうに見えることから連想して威張った態度のことをたとえて言うようになりました。

\次のページで「「ふんぞり返る」の使い方・例文」を解説!/

「ふんぞり返る」の使い方・例文

「ふんぞり返る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.会社の社長はいつも社長室でふんぞり返っている。
2.父親だからと言って子供の前でふんぞり返っているのはよくない。
3.政治家がいつもふんぞり返っているから男性の秘書はなかなか反対意見が言えない。
4.人気の占い師でも占い中にふんぞり返って座っているのはマナー違反だ。

「ふんぞり返る」は、気分よくくつろいでいるという意味と、横柄な態度をとると言う意味がありますが、例文はいずれも横柄な意味で使われています。例文を読むとわかるように、「ふんぞり返る」ことはあまり好ましいこととは言えないので、やめた方がいいよという相手をいさめる気持ちが含まれていますね。

「ふんぞり返る」の類義語は?違いは?

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「ふんぞり返る」の類義語は何でしょうか。

その1「威張り腐る」

「威張り腐る」心が腐ってしまうほど威張り散らすという意味です。「くさる」は、批判する心を表す補助動詞になります。「あなたはいばり腐るのでみんなから嫌われている」などと言うのです。似た表現で、「威張り散らす」とも言いますが、これは「やたらといばりまくる」という意味になります。「家の中では兄は弟に向かって威張り散らしている」などと使われるのです。

\次のページで「その2「先輩風邪を吹かせる」」を解説!/

その2「先輩風邪を吹かせる」

先輩風邪を吹かせる」とは、先輩が後輩に対して見下げた態度で接することです。「先輩風邪を吹かす」とも言い、「風を吹かす」とは、それらしい様子を振る舞うという意味になります。いい意味では使われず、「先輩の立場だからと言って偉そうにするな」といった批判的なニュアンスがあるのです。「キャプテンは先輩風を吹かせてチームのメンバーに説教した」などと使われます。

その3「肩で風を切る」

「肩で風を切る」とは、肩で風をかき分けながら威勢よく得意になって歩くことです。「風を切る」とは、「弓矢が風を切って早く鋭く進む様子」からヒントを得たもので、「ボーナスの評価がよかった彼は肩で風を切ってオフィスを歩き回っている」などと使われます。いい意味でも悪い意味でも使われる便利な言葉です。

「ふんぞり返る」の対義語は?

「ふんぞり返る」の対義語は何でしょうか。

その1「かしこまる」

「かしこまる」は、「うやうやしく丁重にうやまう」「おそれつつしむ」「つつしんで目上の人の言葉を承る」「姿勢を正して座る」とい言ったたくさんの意味があります。「かしこ」とは「畏まる」とも書き、「畏」とは「おそれ敬うこと」の意味です。「王様の訓示を臣下の人々はかしこまって聞いていた」などと使われます。

その2「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」(みのるほどこうべをたれるいなほかな)とは、稲の穂に実がたくさんになると、その重さで垂れ下がってしまうという様子から例えて、学識や徳を積めば積むほど、そういった人は偉そうな態度は取らず、かえって謙虚になってまわりに頭を下げてあいさつするようになるということのことわざです。日本人の美徳を語った魅力的なことわざと言えますね。

「ふんぞり返る」の英訳は?

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「ふんぞり返る」は英語ではなんと言うのでしょうか。

\次のページで「「lean back」」を解説!/

「lean back」

日本語の「ふんぞり返る」は英語では「lean back」(後ろにもたれる)です。あるいは「lord it over someone」(王様のようにふるまう)または、「get cocky」(生意気な態度をとる)、もしくは「swagger around」(ふんぞり返って歩き回る)とも言います。

He leand back in a chair.(彼は椅子にふんぞり返った)
She is lording it over the students.(彼女は学生に威張っている)
He swaggers around his home.(彼は家の中をふんぞり返って歩き回る)  

「ふんぞり返る」を使いこなそう

この記事では「ふんぞり返る」の意味・使い方・類語などを説明しました。

椅子に座っている姿勢だけでも体の向きや脚の位置などで、その人の今考えていることや、性格がにじみ出てしまうものです。特にビジネスシーンでは上司や取引先から好印象をもたれるようにきちんと座るようにしましょう。そして、相手の話を聞きながら、興味や賛同を覚えた場合は、体を相手に向けたり、のりだすようにしたりすると、一生懸命聞いている姿勢が伝わって相手もうれしくなって話がどんどんはずんでいくものです。

ふんぞり返っていてもいいことはないのだということをしっかり認識しておきましょう。

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国語言葉の意味

「ふんぞり返る」の意味や使い方は?例文や類語をたくさんの文章を扱ってきたライターがわかりやすく解説!

この記事では「ふんぞり返る」について解説する。

端的に言えばふんぞり返るの意味は「いばること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験をもつベテランのKAIKAIを呼んです。一緒に「ふんぞり返る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱いながら文章力を磨いてきました。学生時代から国語が得意で言葉の意味には自信あり。

「ふんぞり返る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ふんぞり返る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ふんぞり返る」の意味は?

辞書をひくと、「ふんぞり返る」には、次のような意味があります。

1.上体を後ろにぐっとそらすようにする。また、尊大な態度をとる。


出典:デジタル大辞泉(小学館)「ふんぞり返る」

「ふんぞり返る」は、状態を後ろにそらせてリラックスしているという意味と、脚を前に伸ばして後方に状態をそらすように威張った態度をとるという意味があります。「ふんぞり返る」の「返る」とは動詞の連用形の後についてその動詞を強調し「すっかりその状態になる」という意味です。「すっかり威張った態度や尊大な態度をとる」ことの意味で使われます。ふんぞり返っている人を見て、単に「威張っている」と言うのではなく、皮肉をこめて「ふんぞり返る」と表現することが多いのです。

「ふんぞり返る」の語源は?

次に「ふんぞり返る」の語源を確認しておきましょう。

「ふんぞり返る」の「ふん」は「踏む」の撥音便化したもので、「踏ん張る」ことの意味です。「ぞり」は「反る」の連濁で、姿勢を後ろの方にそらす意味があります。「返る」は、「ふんぞる」を強調する言葉です。踏ん反り返っているポーズが偉そうに見えることから連想して威張った態度のことをたとえて言うようになりました。

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