国語言葉の意味

密談中はご用心!「壁に耳あり障子に目あり」の意味や使い方、類義語を院卒日本語教師がわかりやすく解説

「壁に耳あり障子に目あり」の英語表現は?

続いて、「壁に耳あり障子に目あり」の英語表現を見ていきましょう。日本語のことわざを英語に翻訳する場合、言葉をそのまま翻訳しても意味が伝わらない場合が多いです。ただ、「壁に耳あり障子に目あり」の場合、英語でも日本語と同じ単語を使ったことわざがあります

「walls have ears」:壁に耳あり

「壁に耳あり障子に目あり」の英語表現は「walls have ears」です。直訳すると「壁に耳あり」となり、日本語と同じ表現になります。意味やニュアンスも日本語と同一です。日本語圏でも英語圏でも”密談はバレやすい”ということは昔からの共通の認識なのかもしれませんね。

例文を見てみましょう。

1.Quiet! Don’t speak loudly. What I’m about to tell you is a secret. Walls have ears, you know. Listen carefully. 静かに!大きな声を出すな。これから話すことは秘密の話だ。壁に耳あり障子に目ありというだろう。注意して聞け。
2.Let’s talk in my cabinet. Walls have ears. I don’t want anyone to hear us talk about this. 私のキャビネットで話そう。壁に耳あり障子に目ありだ。この話は誰にも聞かれたくない。

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英語の表現も直訳すれば「壁に耳あり」となるのか。ここまで日本語と英語が被ることわざっていうのも珍しいな。噂話やヒソヒソ話がバレやすいっていうのは、世界共通、人類共通の概念かもな。

「耳」と「目」がつくその他のことわざ・慣用句

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ここまで「壁に耳あり障子に目あり」について解説してきました。「壁に耳あり障子に目あり」は、「耳」と「目」という身体の一部分を用いたことわざでしたが、「耳」と「目」を用いたことわざ・慣用句は他にもたくさんあります。ここではその一部を紹介していきましょう。

「耳」がつくことわざ

「耳」がつくことわざで有名なものは「馬の耳に念仏」でしょう。これは「人の意見や忠告をうわの空で聞き流すので、言っても全く意味のないこと」という意味を表します。

他には「耳が痛い(他人の発言が自身を咎めているように感じて聞くのが辛い様子)」「耳が早い(うわさ話を聞きつけるのが早い)」「耳が遠い(聴力が弱まり、音が良く聞こえない)」といった「耳が”形容詞”」といったタイプの慣用句がありますね。

「目」がつくことわざ・慣用句

「目」がつくことわざ・慣用句は、「良い目が出る(物事が思い通りに進むこと。運が向いてくること)」や「痛い目に遭う(辛い・ひどい体験をする)」といったように、目が”身体の一部の眼球”という意味では使われていないものが多いです。

ただ、「鵜の目鷹の目(鵜や鷹が獲物を狙う時のように、一生懸命ものを探し出そうとする様子)」のように、”身体の一部の眼球”として「目」が含まれていることわざ・慣用句も、もちろん存在します。

ご密談は慎重に…「壁に耳あり障子に目あり」

今回は「壁に耳あり障子に目あり」について解説しました。「壁に耳あり障子に目あり」は「どこかで誰かが見聞きしているかもしれないため、密談はバレやすい」という意味のことわざです。あなたのそのヒソヒソ話、いつどこで誰が聞いているか分かりませんよ…。壁に聞き耳を立てて聞いている人も、障子やドアの隙間からこっそり覗いているような人もいるかもしれません。

秘密の話をする時は気をつけましょう…。それが「壁に耳あり障子に目あり」ということわざから学べる教訓ですね。

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