
1.(噂話の途中)おい、声が大きいぞ。壁に耳あり障子に目ありで、誰が聞いてるかわからないんだから、もう少し声を小さくしろ!
2.壁に耳あり障子に目ありで、既に秘密の作戦は敵方に把握されていた。
3.A大臣とB社の社長が違法献金について話している。バレていないつもりかもしれないが壁に耳あり障子に目ありだ。本社にスクープとして送ってやる!
例文1は、「うわさ話やコソコソ話の最中に用心を促すために使われる場合」の例です。他人に聞かれたくない話ほど、誰かがこっそり聞き耳を立てていることが多いですからね。
例文2と3は、「既に発覚した密談やコソコソ話について使用される場合」の例です。
例文2は戦争や紛争の場面を想定した例文ですが、現代の戦争ではレーダーや人工衛星、そしてドローンや盗聴器など、あらゆるハイテク機器が駆使されています。「壁に耳あり障子に目あり」どころではないかもしれませんね。
例文3のような”政治とカネ”の悪事に関わる密談も、以前より発覚しやすくなっていると言えるでしょう。

今はLINEなどがあるから知らんが、昔は体育館の裏や図書館といった学校でもあまり人が来ないところに好きな人を呼びだして告白とかしたんだよな。でもな、人があまりいないところに呼び出したつもりでもけっこう見られてるもんなんだよなぁ。これも「壁に耳あり障子に目あり」かもな。
「壁に耳あり障子に目あり」の類義語は?

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次に、「壁に耳あり障子に目あり」の類義語を見ていきましょう。「壁に耳あり障子に目あり」と同じように、身近な物と身体の一部分を組み合わせた形のことわざが、類義語としていくつか存在します。
「石に耳あり」誰かが聞いているかも…
類義語の1つ目は「石に耳あり」です。「密談などが漏れやすいこと」を表します。どんなに用心をして密談を行っても、その辺の地面に転がっている石に耳があったら簡単に聞けてしまいますよね。その辺の地面に転がっている石と同じように、誰がどこにいて密談を聞いているかわからない…ということが由来だと考えられています。
「壁に耳あり障子に目あり」と意味やニュアンスの違いはありません。
「壁に耳石に口」誰かが聞いていて話が漏れるかも…
類義語の2つ目は「壁に耳石に口」です。「油断すると、どこで誰が聞いているか分からない、またその話が他者に漏れないとも限らない。密談はもれやすい」という意味を表します。どんなに用心して密談をしていても、その辺の壁や石のように、誰がいつどこで話を盗み聞きし、他の人に伝えているかは分かりませんよね。
こちらも、「壁に耳あり障子に目あり」と意味やニュアンスの違いはありません。
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