みんなはうわさ話や秘密の話は好きか?中には秘密をコソコソ誰かと共有するのが好きな奴だっているかもしれねぇな。でもな、「壁に耳あり障子に目あり」っていうからな。コソコソ話は誰かにバレやすいんですね。

ん?「壁に耳あり障子に目あり」って何?って顔をしているな。このことわざは、簡単に言えば「密談はバレやすい」っていう意味です。

今回はその「壁に耳あり障子に目あり」について、大学院卒の日本語教師"むかいひろき"に解説してもらうぞ。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で2年間働き、日本で大学院修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

「壁に耳あり障子に目あり」の意味や使い方は?

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なんとなく聞いたことがあり、なんとなく意味は分かる…。多くの皆さんにとって「壁に耳あり障子に目あり」はそういったことわざではないでしょうか。まずは、その「壁に耳あり障子に目あり」の意味や使い方を見ていきましょう。

「壁に耳あり障子に目あり」の意味は「密談はバレやすい」

最初に、「壁に耳あり障子に目あり」の辞書での意味を確認してみましょう。「壁に耳あり障子に目あり」は辞書では「壁に耳あり」の形で掲載されていることが多いです。今回自身が使用したことわざ辞典でも、「壁に耳あり」の形で紹介されていました。

どこかで誰かに聞かれているかも知れないということ。密談が漏れやすいことのたとえ。

出典:明鏡ことわざ成句使い方辞典(大修館書店)「かべにみみあり【壁に耳あり】」

「壁に耳あり障子に目あり」は「どこかで誰かが見聞きしているかもしれないため、密談はバレやすい」という意味のことわざです。壁の向こうで聞き耳を立てて聞いている人がいるかもしれない、障子の小さな穴からこっそり覗いている人がいるかもしれない…ということから、密談はバレやすいという意味を表します。

「壁に耳あり障子に目あり」の使い方を例文とともに解説!

続いて、「壁に耳あり障子に目あり」の使い方を例文とともに確認していきましょう。

「壁に耳あり障子に目あり」は、うわさ話やコソコソ話の最中に用心を促すために使われる場合もあれば、既に発覚した密談やコソコソ話について使用される場合もあります。

\次のページで「「壁に耳あり障子に目あり」の類義語は?」を解説!/

1.(噂話の途中)おい、声が大きいぞ。壁に耳あり障子に目ありで、誰が聞いてるかわからないんだから、もう少し声を小さくしろ!
2.壁に耳あり障子に目ありで、既に秘密の作戦は敵方に把握されていた。
3.A大臣とB社の社長が違法献金について話している。バレていないつもりかもしれないが壁に耳あり障子に目ありだ。本社にスクープとして送ってやる!

例文1は、「うわさ話やコソコソ話の最中に用心を促すために使われる場合」の例です。他人に聞かれたくない話ほど、誰かがこっそり聞き耳を立てていることが多いですからね。

例文2と3は、「既に発覚した密談やコソコソ話について使用される場合」の例です。

例文2は戦争や紛争の場面を想定した例文ですが、現代の戦争ではレーダーや人工衛星、そしてドローンや盗聴器など、あらゆるハイテク機器が駆使されています。「壁に耳あり障子に目あり」どころではないかもしれませんね。

例文3のような”政治とカネ”の悪事に関わる密談も、以前より発覚しやすくなっていると言えるでしょう。

「壁に耳あり障子に目あり」の類義語は?

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次に、「壁に耳あり障子に目あり」の類義語を見ていきましょう。「壁に耳あり障子に目あり」と同じように、身近な物と身体の一部分を組み合わせた形のことわざが、類義語としていくつか存在します。

「石に耳あり」誰かが聞いているかも…

類義語の1つ目は「石に耳あり」です。「密談などが漏れやすいこと」を表します。どんなに用心をして密談を行っても、その辺の地面に転がっている石に耳があったら簡単に聞けてしまいますよね。その辺の地面に転がっている石と同じように、誰がどこにいて密談を聞いているかわからない…ということが由来だと考えられています。

「壁に耳あり障子に目あり」と意味やニュアンスの違いはありません。

「壁に耳石に口」誰かが聞いていて話が漏れるかも…

類義語の2つ目は「壁に耳石に口」です。「油断すると、どこで誰が聞いているか分からない、またその話が他者に漏れないとも限らない。密談はもれやすい」という意味を表します。どんなに用心して密談をしていても、その辺の壁や石のように、誰がいつどこで話を盗み聞きし、他の人に伝えているかは分かりませんよね。

こちらも、「壁に耳あり障子に目あり」と意味やニュアンスの違いはありません。

\次のページで「「壁に耳あり障子に目あり」の英語表現は?」を解説!/

「壁に耳あり障子に目あり」の英語表現は?

続いて、「壁に耳あり障子に目あり」の英語表現を見ていきましょう。日本語のことわざを英語に翻訳する場合、言葉をそのまま翻訳しても意味が伝わらない場合が多いです。ただ、「壁に耳あり障子に目あり」の場合、英語でも日本語と同じ単語を使ったことわざがあります

「walls have ears」:壁に耳あり

「壁に耳あり障子に目あり」の英語表現は「walls have ears」です。直訳すると「壁に耳あり」となり、日本語と同じ表現になります。意味やニュアンスも日本語と同一です。日本語圏でも英語圏でも”密談はバレやすい”ということは昔からの共通の認識なのかもしれませんね。

例文を見てみましょう。

1.Quiet! Don't speak loudly. What I'm about to tell you is a secret. Walls have ears, you know. Listen carefully. 静かに!大きな声を出すな。これから話すことは秘密の話だ。壁に耳あり障子に目ありというだろう。注意して聞け。
2.Let's talk in my cabinet. Walls have ears. I don't want anyone to hear us talk about this. 私のキャビネットで話そう。壁に耳あり障子に目ありだ。この話は誰にも聞かれたくない。

「耳」と「目」がつくその他のことわざ・慣用句

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ここまで「壁に耳あり障子に目あり」について解説してきました。「壁に耳あり障子に目あり」は、「耳」と「目」という身体の一部分を用いたことわざでしたが、「耳」と「目」を用いたことわざ・慣用句は他にもたくさんあります。ここではその一部を紹介していきましょう。

「耳」がつくことわざ

「耳」がつくことわざで有名なものは「馬の耳に念仏」でしょう。これは「人の意見や忠告をうわの空で聞き流すので、言っても全く意味のないこと」という意味を表します。

他には「耳が痛い(他人の発言が自身を咎めているように感じて聞くのが辛い様子)」「耳が早い(うわさ話を聞きつけるのが早い)」「耳が遠い(聴力が弱まり、音が良く聞こえない)」といった「耳が"形容詞"」といったタイプの慣用句がありますね。

「目」がつくことわざ・慣用句

「目」がつくことわざ・慣用句は、「良い目が出る(物事が思い通りに進むこと。運が向いてくること)」や「痛い目に遭う(辛い・ひどい体験をする)」といったように、目が”身体の一部の眼球”という意味では使われていないものが多いです。

ただ、「鵜の目鷹の目(鵜や鷹が獲物を狙う時のように、一生懸命ものを探し出そうとする様子)」のように、”身体の一部の眼球”として「目」が含まれていることわざ・慣用句も、もちろん存在します。

ご密談は慎重に…「壁に耳あり障子に目あり」

今回は「壁に耳あり障子に目あり」について解説しました。「壁に耳あり障子に目あり」は「どこかで誰かが見聞きしているかもしれないため、密談はバレやすい」という意味のことわざです。あなたのそのヒソヒソ話、いつどこで誰が聞いているか分かりませんよ…。壁に聞き耳を立てて聞いている人も、障子やドアの隙間からこっそり覗いているような人もいるかもしれません。

秘密の話をする時は気をつけましょう…。それが「壁に耳あり障子に目あり」ということわざから学べる教訓ですね。

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国語言葉の意味

密談中はご用心!「壁に耳あり障子に目あり」の意味や使い方、類義語を院卒日本語教師がわかりやすく解説

みんなはうわさ話や秘密の話は好きか?中には秘密をコソコソ誰かと共有するのが好きな奴だっているかもしれねぇな。でもな、「壁に耳あり障子に目あり」っていうからな。コソコソ話は誰かにバレやすいんですね。

ん?「壁に耳あり障子に目あり」って何?って顔をしているな。このことわざは、簡単に言えば「密談はバレやすい」っていう意味です。

今回はその「壁に耳あり障子に目あり」について、大学院卒の日本語教師”むかいひろき”に解説してもらうぞ。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で2年間働き、日本で大学院修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

「壁に耳あり障子に目あり」の意味や使い方は?

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なんとなく聞いたことがあり、なんとなく意味は分かる…。多くの皆さんにとって「壁に耳あり障子に目あり」はそういったことわざではないでしょうか。まずは、その「壁に耳あり障子に目あり」の意味や使い方を見ていきましょう。

「壁に耳あり障子に目あり」の意味は「密談はバレやすい」

最初に、「壁に耳あり障子に目あり」の辞書での意味を確認してみましょう。「壁に耳あり障子に目あり」は辞書では「壁に耳あり」の形で掲載されていることが多いです。今回自身が使用したことわざ辞典でも、「壁に耳あり」の形で紹介されていました。

どこかで誰かに聞かれているかも知れないということ。密談が漏れやすいことのたとえ。

出典:明鏡ことわざ成句使い方辞典(大修館書店)「かべにみみあり【壁に耳あり】」

「壁に耳あり障子に目あり」は「どこかで誰かが見聞きしているかもしれないため、密談はバレやすい」という意味のことわざです。壁の向こうで聞き耳を立てて聞いている人がいるかもしれない、障子の小さな穴からこっそり覗いている人がいるかもしれない…ということから、密談はバレやすいという意味を表します。

「壁に耳あり障子に目あり」の使い方を例文とともに解説!

続いて、「壁に耳あり障子に目あり」の使い方を例文とともに確認していきましょう。

「壁に耳あり障子に目あり」は、うわさ話やコソコソ話の最中に用心を促すために使われる場合もあれば、既に発覚した密談やコソコソ話について使用される場合もあります。

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