
②永久組織
植物の組織の分け方は、研究者や文献によって少しずつ表現が異なることがあります。今回は、永久組織の代表的な分類として、以下の4種類に分ける方法をご紹介しましょう。
1.表皮組織
葉の表面や根の表面に位置し、植物のからだを外部環境から隔てている組織を表皮組織(ひょうひそしき)とよびます。表皮組織系とよばれたり、ただ単に表皮系とだけ呼ばれることもあるようです。
Zephyris, すじにくシチュー – このファイルの派生元: Leaf Tissue Structure.svg, CC 表示-継承 4.0, リンクによる
表皮組織はほとんどの場合、一層の平べったい細胞からなります。さらにその表面には、表皮を乾燥などから守るためのクチクラ層が存在していることも多いですが、クチクラ層自体は細胞ではありません。
表皮細胞が特殊化した細胞も、表皮組織に含まれます。ガス交換を行うための気孔を形作る孔辺細胞や、根毛になる細胞は、いずれも表皮組織が変化したものです。
2.通道組織
管状になり、植物の体内で水分や養分を輸送するための通り道となっている組織をまとめて通道組織(つうどうそしき)といいます。
地中から吸い上げた水分を輸送する道管や、葉でつくられた養分を輸送する師管の細胞は、この通道組織に含まれているんです。
なお、道管や師管、仮道管はそれぞれ木部、師部に含まれていますよね。
木部は道管、仮道管だけでなく、道管を支える繊維(木部繊維)や柔細胞(木部柔細胞)によっても構成されているものです。繊維はこの後ご紹介する機械組織、柔細胞は同じく後ほど登場する柔組織に分類されます。師部についても、やはり師管だけでなく、繊維や柔組織が構成要素に加わるのです。
つまり、木部や師部、そしてそれらをまとめた「維管束」というのは、複数の組織からなる構造体だということになります。
3.機械組織
機械組織(きかいそしき)は、植物体を機械的に支持したり、保護する役目をもった組織です。前述のように、茎などにみられる繊維は、この機械組織にほかなりません。
機械組織の細胞は、細胞壁の全体、またはその一部が分厚くなっています。これにより、植物のからだをしっかりと支えることができるのです。
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