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分裂した細胞が成熟し、それぞれの機能に分化した細胞からなるのが永久組織です。成熟組織とよばれることもあります。「分裂組織以外の部分」ととらえてしまっても構わないでしょう。こちらも位置する場所や機能によって表皮組織や通同組織などに分けられているんです。
植物体の中でも、分裂組織にあたる部分はごく一部。大部分は永久組織からなります。

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それでは、分裂組織と永久組織にふくまれる組織には、それぞれどんなものがあるのか、見ていきましょう。
①分裂組織
まずは分裂組織を見ていきましょう。
1.茎頂分裂組織
茎(シュート)の先端にある分裂組織が茎頂分裂組織(けいちょうぶんれつそしき)です。植物が地上部で茎をのばし、そのからだを縦方向に生長させていくときには、この茎頂分裂組織で盛んに細胞分裂が行われています。
2.根端分裂組織
茎頂分裂組織の反対、地下の根の先端にあり、盛んに細胞分裂を行う組織は根端分裂組織(こんたんぶんれつそしき)とよばれます。ここでの細胞分裂によって、根はどんどんとその長さを増していくのです。
なお、茎頂分裂組織と根端分裂組織は、まとめて頂端分裂組織(ちょうたんぶんれつそしき)ともいわれます。
また、植物の伸長(縦方向の生長)を引き起こすため、これらの組織のある部分は成長点という名前でもよばれるのです。
3.形成層
形成層(けいせいそう)は茎や根に存在し、それらが太くなっていく(肥大成長する)ために必要な分裂組織です。
形成層は全ての植物でみられるわけではなく、双子葉植物と裸子植物でよく発達します。
一般的に、形成層は維管束の木部と師部(篩部)の境に位置しています。形成層よりも内側が木部、外側が師部です。
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