理科生物

「熟成」の仕組みとは?食材に深みやうまみが増すのはなぜ?サイエンスの視点から理系ライターがメカニズムをわかりやすく解説

今日は食材の話です。俺はそんなグルメじゃないが、最近食材で「熟成〇〇」と聞くよな。「熟成」がつくと味がより深くなって美味しい、なんだか格上な感じがするよな。一見サイエンスに関係しないような話ですが、「熟成」には多くのサイエンスの視点から説明できるぞ。生物に詳しいライターmimosa(ミモザ)と一緒に解説していきます。

ライター/mimosa

もともと文系出身で、独学で生物学、生化学を勉強し、現在医学系研究所の研究アシスタントとして理系の世界へ飛び込んだ。理科が苦手な方へも興味を持ってもらうべくわかりやすい説明を心掛けている。

熟成と発酵の違い

image by iStockphoto

食材を熟成させるのは、かつては現在ほど物流が盛んではなく、生鮮食品の鮮度が落ちてもおいしく食べられるようするために先人の知恵で活用されました。また、オールシーズンある食材をある一定の数を確保することが難しかったので保存食にするためにも活用されましたよ。

「熟成」に似たものとして「発酵」がありますが、両者は少し違います。熟成と発酵について説明していきますね。熟成は畜肉についての説明になります。

熟成とは

熟成とは、食品を柔らかくし、うま味や風味を出し、品質を向上させるための工程になりますよ。なぜお肉が柔らかくなったりおいしくなったりするかというと、自然に含まれる酵素によって、タンパク質が分解されてアミノ酸へ変化するからですよ。(細菌の酵素を利用することもあります。)

英語ではエイジング(aging)とも言いますね。時間をかけて食材をねかせることを指しますよ。エイジングにはドライエイジングウェットエイジングがありますよ。一般的にはよくドライエイジングの製法が使われており、風を当て続けることでお肉が含む余分な水分を飛ばし、タンパク質やミネラル成分を凝縮します。ウェットエイジングは、真空包装して熟成させる方法ですよ。

発酵とは

image by iStockphoto

発酵とは、酵母菌や乳酸菌などの微生物が糖質を分解して有機酸や二酸化炭素、アルコールなどを作り出すことですよ。発酵食品をつくる過程で、発酵させたのち「ねかせる」など熟成の工程を経るので、広義では、発酵は熟成の内に入りますよ。

発酵食品は、味噌、醤油、お酒(日本酒)、ワイン、チーズ、ヨーグルトなど古くから食卓に馴染みのあるものばかりですね。

\次のページで「熟成させるとなぜおいしいのか」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: