この記事では「年季が入る」について解説する。

端的に言えば「年季が入る」の意味は「熟練した・長い間使われている」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「年季が入る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「年季が入る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「年季が入る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「年季が入る」の意味は?

「年季が入る」には、次のような意味があります。辞書や辞典で正確な内容を確認しましょう。

1.長い間修練を積んで確かな腕をしている。
2.道具などが長く使い込まれている。老朽化している。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「年季が入る」

あなたは長い間大切に使っているものはあるでしょうか。「年季が入る」とは「1.長い間修行を積み熟練した確かな腕を持っていること 2. 道具などが長い間使われているさま」の意。読み方は「ねんきがはいる」です。「1.長い間修行を積み熟練した確かな腕を持っていること」は「年季が入った職人」のように「人」に対して使われることが多いでしょう。長い間ある物事に従事しておりその道のプロであることを意味していますよ。

「2. 道具などが長い間使われているさま」は「年季の入った家具」のように「もの」に対して用いられていることが多いでしょう。昔からずっと使われており歴史が感じられるものを表しています。ポイントをしっかりとおさえておきましょう。

「年季が入る」の語源は?

次に「年季が入る」の語源を確認しておきましょう。「年季が入る」は「年季奉公(ねんきぼうこう)」という四字熟語から由来していると考えられています。「年季奉公」とは「一定の年数を単位として住み込んで働くこと」の意。

「年季」とは「奉公人を雇うときに定めた年数」を意味しています。「奉公」は「他人の家に雇われて一定期間住み込みで働くこと」の意。「年季奉公」の「一定期間働くと技術が磨かれていくこと」から派生して「年季が入る=経験を積んで熟練した」という意味になったと考えられていますよ。四字熟語が由来しているとはとても興味深い慣用句ですね。

\次のページで「「年季が入る」の使い方・例文」を解説!/

「年季が入る」の使い方・例文

「年季が入る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この慣用句は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼は年季が入った寿司職人だ。いつもおいしい寿司を握っている。
2.行きつけの洋食屋はレンガ造りの年季が入った建物だ。素敵な雰囲気を醸し出している。
3.彼は父から譲り受けた年季が入った腕時計を使い続けている。

「年季が入る」の使い方を例文から学びましょう。例文1は「熟練した技術」です。「とても熟練した職人技でお寿司を握っている様子」を示しています。おいしい寿司が味わえそうですね。例文2は「長い間使い続けられている建物」です。いつも行っている洋食屋は趣のあるレトロな建物であるさま」を表してます。素敵なお店であることがイメージできますね。

例文3は「長い間使われている腕時計」です。「彼は父から譲り受けた腕時計を大切に使っている場面」を言い表しています。世代を超えて使い続けていることが感じられますね。「年季が入る」の2つの意味を正しく使えるようになりましょう。

「年季が入る」の類義語は?違いは?

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「年季が入る」の類義語にはどのような言葉が考えられるのでしょうか。一緒に確認しましょう。

「円熟」

「年季が入る」の類義語には「円熟」が考えられるでしょう。「円熟」とは「人格や知識、技術などが十分に発達し豊かな内容を持つこと」の意。読み方は「えんじゅく」です。「年季が入る」の1番目の意味である「長い間修行を積み熟練した確かな腕を持っていること」の類義語ですね。「円熟した技術」や「円熟した人物」のようにとても技術が優れている「人」や「ものごと」を表現することがポイントです。「年季が入る」と一緒に覚えておきたい言葉ですね。

\次のページで「「年季が入る」の対義語は?」を解説!/

「年季が入る」の対義語は?

「年季が入る」の対義語にはどのような言葉が考えられるのでしょうか。関連する言葉を一緒に確認しましょう。

「くちばしが黄色い」

今回は「年季が入る」の「1.長い間修練を積んで確かな腕をしている」の対義語をご紹介します。「くちばしが黄色い」とは「年齢が若くて経験が浅いことを皮肉を込めて示している表現」です。「実力のない幼いひな鳥のくちばしは黄色い様子」から派生して「年が若く経験が足りていないさま」という意味を示すようになったと考えられていますよ。

使い方を例文から学びましょう。例文1は「彼はまだ若く実力不足のため店長を任せることはできないさま」を示しています。店を任せるにはまだ時間がかかることが想像できますね。例文2は「彼女はまだ若く経験が浅いため大きな仕事を頼むことができないさま」を表しています。もう少し経験を積むことが必要なのでしょう。使い方をマスターして下さいね。

1.彼はまだくちばしが黄色いので店長を任せることはできない。

2.彼女はまだまだくちばしが黄色いのでこのプロジェクトを任せることはできない。

「年季が入る」の英訳は?

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「年季が入る」は英語でどのように表現するのでしょうか。今回は2つご紹介します。

その1「experienced」

「年季が入る」の1つ目の意味である「長い間修練を積んで確かな腕をしているさま」は英語で「experienced」を使って表現できるでしょう。「experienced」は形容詞で「経験を積んだ・老練な」の意。使い方を例文でチェックしましょう。

例文1は「an experienced English teacher」で「彼女は腕の立つベテランの英語教師であること」を表しています。例文2は「hightly+experienced」を使い「とても熟練された技術を持つ技術者であること」を示していますよ。「experienced」はとても大切な英単語です。覚えておきましょう。

1.He is an experienced English teacher.
(彼は年季が入ったベテランの英語教師だ。)

2.She is a highly experienced technician.
(彼女はとても年季が入った腕の立つ技術者だ。)

\次のページで「その2「well-used」」を解説!/

その2「well-used」

「年季が入る」の2つ目の意味である「道具などが長く使い込まれているさま」は英語で「well-used」と表現できるでしょう。「well-used」は「使い古した・よく利用される」の意。「well」は「よく・十分に」の意。「used」は「使われた」を意味していますね。直訳すると「良く使われている」となり「年季が入る」の英訳となるでしょう。

使い方を例文から学びましょう。例文1は「年季が入った暖炉」です。「祖父母の家には昔から使われ続けている暖炉がある様子」を表しています。例文2は「年季が入った万年筆」です。「長い間使っている万年筆は私のものであること」を示していますよ。他にどのような英訳が考えられるのかを辞書などで調べてみましょう。

1.There is a well-used fireplace in my grandparents's house.
(私の祖父母の家には年季が入った暖炉がある。)

2.This well-used fountain pen is mine.
(この年季が入った万年筆は私のものだ。)

「年季が入る」を使いこなそう

この記事では「年季が入る」の意味・使い方・類語などを説明しました。あなたは「年季が入ったもの」を持っているでしょうか。年季が入った本・年季が入った家具など長い間使い続けられているものには世代を超えて受け継がれているものが多いでしょう。心のこもった素敵な贈り物は大切に使いたいですね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「年季が入る」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「年季が入る」について解説する。

端的に言えば「年季が入る」の意味は「熟練した・長い間使われている」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「年季が入る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「年季が入る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「年季が入る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「年季が入る」の意味は?

「年季が入る」には、次のような意味があります。辞書や辞典で正確な内容を確認しましょう。

1.長い間修練を積んで確かな腕をしている。
2.道具などが長く使い込まれている。老朽化している。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「年季が入る」

あなたは長い間大切に使っているものはあるでしょうか。「年季が入る」とは「1.長い間修行を積み熟練した確かな腕を持っていること 2. 道具などが長い間使われているさま」の意。読み方は「ねんきがはいる」です。「1.長い間修行を積み熟練した確かな腕を持っていること」は「年季が入った職人」のように「人」に対して使われることが多いでしょう。長い間ある物事に従事しておりその道のプロであることを意味していますよ。

「2. 道具などが長い間使われているさま」は「年季の入った家具」のように「もの」に対して用いられていることが多いでしょう。昔からずっと使われており歴史が感じられるものを表しています。ポイントをしっかりとおさえておきましょう。

「年季が入る」の語源は?

次に「年季が入る」の語源を確認しておきましょう。「年季が入る」は「年季奉公(ねんきぼうこう)」という四字熟語から由来していると考えられています。「年季奉公」とは「一定の年数を単位として住み込んで働くこと」の意。

「年季」とは「奉公人を雇うときに定めた年数」を意味しています。「奉公」は「他人の家に雇われて一定期間住み込みで働くこと」の意。「年季奉公」の「一定期間働くと技術が磨かれていくこと」から派生して「年季が入る=経験を積んで熟練した」という意味になったと考えられていますよ。四字熟語が由来しているとはとても興味深い慣用句ですね。

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