「鬱陶しい」と思われることもある?
「受け売り」は多用していると、「鬱陶しい」と思われてしまうこともあります。話を聞いている人たちは、目の前の話をしている人に集中して聞こうとしているわけです。それなのに話している側が「受け売り」ばかり話していると、「あの人は受け売りしか言わない」「何かと言うと受け売りばかりで鬱陶しい」と思われてしまいます。
人は良く知らない、目の前にもいない人の意見ばかり、大量に聞きたいなどと思ってはいません。今関わっているのは目の前の人なのだという意識を持つことが大切です。
「受け売り」の類義語は?
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「受け売り」の類義語は、「言伝/また聞き/伝聞/取次」などです。ただし、いずれも「人から聞いた話を別の人に伝える」という意味はあるものの、「自分の意見のように言う」というニュアンスは薄れています。
「言伝/取次」などは、はっきりと「○○さんがこう言ってました」と明かしているような、情報の仲介であることをオープンにした言葉です。重要なのは情報が正しい発信者から正しい受信者に伝わることであり、内容が正確であることが要求されます。
また、「また聞き/伝聞」などは、「ちらりと聞いた話を人に伝える」というニュアンスです。つまり、情報を発信した人から正式に聞いたわけではなく、耳に挟んだことを他の人に広める行為を指しています。
「受け売り」は良いのか悪いのか
本記事では解説において、「受け売り」を多用するとデメリットが大きいということを説明しました。しかし、では「受け売り」は悪いことなのかと言われると、それは違います。本当に悪いのは「受け売り」ではなく、「受け売り」に自分の意志が介在しないことなのです。
人は新しいことを学ぶとき、必ず最初は「受け売り」からスタートします。学校の授業、新しい仕事などは、必ず誰かから教えられて覚えていくもの。そして次第に理解が深まり、自分のものになった時から、「受け売り」の状態を卒業し自分の意見として発信できるようになるのです。
「受け売り」はしてもかまいません。しかしそこには、「この受け売りを発信することでどういう効果を期待しているのか」、ということを考えた末の結論がなくてはならないのです。