

端的に言えば入れ込むの意味は「夢中になる」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んだ。一緒に「入れ込む」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/AYA
長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「入れ込む」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。
「入れ込む」の意味や語源・使い方まとめ

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「入れ込む」という言葉はどんな時に使いますか?私は「物をしまう時」に用います。他にも「アイドルに入れ込む」などの表現もしますね。この2つは全く異なる意味ですが、他にも使い方はあるでしょうか?今回はそんな「入れ込む」について詳しく解説していきます。
それでは早速「入れ込む」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「入れ込む」の意味は?
「入れ込む」には、次のような意味があります。
1.人や物を1ヵ所に入れる。
2.熱中する。
3.競馬で、馬が興奮した状態になる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「入れ込む」
「入れ込む」は「いれこむ」と読み、「(人や物を)1ヵ所にいれる・熱中する」の意。物などをしまい込む事を言いますが、「1ヵ所に」や「他の物の中に入れて位置させる」など細かな条件がありますよ。もう一つの「熱中する」は冒頭でも例を挙げたように「(何かに)夢中になる・のぼせる」の意味を含みます。そして競馬で、馬が興奮状態になる事も「入れ込む」と表現しますよ。競馬の中継で、スタート前の馬がゲートの中ではやりたっている状態を指します。競馬用語で用いられるときは「入れ込む」や「焦れ込む」などと使いますよ。
「入れ込む」の語源は?
次に「入れ込む」の語源を確認しておきましょう。「入れ込む」という言葉は、明治時代から昭和初期まで日本に存在していた大日本帝国陸軍の中で使われていた方言でした。馬が厩舎で騒ぐ姿を「入れ込む」と表現していた事から、現在の「1ヵ所に入れる」や「馬が興奮した状態」を指す言葉に成ったとされています。また「熱中する」の意味では、遊郭があった江戸時代から使われていて、目当ての女郎につぎ込むさまの「入れ揚げる」の誤用ではないかと言われていますよ。
競馬用語としても女郎につぎ込むさまを表す言葉としても、現代までほとんど変化することなく、当時のままの意味を保っている貴重な言葉ですね。
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