なんと、植物では根に存在するアミロプラストが沈む方向を、重力の方向として感受しているようなのです。
根の中でも、根冠という部分にコルメラ細胞とよばれる細胞があります。ここにあるアミロプラストが重力によって動き、その方向に応じて植物ホルモンのオーキシンが輸送され、根が曲がっていくことが近年わかってきました。
image by Study-Z編集部
”認識”という言葉を使うのが正しいかどうかはわかりませんが…アミロプラストが根の方向を制御・調節する機構に深く関連しているということは、間違いないようです。
「根が深く伸びていく」という当たり前に思える現象ですが、このアミロプラストのはたらきが最近分かったように、その仕組みはまだ完全は解明されていません。近頃になって、遺伝子レベルの解析も進められるようになってきました。今後、さらに詳しい仕組みが分かっていくと期待されています。
細胞小器官の研究に期待!
アミロプラストは、デンプンをため込むだけのものではなく、重力屈性にも関係している細胞小器官でした。私は初めにこれを知ったとき、とても驚いたのですが…皆さんはどうでしょうか?
何気ない細胞小器官でも、研究が進むことで「別の役割も持っていた!」という事実が発見されることがあります。生物の体や細胞には、まだまだ隠された謎や秘密がたくさん存在しているのです。これからどんな新しい発見があるのか、期待がふくらみますよね。