慣用句「胸を撫で下ろす」は簡単に言うと「安心する」意味です。不安なことや悩み事があると胸が詰まる思いをするよな、それがすっと下りる感覚でしょう。良く耳にする言葉だから、くわしい意味や使い方を知って使いこなせるようになろう。
今回、いつも不安なペシミスト・語学系主婦ライターの小島ヨウを呼んです。一緒に「胸を撫で下ろす」を説明していく。
ライター/小島 ヨウ
言葉の使い方、漢字の意味に興味を持ち、辞典で調べまくるアナログ主婦ライター。分かりやすく、読みやすい文章を心がけている。
「胸を撫で下ろす」の意味・使い方
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緊張や強い不安があるとドキドキする胸に手を当てますよね。そして解消されると「あ~良かった」とその手を下ろす。これが「胸を撫(な)で下(お)ろす」しぐさです。慣用句としてだけでなく実際にしている「胸を撫で下ろす」、くわしく意味をみていきましょう。
「胸を撫で下ろす」の意味
まずは辞書で意味を調べてみましょう。
心配事が解決してほっとする。安心する。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「胸(むね)を撫(な)で下(お)ろ・す」より
意味の説明にある「ほっとする」とは緊張がとけて安心する、気持ちが楽になることです。「ほっと」は息をはくオノマトペ、不安で詰まっていた息がはき出され体の力が抜けた感でしょう。胸は人でいうと横隔膜よりも上の部分、心臓や肺・胃・乳房、そして心などの意味があります。「胸を撫で下ろす」は心配事から解放され、手で胸を撫でて下ろすこと、また、ほっと大きな呼吸をしたともいえるでしょう。
「胸」を使う慣用句はたくさん!
緊張や悩み事から解放され安心する「胸を撫で下ろす」は、「胸のつかえが下りる」とも表現できます。「つかえ」は「痞え」と書き、病気や心配で胸が詰まるような感じがするものです。これが下りるとはなくなること。苦しい胸の内が解決した比ゆ的表現です。
ほかにも「胸」を使う慣用句はたくさんあります。たとえば「胸がおどる」は期待や興奮でわくわくすること、「胸をたたく」は相手の依頼を引き受ける気持ちの表現、「胸が悪い」は腹立たしいなど。続きは対義語の項でご紹介しますね。
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