この記事では「やっかみ」について解説する。

端的に言えばやっかみの意味は「ねたみ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「やっかみ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「やっかみ」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「やっかみ」の意味や語源・使い方まとめ

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「やっかみ」という言葉をご存じでしょうか?聞いたことはあるけど普段は使わない、という方もいるかもしれませんね。主に関東地方で使われていることから、方言という説もあるようです。当てはまる漢字はなく、「やっかむ」という動詞の連用形が名詞化したものとされていますよ。今回はそんな「やっかみ」という言葉について詳しく解説していきます。

それでは早速「やっかみ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「やっかみ」の意味は?

「やっかみ」には、次のような意味があります。

1.うらやみ。
2.ねたみ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「やっかみ」

前出したように「やっかみ」は「やっかむ」という動詞の連用形で名詞化した言葉です。関東地方では「うらやみ・ねたみ・恨み」の意味で用いられますよ。羨ましく思ったり、嫉んだりする気持ちを表しています。人の才能や環境などを羨ましく思う反面、憎らしく妬みも含む状態を「やっかみ」と言いますよ。

とてもネガティブな言葉でセンシティブな感情ですよ。憧れとねたみは紙一重な感情なのかもしれませんね。

「やっかみ」の語源は?

次に「やっかみ」の語源を確認しておきましょう。「やっかみ」という言葉がどのようにいつ頃誕生したか、どんなに調べてみても明確には出てきませんでした。一説には「(やきもちを)焼く」と「噛む」を組み合わせた造語という説もありますよ。焼きもちを焼いて相手に噛みつく心境を指しているようですが、根拠は明記されていなかったので憶測の域はでないようです。

もう一つ有力な説として、江戸時代の商家で行なわれていた家神(やっかみ)のお祓いを、お金持ちにしか出来ない事から、庶民は「やっかみ祓い」を羨ましく思う気持ちが転じてねたみの意味になったとされる説ですよ。「やっかみ祓い」は、現在で言う「地鎮祭」に当たる行事のようです。こちらも文献に載っていたわけではないので、どれほどの信憑性があるかは不明ですが、雑学として覚えておくと良いでしょう。

\次のページで「「やっかみ」の使い方・例文」を解説!/

「やっかみ」の使い方・例文

「やっかみ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.成績があがるとやっかみ半分で嫌がらせを受けた。
2.隣の奥さんは何かにつけてやっかんでくる。
3.結婚報告をすると周りにやっかみを受けた。

例文を3つ挙げてみました。例文1のように学生時代は、急に成績があがったり部活で実力がついてくるとありがちな話ですね。頑張って努力した結果でも「あの子は塾に行ってるからね」などという人もいますよね。例文2は近所づきあいやママ友など女性同士の付き合いの中で、自分と他人を「比較する」という事をすると、「やっかみ」が発生しますよ。例文3は色んな想像ができますが、周囲より一足早く結婚が決まった場合や、素敵なパートナーに右肩上がりの仕事と順風満帆な人生を送っている人なら、順調な人生そのものにバッシングを受けるかもしれませんね。

このように「やっかみ」とは、自分よりも優位だと感じる事に羨ましい感情プラス妬みが混じった、ネガティブな感情のことを指しますよ。

「やっかみ」の類義語は?違いは?

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「やっかみ」には色んな言い換え類義語がありそうですが、何が適切でしょうか?

「妬み」

「やっかみ」に一番近い類義語は「妬み」ですよ。「妬み」は「ねたみ」と読み、「自分には無い能力や財産・地位などを持っている人に対して憎らしく感じる程うらやむこと」を表していますよ。「やっかみ」とほぼ同じ意味なので類義語としてふさわしいでしょう。

「嫉妬(しっと)」もやっかみや妬みと同義語と思われがちですが、「嫉妬」は「奪われる、または失うという恐怖から来る感情」を表す言葉ですよ。ですので「やっかみ」の類義語にはなりませんが、似ているようで全く違う意味を持っているので合わせて覚えておきましょう。

\次のページで「「やっかみ」の対義語は?」を解説!/

「やっかみ」の対義語は?

人のことをうらやむ気持ちの「やっかみ」には、どんな対義語があるでしょうか?

「称賛」

「称賛」「しょうさん」と読み、「褒め称えること」の意。「称」にも「賛」にも「言葉に出して褒める・たたえる」の意味が含まれていますよ。嫉む・うらやむなどの気持ちを表す「やっかみ」とは反対の意味ですので、対義語として適切と言えるでしょう。

「称賛」と同じ響きで「賞賛」という言葉もありますが、「賞賛」「金品などの褒美を与えて褒める」ことを意味します。「称賛」と「賞賛」の違いも理解して、上手く使い分けましょう。

「やっかみ」の英訳は?

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ネガティブな感情を表す「やっかみ」は、英語ではどう表現するでしょうか?

その1「envy」

「envy」は「妬ましい・羨ましい」という意味です。嫉むという少し強いニュアンスも含まれているので、「やっかみ」の英語表現にはピッタリですよ。ですがこの単語は少しフォーマルな言い回しですので、日常会話ではあまり使わない表現ですよ。

その2「jealous」

日常会話で用いるならこちらの方がいいでしょう。「jealous」は日本語で「ジェラシー」と使われているので分かりやすいですね。日本語での「jealous」は、主に異性に対する「嫉妬・やきもち」を表すのに用いられますが、本来は「羨ましい」という気持ちを表現する単語ですよ。例文を挙げるので参考にしてください。

「I was jealous of everyone when I got better grades.」

(成績が上がるとみんなにやっかみを受けた。)

\次のページで「「やっかみ」を使いこなそう」を解説!/

「やっかみ」を使いこなそう

この記事では「やっかみ」の意味・使い方・類語などを説明しました。簡単に復習しましょう。「やっかみ」とは「うらやむ・ねたむ」の意味でしたね。羨ましい気持ちが強すぎて妬ましくなり、何かをしないと気が済まない心理のことを指しますよ。

「妬み」と似た言葉で「嫉み(そねみ)」があります。「嫉み」は「人をうらやむ自分を腹立たしく思う気持ち」を表しますよ。「妬み」は羨望の気持ちの矛先が外に向くことで、内に向くと「嫉み」と表現されます。そして「嫉妬」は少し意味が変わり「奪われることへの恐怖」の感情を表しますよ。「妬み・嫉み・嫉妬」は同議語に扱われがちですが、それぞれ違った意味がありどれもネガティブな言葉ですね。人をやっかんでしまう時は、まず比較をするのをやめてみましょう。時には見ないようにすることも大切だと思います。感情をコントロールするのは簡単ではありませんが、「やっかむ」ことから離れる事で、楽になれますしまずは自身の身の回りの小さな幸せに目を向けてみてはいかがでしょうか?

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国語言葉の意味

「やっかみ」の意味や使い方は?例文や類語を読書好きWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「やっかみ」について解説する。

端的に言えばやっかみの意味は「ねたみ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「やっかみ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「やっかみ」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「やっかみ」の意味や語源・使い方まとめ

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「やっかみ」という言葉をご存じでしょうか?聞いたことはあるけど普段は使わない、という方もいるかもしれませんね。主に関東地方で使われていることから、方言という説もあるようです。当てはまる漢字はなく、「やっかむ」という動詞の連用形が名詞化したものとされていますよ。今回はそんな「やっかみ」という言葉について詳しく解説していきます。

それでは早速「やっかみ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「やっかみ」の意味は?

「やっかみ」には、次のような意味があります。

1.うらやみ。
2.ねたみ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「やっかみ」

前出したように「やっかみ」は「やっかむ」という動詞の連用形で名詞化した言葉です。関東地方では「うらやみ・ねたみ・恨み」の意味で用いられますよ。羨ましく思ったり、嫉んだりする気持ちを表しています。人の才能や環境などを羨ましく思う反面、憎らしく妬みも含む状態を「やっかみ」と言いますよ。

とてもネガティブな言葉でセンシティブな感情ですよ。憧れとねたみは紙一重な感情なのかもしれませんね。

「やっかみ」の語源は?

次に「やっかみ」の語源を確認しておきましょう。「やっかみ」という言葉がどのようにいつ頃誕生したか、どんなに調べてみても明確には出てきませんでした。一説には「(やきもちを)焼く」と「噛む」を組み合わせた造語という説もありますよ。焼きもちを焼いて相手に噛みつく心境を指しているようですが、根拠は明記されていなかったので憶測の域はでないようです。

もう一つ有力な説として、江戸時代の商家で行なわれていた家神(やっかみ)のお祓いを、お金持ちにしか出来ない事から、庶民は「やっかみ祓い」を羨ましく思う気持ちが転じてねたみの意味になったとされる説ですよ。「やっかみ祓い」は、現在で言う「地鎮祭」に当たる行事のようです。こちらも文献に載っていたわけではないので、どれほどの信憑性があるかは不明ですが、雑学として覚えておくと良いでしょう。

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