1.あいつはいつも部長に媚びを売っている。昇進には部長からの評価が必須なのは事実だが、当の部長も迷惑しているらしい。
2.テストの点はあまり良い印象がないのに成績が良い田中君は、先生に媚びを売るのがうまいなと周囲にからかわれていた。
3.爽やかで同僚や上司からも一目置かれている彼は、食堂のおばちゃんからも媚びを売られているようだ。
1は権力を持つ相手に取り入って利益を得ようとしている人物を表現するのに使われています。相手がうんざりしていることからも「媚びを売る」の「売る」のニュアンスがぴったりですね。
2では1ほどではないが、成績を決めるという力を持つ先生に何かしら自分が得をするようアピールをしたことを疑う悪口に使われている例です。
このように辞書的な意味で使われるときはネガティブな意味を持ちます。
3は辞書には載っていない一般的に使われる意味での使用例。この用法では立場の上下は関係ありません。
また、1,2のような使い方の場合でも上司が部下に媚びを売るなど好かれることで利益がある状況では立場を問わず使うことができます。
その1「ゴマをする」
目上の人物の発言を大絶賛したり、お世辞を言ったりして機嫌をとろうとすることを指します。
和食料理店でゴマをすったことがある方ならイメージできるかもしれませんが、すり鉢でゴマをするとゴマがはりつくのです。
そこから相手に取り入ろうと必死にひっつくことを「ゴマをする」と言うようになりました。
その2「尻尾を振る」
権力者に目をかけてもらえるように行動をすることを指す慣用句です。
飼い犬が餌をくれる人物に対して尻尾を振って大喜びすることから派生しました。
そのため「媚びを売る」のように目上の者が目下の者の好感度を得ようとする場合には使えません。
その3「太鼓持ちをする」
他人に気に入られようと媚びることを指します。
元々は寄席などで観客の機嫌をとる職業であった太鼓持ちから来た表現です。
また太閤(摂関の職を辞したのち就く称号)を持ち上げることを「太閤持ち」と呼びそれが訛っていったという説もあります。
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