この記事では「生来」について解説する。

端的に言えば生来の意味は「生まれたときからの性質や能力」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

放送局の制作現場で10年の経験を積んだsinpeito88を呼んです。一緒に「生来」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/sinpeito88

放送局の現場で10年間、ニュース原稿などを日々執筆。より正確な情報を届けられるよう言葉の探求を続けている。

「生来」の意味や使い方まとめ

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それでは早速「生来」の意味や使い方を見ていきましょう。この言葉は、「せいらい」または「しょうらい」と読みます。読み方によって意味が変わったりすることはありません。

「生来」の意味は?

「生来」には、次のような意味があります。

1.生まれたときからの性質や能力。生まれつき。性来。しょうらい。

2.生まれてから今まで。しょうらい。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「生来」

「生来」にはまず「生まれたときからの性質や能力」という意味があります。人が生まれながらに持っている才能であったり、あるいは変えがたい性格的な部分を指して使われる言葉です。そして、もうひとつが「生まれてから今まで」という意味。「生まれて以来」が縮まっているイメージで使えば間違いはないでしょう。

また、「生来」という言葉が表すものは、ポジティブなものからネガティブなものまで様々です。この言葉が出てきたからと言って、その気質や性質について批判的な言い方になるとは限りません。純粋に「生まれ持っての性格、才能」や「生まれて以来」どうであるかという意味合いで使われます。

「生来」の使い方・例文

「生来」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「生来」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.生来の人たらしである男は、ビジネスで大成功を収めた。

2.彼女は、生来健康状態に問題を抱えていたが、たゆまぬ努力でランキング上位に食い込む選手となった。

1の例文では、「そもそも、男がどういう性格であるのか」という意味で使われています。今回のように、良い意味合いの言葉が入る場合から「生来せっかちな男」のように、あまり良い意味でない言葉まで「生来」は使用可能範囲が広い言葉です。

2の例文は「生まれてからこれまで彼女が抱えていた問題は何か」という意味で使われています。こちらも、「生まれてからこれまで」続いていることが良い事なのか、悪い事なのかに関わらず使用可能です。

「生来」の類義語は?違いは?

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「生まれたときからの性質や能力」という意味の「生来」という言葉。この類義語として挙げられる言葉としては「本性」「生得」「天性」「持前」などの言葉が挙げられます。それぞれ、「生まれたときからの性質や能力」について用いられる表現です。しかし、使われ方が少しずつ違います。

まず「本性」は「本来持っている性質」という意味で、生まれ持っての性質以外のものについても使用することができる言葉です。「生得」は「生まれながらにしてそういう性質を持っている事」という意味で、かなり生来に近いですが「持っている」というニュアンスが少し強まっています。「天性」は「天から授けられた性質」という意味で、「生来」よりも「天賦のものである」という意味合いが強調される言葉です。「持前」は「その身に元々備わっているもの」という意味で、能力を表す時に使われるケースが多い表現となります。

その1「本性」

「本性」は「本来もっている性質、生まれながらの性質」という意味の言葉。「生来」のように、生まれながらにして持っている性質」以外にも使うことができますが、「能力」については使うことができないです。「本性をあらわす」という表現があるように、どちらかと言えば、「隠し持っている」という印象が強い性質などにたいして使われます。そのため、あまりポジティブな性質に対して使われるケースは少なく、ネガティブなものと結びつくことが多くなります

外部スタッフに見せる横柄な態度こそが部長の本性だ。

\次のページで「その2「生得」」を解説!/

その2「生得」

「生得」は「生まれながらにしてそういう性質を持っている事」という意味です。「もともと」と同じような意味でも使われます。またこちらも「本性」同様に「生まれながらにして持っている能力」については使うことができません

生得の人のよさにつけこまれ、多額の借金を肩代わりさせられた。

その3「天性」

「天性」は「天から授けられた性質。また、生まれつきそのようであること」という意味の言葉。どちらかと言えば、「神様からもらった性質、能力」ということで、長所を指す時に使われることが多い表現です。もちろん、悪い意味で使うことができないわけではありません。後に身につけるような事柄であったとしても、それが圧倒的であり、他の追随を許さないような場合に「まさに神様から授かったようだ」ということで使われるのが「天性」です。

スポーツ選手でいえば、野球選手の長打力や、脚力。サッカー選手の得点感覚などが努力では到達できないような領域に達している時に「天性」という言葉を使って表現します。逆にスポーツで言えば「判断能力」や「プレーの正確さ」など、経験や努力が積み重なることで向上していくようなものには使わない方が良いでしょう。

5月に入り、悩んでいた主砲の天性の長打力がようやく発揮されはじめた。

その4「持前」

「持前」は「その身にもともと備わっているもの。生まれつきのもの」という意味です。性質にも能力にも使うことができる言葉で、努力することで身につけるというよりも、その人が自然と持っているものを指して使われます。

普段からいじられキャラの男は、持前の明るさを発揮して主力が離脱して苦しいチームを勇気づけた。

\次のページで「「生来」の対義語は?」を解説!/

「生来」の対義語は?

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「生来」は「生まれたときからの性質や能力。生まれつき。性来。しょうらい。」という意味の言葉。その対義語となると「生まれた後に身につけた性質や能力」という意味の言葉になります。意味としては「後天」という言葉が該当しますが、名詞であり、生来のように副詞として使うことができません

よって、「生来」の対義語として挙げられる言葉はないということになります。

「生来」を使いこなそう

この記事では「生来」の意味・使い方・類語などを説明しました。「生まれたときからの性質や能力」という意味で使われる「生来」という言葉。それが良いものであっても悪いものであっても使うことができる万能フレーズです。また「生まれてからこれまで」という意味でも使うことができることも覚えておきましょう。同じ読みで「将来」「招来」という言葉がありますが、これは、まったく別の意味の言葉。会話の中で出てきたときには注意が必要です。

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国語言葉の意味

「生来」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「生来」について解説する。

端的に言えば生来の意味は「生まれたときからの性質や能力」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

放送局の制作現場で10年の経験を積んだsinpeito88を呼んです。一緒に「生来」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/sinpeito88

放送局の現場で10年間、ニュース原稿などを日々執筆。より正確な情報を届けられるよう言葉の探求を続けている。

「生来」の意味や使い方まとめ

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それでは早速「生来」の意味や使い方を見ていきましょう。この言葉は、「せいらい」または「しょうらい」と読みます。読み方によって意味が変わったりすることはありません。

「生来」の意味は?

「生来」には、次のような意味があります。

1.生まれたときからの性質や能力。生まれつき。性来。しょうらい。

2.生まれてから今まで。しょうらい。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「生来」

「生来」にはまず「生まれたときからの性質や能力」という意味があります。人が生まれながらに持っている才能であったり、あるいは変えがたい性格的な部分を指して使われる言葉です。そして、もうひとつが「生まれてから今まで」という意味。「生まれて以来」が縮まっているイメージで使えば間違いはないでしょう。

また、「生来」という言葉が表すものは、ポジティブなものからネガティブなものまで様々です。この言葉が出てきたからと言って、その気質や性質について批判的な言い方になるとは限りません。純粋に「生まれ持っての性格、才能」や「生まれて以来」どうであるかという意味合いで使われます。

「生来」の使い方・例文

「生来」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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