
その2「苦言」
「苦言」(くげん)は、相手のためを思ってあえて非難することです。「小言」は相手を非難したり苦情を申し入れる意味なので、この点が異なります。「校長先生は朝礼のあいさつで生徒の行動に対して苦言を呈した」などとつかわれるのです。「苦言を頂戴する」と言った場合は、相手に感謝して、指摘を受け入れるというニュアンスがありますが、「小言を頂戴する」と言った場合は、相手のことを本当に迷惑だと思っているというニュアンスがあります。
「苦言を呈する」という言い回しで使われますが、「小言を呈する」とは言いません。また、「小言を言う」という言い回しで使われますが、「苦言を言う」とは言いませんね。
その3「叱責」
「叱責」(しっせき)とは、目上の人が目下の人のおかした失敗や間違いなどを厳重にしかりつけることです。「叱責を免れない」というフレーズで使われることが多く「叱責を免れない大変なミスをおかしてしまった」などと使われます。よく似た言葉に「叱咤」(しった)という言葉がありますが、「叱咤」は相手に責任を問うということはありませんが、大きな声を出してしかりつける意味です。片や、「叱責」は、相手の責任を問いただしながらしかりつけるという意味になります。
「小言」の対義語は?
「小言」の対義語は何でしょうか。
その1「称賛」
「称賛」(しょうさん)は、状況にかかわらず、自分がよいと思ったことを言葉を使ってほめることです。「彼が大学に合格するためにがんばって勉強したことを称賛する」などと使われます。同じ読み方で「賞賛」と書く場合がありますが、これは、他の人よりも優れていることを賞金や賞状などを与えることによってほめたたえることの意味です。「月間の売り上げがトップになったので全社員から賞賛された」などと使われます。
その2「賛辞」
「賛辞」(さんじ)とは、相手をほめたたえる時に使われる言葉の意味です。「辞」とは、「ことば」という意味があります。「賛辞を受ける」や「賛辞をいただく」や「賛辞を送る」といった言い回しをされますね。「表彰式で主催者から優勝した選手に賛辞が送られた」などと使われるのです。ちなみに、「賞賛」とは商品や賞状を与えてほめることで、「称賛」とは、言葉を用いてほめることの意味になります。「賛辞」とはほめたたえるための言葉という意味であり、3つの用語の意味はそれぞれ異なるのです。
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