その2「稀代」
「稀代/希代」の読みは辞書によると「きたい」ですが、「きだい」と読めるとも書かれています。意味は「世にもまれで、滅多に見られないこと」あるいは、そのさまを表す言葉です。
「稀代の戦術家」といえば、源頼朝の異母弟である源義経。「一ノ谷の戦い」や「壇ノ浦の戦い」で、源氏軍を勝利に導いた功労者して知られていますね。その他にも「稀代の大泥棒」や「稀代の悪女」といった表現もよく聞かれます。「稀代の」という表現を使うと、その人のキャラクター性が前面に出るともいえるでしょう。
「類稀」の対義語は?
次は「類稀」の対義語を見ていきましょう。「類稀」には明確な対義語といえる表現はないようです。そこで「匹敵するようなものが中々ないさま」と反対の意味合いを持つ言葉を、いくつか紹介していきます。
その1「人並み」
「類稀」と反対の意味合いを持つ言葉に「人並み」があります。「能力・行為・生活などの水準が、大多数の人と同程度であること」という意味で、「世間並み」とも言い換えられるでしょう。この水準が人並みから外れると「類稀」になるというわけです。
ちなみに「人並み」と似ている言葉に「月並み」がありますが、こちらの意味は「新鮮みがなく、ありふれていて平凡なこと」。平凡という意味では同義ですが、ニュアンスは少し異なっています。
その2「凡庸」
「凡庸(ぼんよう)」は「平凡でとりえのないこと」あるいは、その人や、そのさまを指す言葉です。「凡」の字には「ありふれていること」という意味があります。一方の「庸」は「片寄りがない」というのが本来の意味。ここから「特徴がない」という意味に転じています。「凡庸」という表現には、まさに「The 平凡」といったニュアンスがあることが分かりますね。
「類稀」の英訳は?
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日本語の「類稀」は英語で表現すると、どのようになるのでしょうか?ここからは日本というフィールドを離れて、文化や習慣の異なる英語圏の視点から「類稀」の英語訳を見ていきましょう。
その1「extraordinary」
「類稀」という日本語を英語で表現する場合、「extraordinary」という英単語が使えます。長い単語で覚えにくい印象があるかもしれませんが、言葉の成り立ちは単純です。「普通の・通常の」という意味の形容詞「ordinary」に、「外」を意味する接頭辞「extra」がついています。世間一般といったエリアとは別次元にいるさまがイメージできるでしょう。
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