「類稀」の使い方・例文
続いて「類稀」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のような文章で用いられます。
1.彼女は類稀な美貌(びぼう)とセンスを持つ女優さんで、人気ランキングでも常連だ。
2.類稀な才能を持った「博士ちゃん」と呼ばれる子どもたちが、最近メディアに多く出演して話題になっている。
3.類稀な歌唱力を持つ日本人アーティストが、海外でも注目されている。
4.現代の競争社会を勝ち抜くには、類稀な先見性を持っているだけでなく、パフォーマンス力も高くなくてはならない。
例文1のように「類稀」は「美しさ」というキーワードとあわせて使われることが多い言葉です。とはいえ「他に類を見ないほど美しい人」というのは、そうそういるものではありません。表現としては一般的ですが、実際に使うケースは限られるでしょう。
例文2や例文3のように「才能」と組み合わせた表現も多く見受けられます。能力の高さを表すだけでなく、周りと一線を画しているさまが強調できる表現です。芸術の分野に限らず幅広く用いられています。
例文4の「先見性を持つ人」というのは「先を見通すことができる人」のこと。何かを変えていく力がある人は、物事の見方も行動力も普通の人とは異なっているということが分かりますね。
「類稀」の類義語は?違いは?
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ここからは「類稀」の類義語を見ていきましょう。「匹敵するようなものが中々ないさま」と同じような意味を持つ言葉を、いくつか紹介していきます。
その1「絶世」
「絶世(ぜっせい)」という言葉は「この世に並ぶものがないほど優れている」ことを意味します。この言葉を聞くと、まず「絶世の美女」が頭に浮かぶのではないでしょうか。
では「絶世の美女」と「類稀な美女」、どちらの美しさが勝るのでしょう。「絶世の美女」は「類稀な美しさを持つ女性」であると説明できるので、両者の美の程度に差はありません。ただ「世の中」というスケールの大きさをイメージする「絶世の美女」のほうが、そのインパクトが大きいといえるでしょう。
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