端的に言えば類稀の意味は「匹敵するようなものが中々ないさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ドラマやアニメなど、数多くの映像字幕を作成した経験があるNagiを呼んです。一緒に「類稀」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/Nagi
映像翻訳スクール出身。翻訳、チェッカー以外にも、CC字幕(クローズドキャプション)の制作多数。言葉を文字で表現する「字幕」の世界に数多く触れてきた経験を活かして、分かりやすく解説する。
「類稀」の意味や語源・使い方まとめ
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「類稀」は「たぐいまれ」と読みます。なじみがある言葉だと思いますが、漢字で書けるという人は少ないのではないでしょうか。
それでは早速「類稀」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「類稀」の意味は?
まず、国語辞典に記載されている意味を見てみましょう。「類稀」には、次のような意味があります。
めったにないことであるさま。非常にすばらしい、非常に悪いなど、そのことの度合の大きいさまを表わす語。
出典:コトバンク「類稀」
「類稀」は「非常に数が少なく珍しいさま」を表す言葉です。数は少ないものの「非常に良い/非常に悪い」といったように、良し悪しの程度がそれぞれ大きいため、他との違いが目立つ状態といえるでしょう。また、ふりがなを入れた「類い稀」の使用例も多く見受けられます。実際、こちらの表記のほうが一般的に使われているようです。
「類稀」の語源は?
次に「類稀」の語源を確認しておきましょう。「類(たぐい)」という字には「似ているもの」という意味があります。一方の「稀(まれ)」は「実現することや存在することが非常に少ないさま」を表す字です。他に類を見ない(似ているものがない)ほど、実現・存在することが非常に珍しい=「類稀」という意味になることが分かりますね。「実現を願う思い」の意味合いを持つ「希」を使って「類希」と書くことも可能です。
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