

『意気込んできたのに「拍子抜け」だったな』なんて形で使われるよな。しかし拍子っていやあ『リズム』のことだと思うが、『リズムが抜ける』って言われると、なんだかわかったようなわからないような、微妙な感覚に陥るぜ。どんなシチュエーションが語源になったんだろうな。
今回は「拍子抜け」された経験が豊富なライターであるぷーやんを呼んだ。「拍子抜け」の意味と使われ方について、説明してもらう。
- 「拍子抜け」の意味って?
- まずは「拍子抜け」を辞書でみてみよう!
- 「拍子抜け」の使い方を例文でみてみよう
- 「拍子抜け」の類義語3選!
- のれんに腕押し:手応えがない
- 肩透かしを食う:気勢をそがれる
- 毒気を抜かれる:熱い気持ちをはぐらかされる
- 「拍子抜け」の対義語はなにがある?
- 気後(きおく)れする:その場の雰囲気にのまれてひるむ
- 気圧(けお)される:精神的に圧倒される
- やり甲斐がある:挑戦するのに適している
- 「拍子抜け」は英語ではなんという?
- let down:がっかりした
- disappointment:失望
- 期待しての「拍子抜け」は独り善がり
- 「拍子抜け」と期待はどんな関係?
- 「拍子抜け」は個人の感想!
- 「拍子抜け」にまどわされないように
この記事の目次

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/ぷーやん
webライター歴6年。鍛えられた語彙と文章力は本業でも発揮され、社内ルールの書き換え担当に。他人に期待されるほどやる気をなくす難解な性格を持つ。
まずは「拍子抜け」を辞書でみてみよう!
「拍子抜け」は国語辞典では以下のように書かれています。
[名](スル)張り合いがなくなること。「難問が簡単に解決して―する」
出典:デジタル大辞泉(小学館) 「拍子抜け」
「拍子」とは、桜木先生の仰る通りリズムのことです。音楽の授業で『四分の四拍子』などと聞いた記憶は、誰にもあるでしょう。規則正しく刻まれるリズムが突然抜けて無音になったとき、ノリノリな勢いも萎えてしまうのは、想像に難くありません。「拍子抜け」とはまさに、そのようにスカを食らったような気分を表現した言葉といえそうです。
「拍子抜け」の使い方を例文でみてみよう
辞書で言葉の意味を調べたら、実際に使ってみたくなるのが人間というもの。次に「拍子抜け」を用いた例文をご紹介します。
1.彼とは切磋琢磨しながら高み合っていけると思っていたのに、突然やる気をなくしたようだ。それを見て私も「拍子抜け」して目標を見失ってしまった。
2.あのチームは前評判ではとても強いと言われていたが、蓋を開けてみればうちの圧勝でとんだ「拍子抜け」だ。
どちらの例文も、緊張や期待で昂ぶっていた精神が、ハシゴを外されたようにガラガラと崩れいく様子を描いていますね。「拍子抜け」はときに、残念な気持ちとセットになることも多いのでしょう。

俺は「拍子抜け」について、勇み足を踏み外されたようなイメージを持った。スポーツのフェイントなんかじゃあ、一定の強弱やテンポを刻みつつ、それをわざと外して相手の隙を突くよな。さて、言葉を正確に使いこなすためには、類義語や対義語を知っておくことも大切なもんだ。次の項からその辺について紹介してもらおうか。
のれんに腕押し:手応えがない
「のれん」は居酒屋などの玄関に吊り下げられている、日よけや目隠し用の布のことです。固定されずに垂れ下がっているだけの布なので、これを腕で押してもなにも手応えがありませんよね。
肩透かしを食う:気勢をそがれる
『肩透かし』は相撲の決まり手の1つで、相手の押しの勢いをかわして肩をはたいて転ばせる技。転じて、気張ったり期待したりする気持ちをかわされてしまったときに、「肩透かしを食らった」などと言います。
毒気を抜かれる:熱い気持ちをはぐらかされる
「毒気」は、「どくけ」あるいは「どっけ」と読みます。殺伐とした気分のときに天真爛漫な人と話すと、思わず「毒気が抜かれる」ものですよね。
「拍子抜け」の対義語はなにがある?
類義語の次は対義語をみていきましょう。
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