

「報酬系」という言葉は、中学や高校の生物学では登場しないが、我々の普段の生活に大きく影響している”脳の仕組み”だ。動物行動学のほか、心理学の方面でも耳にすることがあるな。スマホ依存やSNS依存といった問題にも大きく関係している。身に覚えのあるやつはぜひ一読してほしい内容だ。
大学で生物学を学び、現在は講師としても活動しているオノヅカユウに解説してもらおう。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/小野塚ユウ
生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。
楽しいことがやめられない?
皆さんは今、インターネットに接続してこの記事をご覧になっているはずです。インターネットって、楽しいものがいっぱいありますよね。
SNSや動画サービス、好きなアイドルのブログや、興味のある情報がまとめられているサイト…時間がたっぷりあるときにはよい暇つぶしになりますが、勉強や仕事など、やらなきゃいけないことがあるのに「やめられない」ことってありませんか?
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これはなかなか耳の痛い話だな。このサイトは勉強についての情報を提供しているが、学習するつもりでこのページを開き、そのあともずっと別のサイトを見て勉強の時間を失っているやつもいるだろう。
「やめたくてもやめられない」「ついその作業を続けてしまう」…そんな行動をするとき、私たちの脳内では”報酬系”とよばれる仕組みが関係していると考えられているんです。最近はSNS依存、スマホ依存などの問題で、この報酬系が注目されています。

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学生はもちろんだが、社会人でも「つい夜中までネットサーフィンをしてしまう」「甘いものを食べるのがやめられない」など、悩みを抱えている人が少なくない。誰にでも当てはまる話だな。
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