この記事では「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」について解説する。

端的に言えば立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花の意味は「どんな姿も美しい」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語学を学び学習ライターを経験したfleurを呼んです。一緒に「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/fleur

小学校の頃の趣味は広辞苑を読むこと。日本語学を専攻し、出版社で校正を担当した経験も活かしわかりやすい日本語解説記事を発信する。

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の意味は?

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」には、次のような意味があります。

立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花とは、美しい女性の容姿や立ち居振る舞いを花にたとえて形容する言葉。

出典:故事ことわざ辞典「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」

「たてばしゃくやく すわればぼたん あるくすがたはゆりのはな」と読みます。

女性を美しい3種類の花にたとえて「どんな姿も美しい」と称賛する表現です。立ち姿、座った姿、歩く姿とそれぞれ別の美しさだと言っているのがポイントですね。

他にも「立てば芍薬座れば牡丹」のみや「立てば芍薬ととすりゃ牡丹歩く姿は百合の花」という言い方もありますが、意味は同じです。

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の語源は?

次に「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の由来を確認しておきましょう。

まずはそれぞれの花の特徴について。芍薬は縦にすらっと茎が伸びるのが特徴です。牡丹は枝が分かれて横に広がっていきます。百合は風に揺られる様子が美しいとされる花です。

こうした特徴と女性の立ち居振る舞いを結び付けて考える説と、花の見方を示しているという説があります。

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の使い方・例文

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.君の奥さんは美人なだけでなく仕草も洗練されていて、まさに立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花という感じだね。
2.立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花と称される妻だが、家での私生活ではお菓子を食べながらごろごろしている。

1ではある女性に対して完璧な美しさだと褒める言葉として使われています。直接的に美しいと評するよりも雅な雰囲気がしますね。

2は外での美しい振る舞いと自宅でのゆるさのコントラストを強くする効果を発揮している例です。

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の類義語は?違いは?

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次に、「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」に似ている言葉や関連する表現について見ていきましょう。

その1「才色兼備」

秀でた才能や学問の力と優れた容姿の両方を持っている人物のことを指します。ほとんどの場合女性にのみ使われるという点でも「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」に近いと言えるでしょう。

男性の容姿と才を兼ね備えたことを褒める表現はなく、容姿のことなら「眉目秀麗」、才能のことなら「文武両道」などが使えます。かつての男女に関する価値観がうかがえますね。

その2「秀外恵中」

「外に秀でて中に恵あり」と読み、外に出ている見た目が秀でており内面にも恵まれている状態を表します。

「才色兼備」とほぼ同じ意味ですが、純文学などに登場するのみで日常会話では使われることが少ない表現です。

その3「たおやか」

立ち居振る舞いが優雅で美しいことを示します。容姿の美しさまで直接表してはいませんが、多くの場合外見も含めた美しさを表す表現。

柳などの木にも使える言葉で、ほっそりして優しい姿をイメージさせます。

\次のページで「「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の対義語は?」を解説!/

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の対義語は?

つづいて、「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」と反対の意味を持つ言葉についてお届けします。

その1「無為無能」

何もしない上に何もする能力もないということを指します。

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」が見た目も内面も完璧なことを表すので、何の役にも立たないという意味で対義語と言えるでしょう。

その2「天は二物を与えず」

神様は1人の人物にいくつもの長所を与えることはなく、完璧な人間は存在しないことを表します。

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」で描かれる完璧な人物像を否定している点で反対の意味を持つと言えますね。

その3「角ある獣に上歯なし」

1人の人だけでたくさんの良いところを身に着けることは困難であるということのたとえです。角も牙もある動物はいないことからきています。

その2の「天は二物を与えず」とほとんど同じですね。必ずしもネガティブな意味ではなく、自身の長所を大切にしていこうという意味合いが含まれています。

その4「牛鬼蛇神」

元々は、不思議な雰囲気で怪しい感じのする作品のことを指す言葉です。転じて醜い容姿やねじれた性格を持つ人物のことを指すようになりました。

容姿についても表している点で、対義語で挙げた中で最も「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の正反対に近い表現ですね。

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の英訳は?

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最後に「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の英語での表現方法について見ていきます。

その1「She sits and stands a peony and walks a lily.」

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」をそのまま翻訳した表現です。

海外では芍薬も牡丹も「peony」という同じ単語で表されるのは驚きですね。元の日本語を知らなければ通じにくいと思われるので、「彼女を美しいと思っている」と前後の文脈で伝えられると良いでしょう。

\次のページで「その2「She's easy on the eyes.」」を解説!/

その2「She's easy on the eyes.」

直訳すれば「彼女は目に優しい」となります。日本語でいう目の保養、といった感じでしょうか。

特に見た目のことを褒めているので「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」と完全に同じ意味ではありません。内面についても合わせて触れましょう。

その3「always look beautiful」

ストレートにいつも美しいことを表す表現です。そのため、最も意味が伝わりやすく使いやすいでしょう。

最低限この言い方だけ押さえておけば大体の場面で使うことができますが、こちらも内面の美しさには触れていないことに注意してください。

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」を使いこなそう

この記事では「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の意味・使い方・類語などを説明しました。少し長いですが外見・内面両方の美しさをぱっと表せるので使いやすい表現ですね。

筆者は口に出した時のリズム感もお気に入りです。明日から素敵な女性がいたら使ってみましょう。

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国語言葉の意味

【慣用句】「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の意味や使い方は?例文や類語を現役文学部生ライターがわかりやすく解説!

この記事では「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」について解説する。

端的に言えば立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花の意味は「どんな姿も美しい」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語学を学び学習ライターを経験したfleurを呼んです。一緒に「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/fleur

小学校の頃の趣味は広辞苑を読むこと。日本語学を専攻し、出版社で校正を担当した経験も活かしわかりやすい日本語解説記事を発信する。

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の意味は?

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」には、次のような意味があります。

立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花とは、美しい女性の容姿や立ち居振る舞いを花にたとえて形容する言葉。

出典:故事ことわざ辞典「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」

「たてばしゃくやく すわればぼたん あるくすがたはゆりのはな」と読みます。

女性を美しい3種類の花にたとえて「どんな姿も美しい」と称賛する表現です。立ち姿、座った姿、歩く姿とそれぞれ別の美しさだと言っているのがポイントですね。

他にも「立てば芍薬座れば牡丹」のみや「立てば芍薬ととすりゃ牡丹歩く姿は百合の花」という言い方もありますが、意味は同じです。

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の語源は?

次に「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の由来を確認しておきましょう。

まずはそれぞれの花の特徴について。芍薬は縦にすらっと茎が伸びるのが特徴です。牡丹は枝が分かれて横に広がっていきます。百合は風に揺られる様子が美しいとされる花です。

こうした特徴と女性の立ち居振る舞いを結び付けて考える説と、花の見方を示しているという説があります。

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の使い方・例文

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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