
ところで、この「非の打ち所がない」って言葉の意味、分かっているか?簡単に言えば「まったく欠点がない」という意味です。比較的よく使われる言葉ですが、詳しいことを見ていくとなかなか面白いぞ。
今日はそんな「非の打ち所がない」について、院卒日本語教師の”むかいひろき”に解説してもらうぞ。

ライター/むかいひろき
ロシアの大学で2年間働き、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。
「非の打ち所がない」の意味や語源は?

image by iStockphoto
「非の打ち所がない」という言葉、見聞きしたことがある人は多いのではないでしょうか。「非の打ち所がない」と褒められたことがある人もいるかもしれませんね。まずは、その「非の打ち所がない」の意味と語源を確認していきましょう。
「非の打ち所がない」の意味は「まったく欠点がない」
最初に、「非の打ち所がない」の辞書での意味を確認していきましょう。「非の打ち所がない」は次のような意味が国語辞典に掲載されています。
まったく欠点がない。
「ー紳士」
出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「◆非の打ち所が無・い」
「非の打ち所がない」は「まったく欠点がない」という意味を表す慣用句です。ある人物やその行動、ある人物が作ったもの…などを評価するときに使用される表現ですね。語源のコーナーで詳細を説明しますが、「批の打ち所がない」と書いても問題はありません。
「非の打ち所がない」の語源の「非を打つ」とは?
「非の打ち所がない」は「非を打つ」という言葉が元になっています。
詩歌や文章などを批評してつける評点のことを「批点」といい、そこから「批点を打つ」という言葉が生まれ、「非を打つ」という形にも変化しました。そして、「批点を打つ」「非を打つ」は「人の欠点を指摘して非難する」という意味でも派生して使用されるようになります。ここから反対の意味に転じて、称賛のニュアンスで使用されるようになったのが「非の打ち所がない」「批の打ち所がない」です。
\次のページで「「非の打ち所がない」の使い方を例文とともに確認!」を解説!/