この記事では「灯台下暗し」について解説する。

端的に言えば灯台下暗しの意味は「身近なことには気づきにくい」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「灯台下暗し」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「灯台下暗し」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「灯台下暗し(とうだいもとくらし)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「灯台下暗し」の意味は?

「灯台下暗し」には、次のような意味があります。

灯台のすぐ下は暗いところから、身近な事情はかえってわかりにくいたとえ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「灯台下暗し」

ランプなどの照明器具は、周囲を明るく照らしてくれるものです。ですが遠くが明るい一方で、ランプそのものの周辺は下の辺りがほの暗くなっています。この様子をたとえたことわざが「灯台下暗し」。遠くにあるものには気づくことができても、すぐ足元にあるような近くにある身近な事柄に関しては気づけない状況を指しています。

周囲をしっかり理解していると思っても、身近な事情に疎くなっているのではないか。日常生活でもビジネスでも、自分への心構えや戒めなど場面問わずに用いられる言葉です。

「灯台下暗し」の語源は?

次に「灯台下暗し」の語源を確認しておきましょう。「灯台下暗し」の「灯台」とは、海岸や岬に設置された灯台ではなく、昔の室内照明器具の燭台である「灯明台(とうみょうだい)」のことと言われています。

「灯明台」とは、上に油皿をのせ、菜種油などに火を灯した照明具。室内をよく照らせるよう少し高い台になっています。周囲を照らしてくれる一方で、台の真下の辺りはほの暗くよく見えない様子をたとえたのが「灯台下暗し」の由来です。

現在ではこうした照明具が使用されなくなったこともあり、岬の「灯台」を思い浮かべる人も多くなりました。ですが岬の「灯台」は、そもそもが遠方を照らす目的で設置されているため、足元の暗さを嘆く必要はありません。比喩としても、照明器具の「灯明台」の方がニュアンスとしてもしっくり来るでしょう。

\次のページで「「灯台下暗し」の使い方・例文」を解説!/

「灯台下暗し」の使い方・例文

「灯台下暗し」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.探しものをして数日困っていたのに、ある日鞄の奥底から出てきた。灯台下暗しと言ったところだろうか。
2.好みのカフェを探していたのだが、ある日自宅のすぐ近くにぴったりのカフェを見つけた。灯台下暗し。もっと自宅の近くから散策してみるべきだったと後悔した。
3.まさか今回のハッキング事件の犯人が社内にいたとは、みんな考えてもみなかっただろう。灯台下暗しもいいところだ。
4.友人から「がむしゃらに頑張るのも良いけれど、灯台下暗しにならないよう気をつけて」と忠告されてしまった。注意すべき何かが抜けていないか、途端心配になった。
5.灯台下暗しと言うが、大切なものや幸せとは案外身近にあることが多い。

「灯台下暗し」とは“身近な事柄に気づかない”ことをたとえたもの。身近な事柄は、場所や物、基本や人など幅広い対象に用いられます。

また「灯台下暗し」に含まれる感情もさまざまです。呆れや後悔といった意味合いにも、意外だという驚き、忠告や戒めとして使われます。どのような感情、ニュアンスなのかは前後の文脈から正確に読み取るようにしましょう。

「灯台下暗し」の類義語は?違いは?

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続いて「灯台下暗し」の類義語についても解説します。

「傍目八目」

「傍目八目(おかめはちもく)」とは、“第三者の方が的確に物事を判断できる”ということ。他人の囲碁を傍で見ていると、対局者よりも冷静に観察でき、八手先まで動きが読めるということに由来した四字熟語です。

身近な事柄にかえって当事者自身が気づけないという意味合いで「傍目八目」は「灯台下暗し」の類義語と言えます。

なお「傍目八目」は「岡目八目」と表記することも可能です。どちらも意味は変わりません。

\次のページで「「灯台下暗し」の対義語は?」を解説!/

「灯台下暗し」の対義語は?

「灯台下暗し」とは“近くのものに気づきにくい”ということ。この反対の意味とは“近くのことには気づきやすい”になりますが、そのような意味を持つことわざはありません。つまり、「灯台下暗し」には明確な対義語が存在しないのです。

そのため正確な対義語ではありませんが、対義語に近いニュアンスを持ったことわざをここでは紹介します。

「木を見て森を見ず」

「木を見て森を見ず」とは、“細かい部分にこだわりすぎて、物事全体や本質を掴めないさま”です。目の前の木だけを見て、森全体を把握できない様子をたとえています。

“身近な部分にこだわりすぎて全体を見失う”という意味合いでは、「灯台下暗し」と反対の意味にも近い言葉と言えるでしょう。

「灯台下暗し」の英訳は?

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最後に「灯台下暗し」の英語表現についても確認しておきましょう。

その1「It's hard to see what is under your nose. 」

「It's hard to see what is under your nose.」とは英語のことわざ。「nose」とは“鼻”という英単語で、“自分の鼻の下を見るのは難しい”という意味で、“身近なことには気づきにくい”という意味合いになります。

「灯台下暗し」の“身近な事柄に気づけない”というニュアンスを表現するには、このことわざで伝えるのがおすすめです。

その2「go abroad to hear of home」

「go abroad to hear of home」とは、“外国へ行けば自国の噂が聞こえる”という意味の英語のことわざ。身近なことを“国”にたとえ、第三者を“外国”にたとえています。身近なところでは、かえって手元の情報がわかりにくくなるという意味合いです。

この言葉も伝えたい内容は「灯台下暗し」と同じ。英語のことわざとして覚えておくといいでしょう。

なお「go abroad and you'll hear news of home」ということもありますが、意味は同じです。

\次のページで「「灯台下暗し」を使いこなそう」を解説!/

「灯台下暗し」を使いこなそう

この記事では「灯台下暗し」の意味・使い方・類語などを説明しました。身近なものを見落としてしまったり、疎かにしてしまったりということは、案外多いのではないでしょうか。焦った時や困った時には、一度深呼吸して自分の周りに目を向けてみるのも良いかもしれませんね。

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国語言葉の意味

【ことわざ】「灯台下暗し」の意味や使い方は?例文や類語を元広告会社勤務ライターがわかりやすく解説!

この記事では「灯台下暗し」について解説する。

端的に言えば灯台下暗しの意味は「身近なことには気づきにくい」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「灯台下暗し」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「灯台下暗し」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「灯台下暗し(とうだいもとくらし)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「灯台下暗し」の意味は?

「灯台下暗し」には、次のような意味があります。

灯台のすぐ下は暗いところから、身近な事情はかえってわかりにくいたとえ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「灯台下暗し」

ランプなどの照明器具は、周囲を明るく照らしてくれるものです。ですが遠くが明るい一方で、ランプそのものの周辺は下の辺りがほの暗くなっています。この様子をたとえたことわざが「灯台下暗し」。遠くにあるものには気づくことができても、すぐ足元にあるような近くにある身近な事柄に関しては気づけない状況を指しています。

周囲をしっかり理解していると思っても、身近な事情に疎くなっているのではないか。日常生活でもビジネスでも、自分への心構えや戒めなど場面問わずに用いられる言葉です。

「灯台下暗し」の語源は?

次に「灯台下暗し」の語源を確認しておきましょう。「灯台下暗し」の「灯台」とは、海岸や岬に設置された灯台ではなく、昔の室内照明器具の燭台である「灯明台(とうみょうだい)」のことと言われています。

「灯明台」とは、上に油皿をのせ、菜種油などに火を灯した照明具。室内をよく照らせるよう少し高い台になっています。周囲を照らしてくれる一方で、台の真下の辺りはほの暗くよく見えない様子をたとえたのが「灯台下暗し」の由来です。

現在ではこうした照明具が使用されなくなったこともあり、岬の「灯台」を思い浮かべる人も多くなりました。ですが岬の「灯台」は、そもそもが遠方を照らす目的で設置されているため、足元の暗さを嘆く必要はありません。比喩としても、照明器具の「灯明台」の方がニュアンスとしてもしっくり来るでしょう。

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