この記事では「若気の至り」について解説する。「若気の至り」は平均すると知名度が高く、分かりやすい言葉です。ただ、昨今はややレトロよりの言葉とされていて、見かける機会は減少傾向にあると言える言葉です。とはいえ消えそうというわけじゃないから、覚えておいて損はないぞ。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「若気の至り」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「若気の至り」の意味とは?

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「若気の至り」の意味は以下の通りです。

若さにまかせて無分別な行ないをしてしまうこと。血気にはやりすぎたこと。

出典:コトバンク「若気の至り 意味」

「若気の至り」とは若さゆえに無分別な行いをしてしまうことです。無分別と言うとマナーやモラルに欠けるような、人に迷惑をかけるような行いを連想する人も多いですがそれだけではありません。たとえ誰にも迷惑をかけていなくても、自ら振り返って「考えが足りなかった」「もっと大人な態度で居れば良かった」と後悔するような行いは無分別ということができます。

また、「血気」とは向こう見ずで感情が高ぶりやすいさまのことです。「血気にはやる」とは感情が高ぶり、深く考える前に何か行動を起こしてしまった状態を指します。

「若気の至り」ってどう読むの?

「若気の至り」は「わかげのいたり」と読みます。「気」のことを「げ」と読むケースはやや珍しいと言えますが、元々「気配(けはい)」など「け」と読むケースは少なくないため、推測できないというほどでもないでしょう。全体的に優しい漢字しか使われておらず、特に難読と言うこともないため、読み方で苦労することは少ないと言えます。

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「若気の至り」の成り立ちは?

「若気の至り」は慣用句であり、「若気」と「至る」で分けることができます。「若気」は単語として「若い人の無分別な傾向」という意味を持つ言葉です。あくまで「傾向」の話をしており、実際にはまだ無分別な行動を起こしているわけではありません。

一方、「若気の至り」の「至り」とは「至る」という言葉が変化したものです。「至る」とは到達するという意味があり、「若気の至り」と並べることで、「若者の無分別な傾向がついに実際の行動に至った」という意味になります。

「若気の至り」の使い方

「若気の至り」は以下のように使用します。

1.若い人がアウトローに憧れるのも仕方がない。「若気の至り」というやつだ。
2.就職する会社のチョイスミスをしたことを、彼は「若気の至り」だと後悔しているらしい。
3.「若気の至り」で勢いのままに家を飛び出したこともある。

「若気の至り」は主に現象の名前として扱われることが多いです。「若気の至り」が原因である、という文脈で使用され、「だ/である/のせいで」などの言葉が続くケースが多く見受けられます。内容としては「若気の至り」で行ったことを自己反省しているという文章も頻出しますが、1番の例文のように第三者が「若気の至りだ」と誰かを評する際に使用することも少なくありません。

「若気の至り」を具体的に知ろう

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「若気の至り」とは概念の名前であり、具体的な物質ではないため、どれが「若気の至り」に当てはまるのかの定義づけはできません。「若気の至り」をスムーズに使えるようになるためには、「若気の至り」のさまざまな側面を知る必要があります。

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「若気の至り」って後悔するもの?

「若気の至り」は意味上「無分別な行い」を指しています。つまり、無分別であると自分あるいは他人が判断しているため、「分別があればああはならなかった」と後悔しているという文脈で使用される場合は多いです。

しかし「若気の至り」には他にも「血気にはやる」という意味があり、少々勢い任せではあるものの若者らしい行動を取るということも示しています。一概に後悔するようなことばかりを指しているというわけではありません。

恋愛における「若気の至り」とは?

「若気の至り」は感情のまま、勢いのままに行動するようなときに使われます。そのため、慎重な行動が要求されるビジネスの世界などではほとんど出てきませんが、一方で恋愛の世界ではよく出てくる言葉です。

好きになる相手、付き合う相手、恋人との付き合い方、結婚の相手など、「若気の至り」で重大な選択をしてしまう場面は山のようにあります。ただし一方で、感情こそがもっとも重んじられるものであるのが恋愛の世界でもあるため、トラブルがあったからといって「若気の至り」の一言で片づけるのも問題があるかもしれません。

「若気の至り」には気づけない

「若気の至り」に対して、若い頃に気をつけていれば良いのでは?と考える人も居るでしょう。しかし、若い時には「若気の至り」には気づけないものです。

まず、無分別と言っても本人としては一生懸命考えた結果、「若気の至り」と称されるような行動に出ることがあります。これは経験の浅さから生じる失敗であり、本人としては精一杯の結果なのです。また、若い頃は根拠なく感覚的に「大丈夫」と感じることがあります。これもすべてが失敗に終わるわけではなく、ある程度成功に繋がることも多いため、余計に勢いに乗ってしまうことに繋がるのです。

「若気の至り」の類義語は?

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「若気の至り」の類義語は「若気の過ち/無分別/思慮が浅い/勢い任せ/青い」などの言葉があります。「若気の至り」は単語ではなく慣用句であるため、類義語も単語では置き換えられない場合が多いです。

「青い」という言葉は知らなければ何が「青い」のかわからないかもしれませんが、これは「未熟」という意味になります。果物などの多くは、熟し色づく前は緑色をしているものであり、「まだ青い」などと表現するものです。これが転じて、人としてまだ未熟であるという意味で「青い」と表現することがあります。

「若気の至り」は英語で言うと?

「若気の至り」は英語で言うと「youthfull follies」になり、単に「Youthfulness」と一言で表現されることもあります。「youthfull」とは若々しいという意味です。「Youthfulness」というと「若々しさ」という名詞になります。「若いね」という軽い一言くらいのニュアンスで捉えてください。

「follies」は「folly」の複数形で、意味は「愚行」です。つまり「youthfull follies」は「若く愚かな行い」という意味になります。

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「若気の至り」は悪いこと?

「若気の至り」は後悔するような文章が連なることが多いため、いかにも悪いことのように捉えられがちです。しかし、「若気の至り」で行動できるのは文字通り若いときだけ。大人になると、勢いが必要な状況にも関わらず二の足を踏んでしまい、かえって失敗に繋がることも少なくありません。

勢いや感情に身を任せて失敗したとしても、その失敗もまた将来の財産です。あまり避けようとせず、若い時は若者らしくあることが人生を幸せにするポイントでもあります。

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国語言葉の意味

未来で後悔する原因に?「若気の至り」の意味や使い方・類義語などを言葉大好きライターがわかりやすく解説!

この記事では「若気の至り」について解説する。「若気の至り」は平均すると知名度が高く、分かりやすい言葉です。ただ、昨今はややレトロよりの言葉とされていて、見かける機会は減少傾向にあると言える言葉です。とはいえ消えそうというわけじゃないから、覚えておいて損はないぞ。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「若気の至り」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「若気の至り」の意味とは?

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「若気の至り」の意味は以下の通りです。

若さにまかせて無分別な行ないをしてしまうこと。血気にはやりすぎたこと。

出典:コトバンク「若気の至り 意味」

「若気の至り」とは若さゆえに無分別な行いをしてしまうことです。無分別と言うとマナーやモラルに欠けるような、人に迷惑をかけるような行いを連想する人も多いですがそれだけではありません。たとえ誰にも迷惑をかけていなくても、自ら振り返って「考えが足りなかった」「もっと大人な態度で居れば良かった」と後悔するような行いは無分別ということができます。

また、「血気」とは向こう見ずで感情が高ぶりやすいさまのことです。「血気にはやる」とは感情が高ぶり、深く考える前に何か行動を起こしてしまった状態を指します。

「若気の至り」ってどう読むの?

「若気の至り」は「わかげのいたり」と読みます。「気」のことを「げ」と読むケースはやや珍しいと言えますが、元々「気配(けはい)」など「け」と読むケースは少なくないため、推測できないというほどでもないでしょう。全体的に優しい漢字しか使われておらず、特に難読と言うこともないため、読み方で苦労することは少ないと言えます。

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