理科生物細胞・生殖・遺伝

「中心体」とは?細胞小器官のひとつで意外な役割も持っている?現役講師がわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。今回の記事では「中心体」をテーマに学習していこう。

中心体の名前は、高校の生物学の教科書にも掲載されている。イラストなどでは特徴的な形で書かれていたりもするが、この中心体がどんなものなのか・何のために存在するのかは、わからないやつも多いんじゃないだろうか?

大学で生物学を学び、現在は講師としても活動しているオノヅカユウに解説してもらおう。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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ライター/小野塚ユウ

生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。

中心体とは

中心体(ちゅうしんたい)とは、動物細胞などの中にみられる細胞小器官の一種です。ふつうは核の近くに存在しています。

多くの植物細胞には、この中心体がみられません。教科書などにも「中心体は動物細胞にある」と書かれているでしょう。しかしながら、一部の植物の細胞では、この中心体(またはそれによく似た構造物)がみられます。裸子植物のイチョウやソテツ、シダ植物、コケ植物などです。

image by iStockphoto

中心体は非常に小さな細胞小器官であり、その構造や機能が分かるようになってきたのは比較的最近のことです。

いまだに解明されていない点もあるという、謎の多い構造物ですが、そのぶん「中心体の研究をすれば、これまで知られていなかった細胞のしくみがみえてくるのでは」と期待されています。

中心体の構造

中心体は、同じ構造をした中心粒とよばれる構造物が二個一組になって存在しています。1つの中心粒は長さが0.4マイクロメートルほどです。

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なお、中心粒は「中心子」もしくは「中心小体」とも呼ばれることがあるようだ。

この中心粒は、複数の微小管(びしょうかん)が集まってできていることが分かっています。微小管はチューブリンというタンパク質によってできている、直径25nmほどの小さな管。細胞の構造維持や、細胞内外の物質の移動に利用される細胞骨格の一種です。

一般的な中心粒は、短い3本の微小管が連なったものが9組、円形に配列してできています。9組の微小管の束によって、中心粒全体も短い管のような円柱形の構造をとるのです。

例外もありますが、多くの生物で同じような構造がみられます。

このような中心粒が2つで1組となり存在しているわけなのですが、2つの中心粒は不思議なことに、互いに”直角対向”…アルファベットのLの字を書くように、異なった向きに配置します。

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立てた円柱と、横にした円柱が並んでいるような感じだな。

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