

端的に言えば目から鼻へ抜けるの意味は「機転が利き、賢いこと」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
日本語学を学び学習ライターを経験したfleurを呼んだ。一緒に「目から鼻へ抜ける」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/fleur
小学校の頃の趣味は広辞苑を読むこと。日本語学を専攻し、出版社で校正を担当した経験も活かしわかりやすい日本語解説記事を発信する。
「目から鼻へ抜ける」の意味は?
「目から鼻へ抜ける」には、次のような意味があります。
非常に頭の働きのよいさま。また、抜け目なくすばしこいさまをいう。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「目から鼻に抜ける」
頭の回転が速く賢いことや無駄のない身のこなしを比喩した表現。
他者を褒めるときに使われ、ポジティブな意味の慣用句です。
「目から鼻へ抜ける」の語源は?
次に「目から鼻へ抜ける」の語源を確認しておきましょう。
文字通り考えると不思議な光景ですよね。
「目から鼻に抜ける」は奈良時代の大仏建立の際の逸話が由来になったと言われています。
大仏完成間近になり、最後に片方の目玉のパーツをはめ込むためある職人さんは大仏の内側から目玉を設置しました。しかし、彼が出るべき穴がなくなってしまったことに周囲の人々は気づき混乱します。
その中で当の職人さんは機転を利かせて鼻へ移動し、鼻の穴から脱出したのです。そこからこの職人さんのようにいざというときに冷静に判断し行動できる人物のことを「目から鼻に抜ける」と評するようになりました。
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