この記事では「断罪」について解説する。「断罪」は漫画やアニメなんかのメディア作品で、比較的登場しやすい単語です。そのせいか、どちらかというと難しめの意味であるにも関わらず、知名度が高い。くわえて、「なんとなくわかる」といった程度にはニュアンスを掴めてるやつが多い言葉です。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「断罪」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「断罪」ってどういう意味?

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「断罪」の意味は以下の通りです。

1 罪をさばくこと。罪に対して判決を下すこと。断獄。
2 斬首の刑。斬罪。うちくび。

出典:goo辞書「断罪 意味」

「断罪」とは罪を裁くことです。判決をくだすことも指します。打ち首の刑をピンポイントで指し示す場合もありますが、これは大昔、処罰=打ち首という概念が広まっていたことから派生していった意味です。

現在は打ち首だけが刑罰というわけではないため、打ち首という意味で「断罪」と表現するケースはまれになっています。そのため一般的に「断罪」という言葉が出てきたときは、単純に「罪を裁くこと」という意味と捉えて良いでしょう。

「断罪」の読み方って?

「断罪」の読み方は「だんざい」です。特に難しい所はなく、予備知識なしでも十分読める言葉と言えるでしょう。なお、まれに同じ漢字表記で「たんざい」とも読めます。しかし実際の読み書きの際は「たんざい」と読む例はほとんどないため、「だんざい」としか知らなかったとしても、特別困るようなことにはなりません。

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「断罪」の使い方は?

「断罪」は以下のように使用します。

1.私は彼を「断罪」できる立場にない。意見を聞かないでくれ。
2.昨日の会議で部長が取った態度は、まるで彼女を「断罪」しているかのようであった。
3.その問題は、わざわざ言い出した人を「断罪」するほど大きなものでもないと思う。

「断罪」は「する/しない/できる」などの言葉が続く傾向にあります。意味としては「罪を裁くこと」になりますが、本当の裁判などであればまだしも、日常で「断罪」という言葉を使用するとニュアンスがやや過激になってしまいがちです。そのため「断罪」が使用される際は、相手を煽ったり、わざと過剰な表現を使い相手に皮肉を言うなどの使われ方をされることもあります。

一方でメディア作品においては、この強いニュアンスが人の注目を引くのに役立つことも多いです。

「断罪」とは具体的に何か?

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「断罪」とは「罪を裁く」という意味ですが、現在多くの国では罪を裁けるのは裁判官などの特別な立場の人です。他の人が勝手に他人を裁くことはできません。そのため日常で「断罪」と言うと、厳密には人が人の罪を勝手に推し量り、罰を与えたりしているということになります。

それに伴い、ミスをした人を追及したり責め立てたり、罰を与え責任を取らせようとしているような状況で「断罪」は頻繁に使用される傾向にあるのです。

「断罪」する人

「断罪」する人とは、誰かの罪を裁く人という意味になります。上記トピックでも触れましたが、本来誰かの罪を裁けるのは限られた人たちのみです。しかし日常の中には、しばしば失敗したり悪事を働いた人に対し、誰かが「断罪」を行う場合があります。

多くの「断罪」する人は、自分が「断罪」するとは言いません。第三者が「断罪している」と評することが多く、しばしば皮肉にも使用されます。

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「断罪」される人

「断罪」される人は、罪を裁かれる人ということになります。「断罪」する人と対照的に、「断罪」される人の多くは自分の状況に対し、「断罪されているようだ」と感じて「断罪」という言葉を使うケースが多いです。見ようによっては相手へのあてつけや、被害者意識と結びつく部分があります。

いずれにしろ「断罪」する人は他者からの評価であるのに対し、「断罪」される人は自己評価であるという傾向があるわけです。

「断罪人」ってどういう人?

「断罪人」とは「罪を裁く人」ということです。つまり立場としては、断罪を行う側の人となります。一般的に誰かの罪を裁く際、特定の誰かがひとりで罪を推し量り、刑罰を与えるということはありません。しかし例外的に断罪を行う人がはっきりしている場合、その人を「断罪人」と呼ぶことがあります。

人に限らず、「断罪」が頭についた場合は、「断罪を行う」という意味です。「断罪」される立場に対して「断罪○○」とは呼ばないため、注意してください。

「断罪」の類義語は?

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「断罪」の類義語は「断獄/懲罰/刑罰/裁き」などです。罪を裁くという意味だけでなく、裁いたあとの刑罰まで含んだ言葉も類義語としてみなされる傾向があります。「断獄」は「だんごく」と読み、意味は「断罪」とまったく同様です。ただ、「断獄」の知名度は「断罪」と比較すると低いため、伝わりやすさを考慮すると置き換え先としてはやや不適切かもしれません。

また、「打ち首/斬首」など首をはねる刑罰を直接示した言葉も類義語として使用されます。「断罪」には辞書上「打ち首」という意味も持つため、類義語にこのような幅の広さが出るわけです。

英語における「断罪」とは?

英語における「断罪」にはさまざまな単語があり、面白い傾向が見られるので紹介しましょう。断罪を英語で検索すると、まず「condemnation」という単語が出てきます。これは「断罪」という意味以外に、「強い非難/糾弾」という意味があるのです。

次に「conviction」という単語も出てきます。これも「断罪」以外に意味を持っており、「信念/信条」というニュアンスがあるのです。

つまり英語の世界において「断罪」とは、「断罪」を行う側の信条によってなされること。そしてそれは、強い非難という形で行われるとみなされているのです。なお、「審判」という意味を持つ「Judgment 」には「断罪」という意味はありません。審判は公正になされるものである反面、「断罪」は人の感情に偏ったものであるとされているのです。

「断罪」は良いことなのか?

「断罪」は罪を裁くという意味です。この部分のみ聞くと、いかにも良いことのように思えるかもしれません。少なくとも、悪いことであると考える人は少ないでしょう。しかし、人の罪を裁くということは、本来そう簡単なことではありません。だからこそ現代でも、限られた人達しか、人の罪を裁くことができないようになっています。

しかし「断罪」は、人が簡単に人を裁く際に使用されることが多いです。確かに、ミスや失敗をした人を責めることは難しくありません。しかし簡単なのはあくまで誰が悪いかの断定であり、罪の重さは簡単に断定できません。その点を勘違いし、「悪いことをしたのだからいくらでも責めて良い」と考えるのは危険なことです。「断罪」することも、されることも気をつけて日々を過ごしたいですね。

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国語言葉の意味

意味は簡単でも、実行は難しい?「断罪」の意味や使い方・類義語などを言葉大好きライターがわかりやすく解説!

この記事では「断罪」について解説する。「断罪」は漫画やアニメなんかのメディア作品で、比較的登場しやすい単語です。そのせいか、どちらかというと難しめの意味であるにも関わらず、知名度が高い。くわえて、「なんとなくわかる」といった程度にはニュアンスを掴めてるやつが多い言葉です。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「断罪」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「断罪」ってどういう意味?

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「断罪」の意味は以下の通りです。

1 罪をさばくこと。罪に対して判決を下すこと。断獄。
2 斬首の刑。斬罪。うちくび。

出典:goo辞書「断罪 意味」

「断罪」とは罪を裁くことです。判決をくだすことも指します。打ち首の刑をピンポイントで指し示す場合もありますが、これは大昔、処罰=打ち首という概念が広まっていたことから派生していった意味です。

現在は打ち首だけが刑罰というわけではないため、打ち首という意味で「断罪」と表現するケースはまれになっています。そのため一般的に「断罪」という言葉が出てきたときは、単純に「罪を裁くこと」という意味と捉えて良いでしょう。

「断罪」の読み方って?

「断罪」の読み方は「だんざい」です。特に難しい所はなく、予備知識なしでも十分読める言葉と言えるでしょう。なお、まれに同じ漢字表記で「たんざい」とも読めます。しかし実際の読み書きの際は「たんざい」と読む例はほとんどないため、「だんざい」としか知らなかったとしても、特別困るようなことにはなりません。

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