
その2「急がば回れ」
続いて、「急がば回れ」について、ご紹介します。
急がば回れは、早く着こうと思うならば、危険な近道より遠くても安全確実な方法をとったほうが、むしろ早く目的を達することができるというたとえのことわざです。
日常的にも用いられることが多い有名なことわざなので、覚えておきましょう。
その3「三十六計逃げるに如かず」
さらに、「三十六計逃げるに如かず」という言葉について。これは日頃なかなかなじみがない人も多いかもしれません。
この言葉は、三十六計のように、兵法にはたくさんの種類があるけれども、形成が不利になったり、迷ったりした時、逃げるのが一番の得策、という意味です。
「三十六計」は、中国古代の兵法にある36種類のはかりごと(計略)であり、四字熟語でもあります。『南斉書・王敬則伝』にある「壇公の三十六策、走ぐるは是れ上計なり」が出典元です。
現代社会においては、面倒なことは逃げるのが得策との意味で使われます。
「負けるが勝ち」の対義語は?
負けるが勝ちの対義語も、確認しておきましょう。
対義語として、はっきりとこれだという言葉はありません。ただ、逆の意味として、勝って兜の緒を締めよ、先手必勝などが考えられます。
「勝って兜の緒を締めよ」
「勝って兜の緒を締めよ」は、敵に勝っても油断しないで、心を引き締めよ、というたとえ。つまり、敵に勝ったからといって油断するなということです。
この言葉の語源には諸説あり、その一説が戦国時代、東国の有力武将だった北条氏綱(1487~1541)が、息子の氏康に遺した『五箇条の訓戒』に「勝て甲の緒をしめよ」との一文があります。また、明治時代に日本海軍で指揮を執った東郷平八郎(1848~1934)がこの言葉を使い、世間に広まったのが有名な話です。
類義語に「敵に勝ちて愈々戒む」(てきにかちていよいよいましむ)があります。
「負けるが勝ち」の英訳は?

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「負けるが勝ち」の英語訳も、確認しておきましょう。
英語にそのまま訳すと、 losing is winning、lose to win、win by losing などです。その他にもさまざまな表現があります。
「Sometimes you win by losing.」
「負けるが勝ち」、これの英訳として最もふさわしい文章表現は「Sometimes you win by losing.」です。直訳すると、たまには負けが有利、となります。
つまり、負けたり勝負を譲ったりすることで、結局勝利が得られることもあるという意味。sometimes という時々という意味の英単語がつくことで、いつもではなく時々そういうことがあるということが強調されます。
その他も含め、「負けるが勝ち」の例文を見ていきましょう。
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