この記事では「赤の他人」について解説する。

端的に言えば、赤の他人の意味は「全くの他人、縁もゆかりもない人」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「赤の他人」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「赤の他人」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速、「赤の他人」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

もしも意味がわかりづらい単語や用語があれば、国語辞典・辞書で調べる、インターネットで検索することをおすすめします。

「赤の他人」の意味は?

赤の他人」には、次のような意味があります。

全く縁もゆかりもない他人。完全に無関係な人。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「あか-の-たにん【赤の他人】

まず、「赤の他人」の意味は、全くの他人縁もゆかりもない人完全に無関係な人のことです。

「赤」は、明白という意味があり、それに「他人」がつくことで、その他人という言葉が協調されています。この赤が色と言う意味ではありません。次の項で、詳しく解説します。

「赤の他人」の語源は?

次に「赤の他人」の語源を確認しておきましょう。

赤の他人の赤、これは色ではなく、仏教に由来します。日本で、仏前に供える浄水である「閼伽(あか)」「阿伽(あか)」が語源です。浄水とは、神社や仏壇の前などで両手を洗って清める水のこと。名詞の前に付くことで「全くの」「明らかな」「すっかり」といった強調の意味になります。

赤の他人のほか、赤っ恥、赤裸々(せきらら)、真っ赤なうそなども、「赤」の意味は同じです。

\次のページで「「赤の他人」の使い方・例文」を解説!/

「赤の他人」の使い方・例文

続いて、「赤の他人」の使い方を、例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.夫婦はそれぞれがしょせん赤の他人であり、身内とは言い難い間柄だ。
2.全員が子どもの頃からの幼馴染であり、赤の他人とはとても思えなかった。
3.親密でなく赤の他人である人に、とやかく言われる筋合いはない。
4.面識はあるものの顔見知り程度で、自分にとってはいわば赤の他人だ。

例文1は、夫婦の関係。いくら夫婦同士の仲が良くても親子や兄弟と違い、血が繋がっていない関係という点では、赤の他人です。特に、夫婦仲がやや怪しい時に、こういった表現は用いられがち。

そして、例文2は、幼いころから知っている間柄であり、まったく知らない人ではないことから、赤の他人とは思えないという意味。例文3は逆で、縁もゆかりもないまったく無関係な人という意味合いです。

例文4も同様の意味。顔見知り程度では知人や知り合いでもなく、無関係に近いことから赤の他人と表現しています。

「赤の他人」の類義語は?違いは?

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次に、「赤の他人」の類義語(類語)を見ていきます。

類義語として挙げられるのは、例えば、縁もゆかりもない縁がない没交渉無関係ゆかりが薄いよそ者部外者他人様(ひとさま)第三者など。

そのうち、いくつかの類義語を確認しておきましょう。

その1「没交渉」

赤の他人、その類義語の1つが「没交渉」です。ぼっこうしょう、と読みます。意味は、交渉がないこと、関わりを持たないこと、無関係など。

例えば、「世間とは没交渉な生活を送る」といった表現で用いられます。没交渉という言葉自体は、日常生活では馴染みがないかもしれませんが、没交渉を無関係に置き換えるとしっくりくるはずです。

\次のページで「その2「他人様」」を解説!/

その2「他人様」

続いて、「他人様」について、意味と読み方を確認しておきましょう。他人様はたにんさまでなく、ひとさまと読みます。「人様」も同じ読み方です。意味は、他人様であれば、他人ということ。

他人事と書いて「ひとごと」と読むのと同様です。他人様というとややその相手に皮肉が込められているので、使う時は要注意。

その3「第三者」

さらに、「第三者」の意味についても、確認しておきましょう。

第三者は、その物事や出来事に対し、直接、関わりを持たない人のことを指します。当事者ではない人、行為者ではない人のことです。

つまり、赤の他人と同様の意味になります。

「赤の他人」の対義語は?

続いて、「赤の他人」の対義語についても、確認しておきましょう。

対義語として考えられるのは、身内昵懇の仲親密な仲当事者などです。

なお、赤の他人の対義語は「白い恋人」では、との説がありますが、これは国語の世界では、まったく関係ありません。

その1「身内」

赤の他人と真逆の意味、その1つが「身内」です。

身内とは、親子、兄弟姉妹、いとこ、親戚(親類)といったごく親しい血縁関係にある仲のことを指します。血縁関係による繋がりが強いのは、万国共通です。

その2「昵懇の仲」

続いて、「昵懇の仲」について。昵懇は、じっこんと読みます。この昵懇の意味は、親しく打ち解けて付き合うこと懇意など。

例えば、「昵懇な間柄」「昵懇にしている家」といった使い方をします。

「赤の他人」の英訳は?

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さらに、「赤の他人」の英訳について、見ていきます。

赤の他人を英語に訳すと、主に「complete stranger」「outsider」などです。

\次のページで「「complete stranger」」を解説!/

「complete stranger」

赤の他人、そのまま英訳すると「complete stranger」です。strangerが他人と言う意味なので、それをより強調した「complete」をはじめ、「perfect」「utter」「total」などの単語を付けて使われます。

例文を見ていきましょう。

・A perfect stranger to me

赤の他人(まったく無関係な人)

・We are utter strangers.

我々は赤の他人だ。

・He is total stranger to us.

彼は私たちにとっては赤の他人である。

・a relative stranger

相対的に、赤の他人

・We are nothing to each other now.

今、縁を切れば赤の他人。

「赤の他人」を使いこなそう

この記事では「赤の他人」の意味・使い方・類語などを説明しました。

赤の他人は、まったく無関係な人、縁もゆかりもない人を指します。そのまま用いると、やや否定的な印象を受ける言葉でもあり、使う時はくれぐれも注意しましょう。

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国語言葉の意味

「赤の他人」の意味や使い方は?例文や類語を元新聞記者がわかりやすく解説!

この記事では「赤の他人」について解説する。

端的に言えば、赤の他人の意味は「全くの他人、縁もゆかりもない人」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「赤の他人」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「赤の他人」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速、「赤の他人」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

もしも意味がわかりづらい単語や用語があれば、国語辞典・辞書で調べる、インターネットで検索することをおすすめします。

「赤の他人」の意味は?

赤の他人」には、次のような意味があります。

全く縁もゆかりもない他人。完全に無関係な人。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「あか-の-たにん【赤の他人】

まず、「赤の他人」の意味は、全くの他人縁もゆかりもない人完全に無関係な人のことです。

「赤」は、明白という意味があり、それに「他人」がつくことで、その他人という言葉が協調されています。この赤が色と言う意味ではありません。次の項で、詳しく解説します。

「赤の他人」の語源は?

次に「赤の他人」の語源を確認しておきましょう。

赤の他人の赤、これは色ではなく、仏教に由来します。日本で、仏前に供える浄水である「閼伽(あか)」「阿伽(あか)」が語源です。浄水とは、神社や仏壇の前などで両手を洗って清める水のこと。名詞の前に付くことで「全くの」「明らかな」「すっかり」といった強調の意味になります。

赤の他人のほか、赤っ恥、赤裸々(せきらら)、真っ赤なうそなども、「赤」の意味は同じです。

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