この記事では「白旗を振る」について解説する。

端的に言えば、白旗を振るの主な意味は「降伏する、負けを認める」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「白旗を振る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「白旗を振る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「白旗を振る」の意味や語源・使い方などを、順番に見ていきましょう。

分からない用語があれば、国語辞典や百科事典などを閲覧して調べるか、インターネットでその単語のヒントや情報を検索するのをおすすめします。

「白旗を振る」の意味は?

まず、白旗を振るの「白旗」には、次のような意味があります。

1.白色の旗。降伏や戦意のないことを示すときなどに用いる。しろはた。「白旗を振りかざす」
2.昔、平氏の赤旗に対して源氏が用いた旗。しろはた。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「しら-はた【白旗】

まず、白旗の読み方「しらはた」です。その白旗は、白い色の旗であり、降伏する時、戦う意思がない時などに用いられます。

そのため、白旗を振るというのは、「降伏する」「戦意がない」といった意味。白旗を振りかざすという表現も、よく使われます。

一方、源平合戦の時、平家が赤旗、源氏が白旗だったという歴史があるのも、覚えておきましょう。

類似表現として「白旗を上げる」「白旗を振りかざす」などもあります。

「白旗を振る」の語源は?

次に、「白旗を振る」の語源を、確認しておきましょう。

白旗は、平安時代末期の源平合戦の頃、源氏が用いたことで知られます。一方、対する平家は、赤旗でした。

また、戦時国際法で、白旗は降伏の意思表明として定められ、世界的にも通用します。旗でなく、下着などで代用できるものということで、白旗が用いられた経緯がありました。

\次のページで「「白旗を振る」の使い方・例文」を解説!/

「白旗を振る」の使い方・例文

白旗を振る」の使い方を、例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば、以下のように用いられます。

1.今日、兵士が白旗を振ったことで、戦争の敗北が決まった。
2.競馬で白旗が振られると、実際にはスタートやり直しとなる。
3.スペイン旅行で味わった伝説の料理とメニューに、思わず白旗を振った。
4.国語辞典で白旗との関連を調べ、源氏の旗だと知った。

まず、例文1は、白旗を振るという意味の、最も典型的な文章で、敗北の意思表示です。例文2は、競馬におけるルールの1つで、馬の正式な出走が無理と判断された時、白旗が振られることで、スタートのやり直しとなります。

例文3は、美味しいスペインでの勝利の数々にノックアウトされ、思わず降参という意味。そして、例文4は、白旗が歴史上で登場した経緯の説明です。

「白旗を振る」の類義語は?違いは?

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次に、「白旗を振る」の類義語を見ていきましょう。

白旗を振るの類義語は、白旗を上げる、白旗を振りかざすなどと同じ意味です。軍門に下る降伏・降参尻尾を巻く投降する屈服する兜を脱ぐなどがあります。

その1「軍門に下る」

白旗を振る、似たような表現に「軍門に下る」(軍門に降る)があります。

軍門に下る(軍門に降る)の意味は、戦争に負けて降参する、競争や試合などに負けることです。「敵の軍門に下る」といった使い方をします。下る、降るはどちらも「くだる」と読み、同じ意味です。

\次のページで「その2「尻尾を巻く」」を解説!/

その2「尻尾を巻く」

尻尾(シッポ)を巻く」も、白旗を振ることの類義語です。

意味は、立ち向かう気持ちをなくす、降参するなどで、「尻尾を巻いて逃げ出す」といった使い方をします。

ちなみに、「尻尾を振る」という言葉もあり、ただ、この言葉は、力がある者に気に入られるように振舞うことであり、意味がまったく異なるので注意が必要です。

その3「兜を脱ぐ」

続いて、「兜(かぶと)を脱ぐ」という言葉もあり、これも白旗を振ることの類義語です。

降参の意思を示すこと、敵への降伏をはじめ、また、相手に対して能力などとても敵(かな)わないことを認める時にも用いられます。

語源は、戦において、大将が兜を脱ぐ行為が、敵に対して降参することでした。

「白旗を振る」の対義語は?

「白旗を振る」の対義語についても、見ていきましょう。

日本の歴史上、平氏と源氏、平氏が赤旗、源氏が白旗でした。そのため、白旗の対義語は、赤旗となります。ただ、そのまま「赤旗を振る」という表現では、まったく違う意味になるので、要注意。

敵対、反抗、反撃、征服などが、白旗を振るの対義語となります。

「赤旗」

白旗に対しての「赤旗」について、念のため、調べておきましょう。

主な意味として、赤色の旗、労働者が掲げる革命派の旗、危険信号の旗、競技などで失敗や無効を示す旗になります。競馬では、発走態勢に入ったことを知らせる時に振るのが、赤旗です。

赤旗を振る、といっても、白旗を振るの対義語にはならないので注意しましょう。

「白旗を振る」の英訳は?

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さらに、「白旗を振る」の英訳を見ていきましょう。

英語に訳すと、「hang out a white flag」「wave a [the] white flag」をはじめ、休戦と言う意味の「display [raise] a flag of truce」や、降伏を意味する「surrender」なども該当します。

「hang out a white flag」

白旗を振る、そのまま直訳すると「hang out a white flag」です。

hang outは、hoist、show、displayなどが用いられる場合もあります。意味はどれも同じです。

「白旗を振る」の例文を見ていきましょう。

\次のページで「「白旗を振る」を使いこなそう」を解説!/

・The man hung out the white flag.

男性が白旗を振った。

・Raised the flag of truce.

白旗が掲げられた(振られた)

・This difficult projects waved a white flag by employees.

その困難なプロジェクトは部下たちによって白旗が振られた。

「白旗を振る」を使いこなそう

この記事では「白旗を振る」の意味・使い方・類語などを説明しました。

白旗を振る、という言葉は、白旗を掲げる、白旗を上げる、白旗を振り上げるなど、類似する表現が多くあり、どれも同じ意味です。「降伏する」「お手上げ」などの意味を覚えておけば、間違いありません。

源氏が白旗、平家が赤旗だったという歴史も、ぜひ覚えておきましょう。

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国語言葉の意味

「白旗を振る」の意味や使い方は?例文や類語を元新聞記者がわかりやすく解説!

この記事では「白旗を振る」について解説する。

端的に言えば、白旗を振るの主な意味は「降伏する、負けを認める」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「白旗を振る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「白旗を振る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「白旗を振る」の意味や語源・使い方などを、順番に見ていきましょう。

分からない用語があれば、国語辞典や百科事典などを閲覧して調べるか、インターネットでその単語のヒントや情報を検索するのをおすすめします。

「白旗を振る」の意味は?

まず、白旗を振るの「白旗」には、次のような意味があります。

1.白色の旗。降伏や戦意のないことを示すときなどに用いる。しろはた。「白旗を振りかざす」
2.昔、平氏の赤旗に対して源氏が用いた旗。しろはた。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「しら-はた【白旗】

まず、白旗の読み方「しらはた」です。その白旗は、白い色の旗であり、降伏する時、戦う意思がない時などに用いられます。

そのため、白旗を振るというのは、「降伏する」「戦意がない」といった意味。白旗を振りかざすという表現も、よく使われます。

一方、源平合戦の時、平家が赤旗、源氏が白旗だったという歴史があるのも、覚えておきましょう。

類似表現として「白旗を上げる」「白旗を振りかざす」などもあります。

「白旗を振る」の語源は?

次に、「白旗を振る」の語源を、確認しておきましょう。

白旗は、平安時代末期の源平合戦の頃、源氏が用いたことで知られます。一方、対する平家は、赤旗でした。

また、戦時国際法で、白旗は降伏の意思表明として定められ、世界的にも通用します。旗でなく、下着などで代用できるものということで、白旗が用いられた経緯がありました。

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