「白々しい」の使い方・例文
「白々しい」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。
1.彼女は真相を知っていながらしらじらしくとぼけた。
2.奴はときどきしらじらしいうそをつく。
3.多額の政治献金をもらっていながら、自分はやっていないなどとしらじらしいことがよく言えたもんだ。
4.不倫が発覚しても彼女の態度はしらじらしかった。
例文1.2のように第三者の目から見て見え透いている様子をやや客観的に表す場合と、例文3.4のように見え透いているにもかかわらずそのような言動をすることに対する侮蔑と嫌悪を表す場合とがあります。真実でないことというのは多くの場合隠された悪事です。したがって、「白々しい」は悪事が発覚した時に公然ととぼけたり責任を回避したりする場合について用いられ、隠れた善行をとぼける場合には用いないことが多いでしょう。
その1「空々しい」
「空々しい」は真実でないことが見え透いている様子を表します。ただし、この場合の真実というのは客観的・理性的な真実を暗示しません。例えば「隣家の奥さんはそらぞらしいお世辞を言う」ではお世辞の内容のほめ言葉であり、「妹のうそはそらぞらしくてばかばかしい」はうその内容、「彼女はときどきそらぞらしくため息をついて僕の気を引こうとする」はため息をつくようなせつない胸の内です。客観的・理性的な内容を故意にとぼける場合には「白々しい」を用いる方がふつう。
したがって、現実から遊離する度合いは「空々しい」の方がはなはだしいでしょう。見え透いているという意味では「空々しい」は「わざとらしい」にも似ていますが、「わざとらしい」が行為の不実さを誇張して述べるニュアンスがあるのに対して、「空々しい」は真実を隠すために別の表現をするというニュアンスがあります。
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