この記事では「快い」について解説する。
端的に言えば「快い」の意味は「気持ちが良い、心中にわだかまるものがない、愉快である、気分がいい」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「快い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

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仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「快い」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「快い」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「快い」の意味は?

「快い」には、次のような意味があります。

[形][文]こころよ・し[ク]

1 気持ちよく感じられる。さわやかだ。

2 (連用修飾語として用いられ)感じがよい。好ましい。気さくである。

3 病気のつらさがなくなる。気分がよくなる。

4 (「心良い」と書く)気だて・人柄などがよい。人がよい。

出典:コトバンク

「快い」は精神的に快感を覚える様子を表します。「快い」は主に精神的に快適だというニュアンスがあり、肉体的・物理的な快感を意味することは多くなく、精神的な快適さが肉体の快感に反映しているような状況で用いられることが多いでしょう。肉体的・物理的な快感そのものを表す場合には「気持ち良い」を用いることが多いです。また「快い」は「こころよく…」という動詞にかかる修飾語の形で用いられ、「不愉快でなく」「喜んで」という意味を表しますよ。

この場合は行為の仕方が人に快さを感じさせるという意味になり、行為者が実際に不快を感じていないかどうかには関係しません。「気持ち良い」にも似た用法がありますが、「気持ち良い」では快感の主体が行為者かそれを受ける側かについての言及がなく、どちらの場合にも用いられます。したがって、行為者が喜んで自発的に行為をする場合には「快い」ではなく「気持ち良い」を用いますよ。

「快い」の語源は?

次に「快い」の語源を確認しておきましょう。「快い」は「こころ」と「よし」が組み合わさった語です。それでは「快」の漢字の成り立ちについて説明しますね。「快」は心を表す「リッシンベン」と開く意味の音を示す「カイ」とを合わせた字。心が開いて晴れ晴れとして「きもちがよい」「こころよい」意味を表します。

\次のページで「「快い」の使い方・例文」を解説!/

「快い」の使い方・例文

「快い」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。

1.ドラムのこころよいリズムで踊っていると、ストレス発散になって爽快な気持ちになる。

2.誰もいない午後、あなたのひじ掛け椅子でこころよい昼寝をむさぼる。幸福で平和な今日この頃。

3.婚約者と気散じに外出したところ、潮風がこころよく肌をなでていった。

4.両親と風鈴市に出かけたら、風鈴の調和のとれた涼しげな音が耳にこころよかった。

例文1はドラムを刻む音が、例文2は誰にも咎められずに休憩することが、例文3は海から吹く風が気持ち良いということです。また例文4は「耳にこころよい」という慣用句で用いられ、聞いてさわやかなよい気持ちになるという意味を表します。

「快い」の類義語は?違いは?

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「快い」と似たような意味をもつ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「気持ち良い」

「気持ち良い」は肉体的・精神的に快い様子を表しますよ。「痒い所を掻いてもらうと、とても気持ち良い」のように肉体的な快感を表す場合と、「彼は頼みごとをいつも気持ち良く引き受けてくれる」のように精神的な快感を意味する場合とがあります。「彼は頼みごとをいつも気持ち良く引き受けてくれる」はしばしば「気持ち良く…する」という述語にかかる修飾語の形で用いられ、快感の主体が行為者であるか受け手であるかには言及していません。「気持ち良い」は「快い」に似ていますが、「快い」がどちらかと言えば精神的な快感の方を意味することが多いのに対して、「気持ち良い」は肉体の快感を意味することが多い点で異なるでしょう。また「気持ち良い」の暗示する快感は主に清涼感であって、濃厚な快感などは意味しないことが多いです。

\次のページで「その2「心地よい」」を解説!/

その2「心地よい」

「心地よい」は精神的に快感を覚える様子を表します。ややかたい文章語で日常会話にはあまり登場しません。「心地よい」は肉体的・物理的に快感を覚えるというニュアンスではなく、その快感によって精神的に快適さを覚えるという暗示があります。したがって、肉体的・物理的な快感そのものを指す場合にはあまり用いません。また「心地よい」は具体的な快適さについてのみ用いられ、そのような快適さを与える人や物事の性質については用いられません。「心地よい」は「気持ち良い」に似ていますが、「気持ち良い」は肉体的・精神的を問わず、快感一般を表す点で異なりますよ。また「快い」にも似ていますが、「快い」の方が日常語的で、快適さを与える人や物事の性質についても用いられます。

「快い」の対義語は?

「快い」と反対の意味に近い言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「鬱陶しい」

「鬱陶しい」は気分が塞いで晴れず不快な様子を表す形容詞。「毎日雨ばかりでなんともうっとうしい」のように天気が晴れでないときの気分として用いることが非常に多いです。このあたりも程度の高い気候の日本ならではの感じ方ですね。例えば「そんなうっとうしい髪型はやめなさいよ」はかぶさってくるものがあって、そのために気分が塞がれて不快である様子を表します。かぶさってくるものとしては頭髪や眼鏡など目先を塞ぐものが多いでしょう。この意味の「うっとうしい」は「わずらわしい」「うるさい」にも近いですが、「わずらわしい」は煩雑で面倒だというニュアンスがあり、対象の範囲が広く、抽象的なものもとれる点が異なります。また「うるさい」は主体の不快な感情を直接に表現したものですが、「うっとうしい」より間接的で嫌悪の程度も低いでしょう。

その2「忌まわしい」

「忌まわしい」は不吉な感じがして不快な様子を表します。ややかたい文章語。「いや」というよりも、もっと宗教的タブーに近いニュアンスをもつ表現で、個人の好き嫌いを超えた絶対的な嫌悪を表します。意味の似た「いとわしい」などは個人によってそう見ない見方もできますが、「忌まわしい」にはほとんど他の表現を許さない絶対悪のニュアンスがあります。したがって、個人の主観的な好悪を表現する場合には「忌まわしい」は用いられません。「忌まわしい」は「まがまがしい」に似ていますが、「まがまがしい」の方が忌避感が強いです。

「快い」の英訳は?

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「快い」の英訳にはどのようなものがあるのでしょうか。英語で「快い」と言い表す時の例をさっそく見ていきましょう。

「pleasant」

「pleasant」は「愉快な、気持ちのよい、快適な、愉快で、快活な、陽気な」という意味です。「The chirping of canaries is pleasant to the ear」で「カナリアのさえずりは耳に快い」、「He was take it on pleasant」で「彼は喜んで引き受けてくれた」となりますよ。

\次のページで「「快い」を使いこなそう」を解説!/

「快い」を使いこなそう

この記事では「快い」の意味・使い方・類語などを説明しました。「快い」は主に精神的に快適だというニュアンスがあり、肉体的・物理的な快感を意味することは多くなく、精神的な快適さが肉体の快感に反映しているような状況で用いられることが多いと解説しましたね。また「快い」は「心地よい」にも近いですが、「心地よい」の方が文章語的で用法が狭いです。「快い」はしばしば「こころよく思っていない」という形の慣用句になり、内心不愉快で妬んでいるという意味になります。自分より優れたもの、またはよい待遇を受けた者に対して嫉妬する屈折した心理を表す表現としてよく用いられますよ。参考にしてくださいね。

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国語言葉の意味

「快い」の意味や使い方は?例文や類語をプロダクション編集者がわかりやすく解説!

この記事では「快い」について解説する。
端的に言えば「快い」の意味は「気持ちが良い、心中にわだかまるものがない、愉快である、気分がいい」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「快い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker

仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「快い」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「快い」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「快い」の意味は?

「快い」には、次のような意味があります。

[形][文]こころよ・し[ク]

1 気持ちよく感じられる。さわやかだ。

2 (連用修飾語として用いられ)感じがよい。好ましい。気さくである。

3 病気のつらさがなくなる。気分がよくなる。

4 (「心良い」と書く)気だて・人柄などがよい。人がよい。

出典:コトバンク

「快い」は精神的に快感を覚える様子を表します。「快い」は主に精神的に快適だというニュアンスがあり、肉体的・物理的な快感を意味することは多くなく、精神的な快適さが肉体の快感に反映しているような状況で用いられることが多いでしょう。肉体的・物理的な快感そのものを表す場合には「気持ち良い」を用いることが多いです。また「快い」は「こころよく…」という動詞にかかる修飾語の形で用いられ、「不愉快でなく」「喜んで」という意味を表しますよ。

この場合は行為の仕方が人に快さを感じさせるという意味になり、行為者が実際に不快を感じていないかどうかには関係しません。「気持ち良い」にも似た用法がありますが、「気持ち良い」では快感の主体が行為者かそれを受ける側かについての言及がなく、どちらの場合にも用いられます。したがって、行為者が喜んで自発的に行為をする場合には「快い」ではなく「気持ち良い」を用いますよ。

「快い」の語源は?

次に「快い」の語源を確認しておきましょう。「快い」は「こころ」と「よし」が組み合わさった語です。それでは「快」の漢字の成り立ちについて説明しますね。「快」は心を表す「リッシンベン」と開く意味の音を示す「カイ」とを合わせた字。心が開いて晴れ晴れとして「きもちがよい」「こころよい」意味を表します。

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