
1.彼女は、近いうちに大きな事件を起こすつもりだということを、言外ににおわせていた。
2.彼が旅行に乗り気ではないことは、言外に滲み出ていた。
3.彼の言外の意味に気付けなかった私にも悪いところはあったかもしれないが、伝えたいことははっきり言うべきだろう。
これらの例文について、1つ1つ詳しく見ていきましょう。例文1の「言外ににおわせていた」は、「言外」を用いた言い回しの1つです。「言外」は、「言外に」のように、副詞的に使います。「言葉に出していない部分を、遠回しに伝えていた」という意味で、はっきり言葉に出さず、自分の意思を相手に察してもらおうとしている状況を表現する際に使いましょう。
例文2の「言外に滲む」とは、「言葉以外の部分に表れている」という意味です。「滲む」とは「血や汗、絵の具などの液体がうっすらと出る」という意味で、「言外」と組み合わさる事で前述の意味になりました。「言外に滲み出ていた」とすると、「言葉で表現していない意味を含ませる」というニュアンスになり、「含みを持たせていた」と近い表現とも言えるでしょう。
例文3の「言外の意味」とは、「言葉で表現されていないが、推論出来る意味」を表す言い回しです。「含意」や「暗示」と近い意味を持っており、相手がはっきり言葉で表現していないが、何か考えがあったり思ったりしている部分の事になります。
例えば、「この部屋寒くない?」と誰かが質問した場合、そのまま言葉通りに受け取ると寒いかどうか聞いているだけです。しかし、なぜ「寒くない?」と聞いたのか考えると、「寒いから暖房をつけてほしい」といった気持ちが隠れている事になります。これこそ「言外の意味」と表現できるのです。
その1「含み」
「含み」とは「ふくみ」と読み、「うわべに現れていず、その中に込められている意味・内容」という意味。直接表現されていなく、その中に含まれている意味「そのもの」を表現します。これだけを見ると、「言外」と全く同じ意味に感じますが、「含み」は相手にその内容が伝わっていない場合でも使われ、「言外」はその意味が伝わっている場合にのみ使われるのです。上手く使い分けていきましょう。
・含みのある質問。
・含みのある言い方。
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