この記事では「言外」について解説する。

端的に言えば言外の意味は「言葉に出さない部分」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「言外」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読み続けていく中で、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「言外」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんは「言外」という言葉の意味をご存じでしょうか。「言外」とは、一言で言うと「言葉で表されていない部分」という意味がありますが、「言外に滲む」といったように、言い回しや使い方が少し複雑です。正しい意味と適切な使い方を知る事で、表現の幅が広がります。それでは早速「言外」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「言外」の意味は?

「言外」には、次のような意味があります。

言葉に出さない部分。「言外の意味」「言外ににおわす」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「言外」

「言外」とは、「直接言葉に出さない部分」「直接表現されていない部分」という意味です。普段人とコミュニケーションを交わす中で、相手が直接言葉で表現していない「相手の表情」や「仕草」「態度」などから、様々な情報を得ています。こうしたものも「言外」と、表現できるものの1つです。

また、「言外」は「げんがい」と読みます。よく「ごんがい」と誤読されることが多いですが、これは間違いなので注意しましょう。

「言外」の使い方・例文

「言外」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「言外」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.彼女は、近いうちに大きな事件を起こすつもりだということを、言外ににおわせていた。
2.彼が旅行に乗り気ではないことは、言外に滲み出ていた。
3.彼の言外の意味に気付けなかった私にも悪いところはあったかもしれないが、伝えたいことははっきり言うべきだろう。

これらの例文について、1つ1つ詳しく見ていきましょう。例文1の「言外ににおわせていた」は、「言外」を用いた言い回しの1つです。「言外」は、「言外に」のように、副詞的に使います。「言葉に出していない部分を、遠回しに伝えていた」という意味で、はっきり言葉に出さず、自分の意思を相手に察してもらおうとしている状況を表現する際に使いましょう。

例文2の「言外に滲む」とは、「言葉以外の部分に表れている」という意味です。「滲む」とは「血や汗、絵の具などの液体がうっすらと出る」という意味で、「言外」と組み合わさる事で前述の意味になりました。「言外に滲み出ていた」とすると、「言葉で表現していない意味を含ませる」というニュアンスになり、「含みを持たせていた」と近い表現とも言えるでしょう。

例文3の「言外の意味」とは、「言葉で表現されていないが、推論出来る意味」を表す言い回しです。「含意」や「暗示」と近い意味を持っており、相手がはっきり言葉で表現していないが、何か考えがあったり思ったりしている部分の事になります。

例えば、「この部屋寒くない?」と誰かが質問した場合、そのまま言葉通りに受け取ると寒いかどうか聞いているだけです。しかし、なぜ「寒くない?」と聞いたのか考えると、「寒いから暖房をつけてほしい」といった気持ちが隠れている事になります。これこそ「言外の意味」と表現できるのです。

「言外」の類義語は?違いは?

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「言外」とは「言葉に出さない部分」という意味がありました。そんな「言外」の類義語についても見ていきましょう。

その1「含み」

「含み」とは「ふくみ」と読み、「うわべに現れていず、その中に込められている意味・内容」という意味。直接表現されていなく、その中に含まれている意味「そのもの」を表現します。これだけを見ると、「言外」と全く同じ意味に感じますが、「含み」は相手にその内容が伝わっていない場合でも使われ、「言外」はその意味が伝わっている場合にのみ使われるのです。上手く使い分けていきましょう。

・含みのある質問。

・含みのある言い方。

\次のページで「その2「暗示」」を解説!/

その2「暗示」

「暗示」は「あんじ」と読み、「それとなしに知らせること」という意味。「含み」や「言外」よりも、はっきりと相手がその情報に辿り着くための、「ヒント」がある場合に使います。「言外」は、その状況で裏に意思が隠されていると判断した際に使われる事が多いですが、「あの発言はこの事件の暗示だった」などと、後から振り返る場合にも使われるため、使い分けが可能です。

・犯人が被害者を暗示にかけた。

・未来を暗示する事件。

「言外」の英訳は?

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「言外」の意味や類義語について見ていきましたが、英語で表現する際に適している単語についても見ていきましょう。

「unexpressed」

「言外」を英語で表現する場合、「unexpressed」が適しているでしょう。「expressed」が「表現された」と表現する単語なので、それを否定する形の「unexpressed」は「直接言葉にされていない」「表現されていない」、つまり「言外」と同じ意味になります。このほかには、「implied(暗黙の)」や「implicit(暗に示された)」、「unspoken(無言の)」などの単語で表現する事も可能です。

・the unexpressed terms of the agreement(協議における言葉にされていない条項)

・his long face lugubriously reflecting a hidden and unexpressed compassion(隠れた表現されない同情を示す悲しげな彼の細面の顔)

「言外」を使いこなそう

この記事では「言外」の意味・使い方・類語などを説明しました。「言外」は「げんがい」と読み、「言葉に出さない部分」という意味。「言外ににおわす」や「言外の意味」、「言外に滲む」などといった言い回しで使われます。他にも、「言外に言う」「言外にほのめかす」といった表現もありますが、これは注意するポイントがあるので注意しましょう。

日常生活で人とコミュニケーションを交わす際に、言葉以外の表情や仕草などで、様々な情報を汲み取る事が求められることがあります。しかし、ビジネスシーンにおいてはすれ違いや誤解を防ぐためにも、重要な局面が増えてくるのではないでしょうか。「言外」の使い方をマスターし、自分の表現の幅を広げる事で、相手にしっかり伝える事を意識していきましょう。

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国語言葉の意味

「言外」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「言外」について解説する。

端的に言えば言外の意味は「言葉に出さない部分」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「言外」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読み続けていく中で、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「言外」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんは「言外」という言葉の意味をご存じでしょうか。「言外」とは、一言で言うと「言葉で表されていない部分」という意味がありますが、「言外に滲む」といったように、言い回しや使い方が少し複雑です。正しい意味と適切な使い方を知る事で、表現の幅が広がります。それでは早速「言外」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「言外」の意味は?

「言外」には、次のような意味があります。

言葉に出さない部分。「言外の意味」「言外ににおわす」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「言外」

「言外」とは、「直接言葉に出さない部分」「直接表現されていない部分」という意味です。普段人とコミュニケーションを交わす中で、相手が直接言葉で表現していない「相手の表情」や「仕草」「態度」などから、様々な情報を得ています。こうしたものも「言外」と、表現できるものの1つです。

また、「言外」は「げんがい」と読みます。よく「ごんがい」と誤読されることが多いですが、これは間違いなので注意しましょう。

「言外」の使い方・例文

「言外」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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