この記事では「目は口ほどに物を言う」について解説する。

端的に言えば目は口ほどにものを言うは「目は口と同じくらい気持ちを表す」という意味ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んです。一緒に「目は口ほどに物を言う」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/柊 雅子

イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター、柊雅子。「オカンに無言で睨まれた時が一番怖かった」と息子に言われる彼女が「目は口ほどに物を言う」について解説する。

「目は口ほどに物を言う」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「目は口ほどに物を言う」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「目は口ほどに物を言う」の意味は?

「目は口ほどに物を言う」には、次のような意味があります。

1.情のこもった目つきは、口で話すのと同じくらい気持ちを表現する。

 

出典:デジタル大辞泉(小学館)「目は口ほどに物を言う」

「目と目で通じ合う」…かなり昔の話ですが、コスメのCMに起用された曲にこんな歌詞がありました。確かに「目を見ればわかる」という場合はあります。

これは私たち夫婦がまだ新婚と呼ばれていた頃の話です。主人は欠員補充のために頼み込まれて、好きでもないスキーツアーに渋々参加しました。そして帰宅した時のことです。ドアを開けた夫の顔を見た瞬間、私は「スキー板なんか、絶対買わへんからね!」と一言。夫は「何故僕の言いたいことがわかったん?」と不思議そうな顔をしましたが、ドアを開けた時に見た夫の目は「面白い!面白い!滑れるようになったら、こんな楽しいものはない。スキー板を買って、何回でも行きたい!」と言っているようなものでした

「目は口ほどに物を言う」は「言葉を用いない」という意味で四字熟語の「以心伝心」と類似しているように思えますね。しかし、以心伝心は「気持ちが通じ合う」という意味合いを含み、「お互いにわかり合っている仲」という状態で用います。しかし「目は口ほどに物を言う」は「気持ちが通じ合う」のではなく「気持ちを表す」という意味合いで、「わかり合っている仲」ということもありません

「目は口ほどに物を言う」の使い方・例文

「目は口ほどに物を言う」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「目は口ほどに物を言う」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.一歳過ぎの甥っ子はまだおしゃべりができない。「目は口ほどに物を言う」と言うが、その子をみていると納得できる。

2.最近俳優のA子と人気タレントのB夫が付き合っていることが発覚。「目は口ほどに物を言うといいます。A子のB夫を見る目が違ってましたね」と、テレビでコメンテーターが話をしていた。

3.「あの頃の俺の写真を見ると『世の中のすべてが敵だ』というような目つきをしているだろう?正直にいうと警察のお世話になったこともあるしな。目は口ほどに物を言う…まともな人間は誰も近寄って来なかったし…」と彼は話し始めた。

先日、一歳になる幼児が我が家で食事をしました。まだおしゃべりができない時は表情や身振り手振りでコミュニケーションをとり、感情を表しますね。その子はチラチラと横目でママを見ながら、食事の途中におかずを床へ落とし始めました。その目はママの出方を窺っています無言でその子の目をグッと睨みつけるママ。ママの目を見たその子はママから目を逸らし、落とすのを止めました。この間、言葉は一言もありませんが、お互いの言いたいことがちゃんとわかっていますね。

「忍れど色にでにけり我が恋はものやおもふと人の問ふまで」…これは小倉百人一首におさめられている 平兼盛の歌。隠そうとしても隠しきれない恋心を詠んだものです。自分では無意識のうちに、隠したい心の中を映し出してしまうのがその人の「目」。恋しい人ができたら尚のことですね。

人の第一印象を決定するのはやはり顔です。目つきの鋭い、怖そうな人には関わりたくないというのが一般的な心理ですよね。例文3では「目はその人を表し、その人の印象を決定するもの」として「目は口ほどに物を言う」が用いられています。

「目は口ほどに物を言う」の類義語は?違いは?

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「目は口ほどに物を言う」は「口と同じくらいに目は気持ちを表す」というような意味合いでしたね。このことわざと同じように「目」という単語を使った類異義語があります。では、その言葉につて解説していきましょう。

「目は心の鏡」

鏡はそこにあるものをそのまま映しますね。「目は心の鏡」ということは「相手には見えな心の中を鏡のように映し出すのがその人の目である」という意味です。

あまり興味がないことを勉強しなければならない時、興味があることを勉強する時、目の輝きがまるで違うのはその時の心を反映させているからですね。

「目は口ほどに物を言う」の対義語は?

対義語はありません

「恋は盲目」「節穴」等、「正しく見ることができない」「見る力がない」という意味合いの言葉はありますが、これらもその意味から考えると「目は口ほどに物を言う」の対義語ではありません。

\次のページで「「目は口ほどに物を言う」の英訳は?」を解説!/

「目は口ほどに物を言う」の英訳は?

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「目は口程に物を言う」ということわざを表す英語の表現はいくつかあります。

ここでは代表的な2種類の表現

「the eyes are as eloquent as the mouth」

「the eyes cannot belie one’s true thoughts」

についてみていきましょう。

英文1.The eyes are as eloquent as the mouth,and so it’s meaningless to tell a lie.

目は口ほどに物を言うので、嘘をつくのは無意味です。

英文2.  “I know that you wouldn’t like her very much.Because the eyes cannot belie your true thoughts.”he told me.

「君は彼女をあまり好きではないだろう。わかるよ。目は口程に物を言うからな」と彼は言った。

「目は口程に物を言う」と和訳している「The eyes are as eloquent as the mouth」は直訳すると「目は口と同じくらい雄弁なので」という意味。英文1は「いくら上手いウソをついても、目は口と同じくらいしっかりと話すのでウソをつくことは意味のないことだ」ということを表しています。

英文2「the eyes cannot belie your true thoughts」「目は口ほどに物を言う」と和訳されていますが、直訳すると「目はあなたの本当の考えを偽ることはできない」。つまり「目はあなたの本心を映し出す」という意味です。「目はあなたの本心を映し出すから、君は彼女のことをあまり好きではないということが私にはわかるよ」ということを表している文章ですね。

「目は口程に物を言う」を使いこなそう

この記事では「目は口ほどに物を言う」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「目は口ほどに物を言う」は「情のこもった目つきは、口で話すのと同じくらい気持ちを表現する」という意味。そして類義語は「目は心の鏡」、英語での表現は「The eyes are as eloquent as the mouth」ということ等がわかりましたね。

フランス語では「目は心の鏡(窓)」、イタリア語では「目は魂の窓」と言われる「目は口ほどに物を言う」。隠し事をしてもその「目」がしゃべってしまいますよ。

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国語言葉の意味

【ことわざ】「目は口ほどに物を言う」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「目は口ほどに物を言う」について解説する。

端的に言えば目は口ほどにものを言うは「目は口と同じくらい気持ちを表す」という意味ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んです。一緒に「目は口ほどに物を言う」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/柊 雅子

イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター、柊雅子。「オカンに無言で睨まれた時が一番怖かった」と息子に言われる彼女が「目は口ほどに物を言う」について解説する。

「目は口ほどに物を言う」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「目は口ほどに物を言う」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「目は口ほどに物を言う」の意味は?

「目は口ほどに物を言う」には、次のような意味があります。

1.情のこもった目つきは、口で話すのと同じくらい気持ちを表現する。

 

出典:デジタル大辞泉(小学館)「目は口ほどに物を言う」

「目と目で通じ合う」…かなり昔の話ですが、コスメのCMに起用された曲にこんな歌詞がありました。確かに「目を見ればわかる」という場合はあります。

これは私たち夫婦がまだ新婚と呼ばれていた頃の話です。主人は欠員補充のために頼み込まれて、好きでもないスキーツアーに渋々参加しました。そして帰宅した時のことです。ドアを開けた夫の顔を見た瞬間、私は「スキー板なんか、絶対買わへんからね!」と一言。夫は「何故僕の言いたいことがわかったん?」と不思議そうな顔をしましたが、ドアを開けた時に見た夫の目は「面白い!面白い!滑れるようになったら、こんな楽しいものはない。スキー板を買って、何回でも行きたい!」と言っているようなものでした

「目は口ほどに物を言う」は「言葉を用いない」という意味で四字熟語の「以心伝心」と類似しているように思えますね。しかし、以心伝心は「気持ちが通じ合う」という意味合いを含み、「お互いにわかり合っている仲」という状態で用います。しかし「目は口ほどに物を言う」は「気持ちが通じ合う」のではなく「気持ちを表す」という意味合いで、「わかり合っている仲」ということもありません

「目は口ほどに物を言う」の使い方・例文

「目は口ほどに物を言う」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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