

端的に言えば見限るの意味は「見切りをつけてあきらめる」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
さまざまな分野の本に触れ、知識を培ってきた「つゆと」を呼んだ。一緒に「見限る」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/つゆと
子供の頃からの筋金入り読書好きライター。むずかしい言葉や複雑な描写に出会っても、ねばり強く読みこんで理解することをポリシーとする。言葉の意味も、妥協なくていねいに解説していく。
「見限る」の意味は?
「見限る」には、次のような意味があります。
見込みがないとしてあきらめる。見切りをつける。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「見限る」
「見限る」とは、あてにならないと見切りをつけ、あきらめることです。「親は私を医者にしたかったようだが、早いうちに能力を見限り何も言わなくなった」のように使います。
また、「見切りをつけて、関係を続けるのをやめる」という意味をあらわすことも。「妻に見限られたうえに借金取りがやって来て、我が家はめちゃくちゃになった」という文章の場合は、妻が夫婦の関係をやめて、家を出ていったことを意味します。
「サラリーマン生活を見限る」のように、どちらの意味にとっても問題がない場合もありますね。はっきり区別して読み解く必要はないでしょう。「見切りをつけてあきらめる」というニュアンスを覚えていれば理解できます。
「見限る」の語源は?
次に「見限る」の語源を確認しておきましょう。「見る」と「限る」に分けて考えると、「見限る」という言葉の生い立ちがみえてきますよ。
「見る」は「視覚でとらえる」がメインの意味ですが、「たずさわる」「世話をする」という意味にも使います。「赤ちゃんをみておいて」というのは「赤ちゃんの世話をしておいて」という意味ですね。
「限る」には「ここまでという境界や、範囲を定める」という意味があります。「応募は20歳以上に限ります」という文章では、応募できる人とできない人の境界を決めているのですね。
「たずさわることの範囲を決める」そして「範囲を外れてしまったことは手放す、あきらめる」。それが「見限る」のおおもとの意味といえるでしょう。
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