この記事では「頓着」について解説する。「頓着」は一見すると難しそうな言葉ですが、実は意味としてはシンプルだし、日常でも使いやすい。気構えせずに学習できるから、サクサク覚えてしまった方が良いぞ。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「頓着」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「頓着」ってどういう意味?

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「頓着」の意味は以下のとおりです。

深く気にかけてこだわること。執着すること。

出典:goo辞書「頓着 意味」

「気にかける」「こだわる」「執着」はそれぞれ微妙にニュアンスが異なりますが、すべて「頓着」という言葉に置き換え可能です。総合して気にしているという意味の言葉になりますが、その程度がどれくらいであるのかは使われる状況によって変化してきます。

意味としてはほぼ一つですが、程度に差があるという意味ではやや受け取り方が難しい言葉であるとも言えるでしょう。しかし一方で、意味上大きく異なるというわけではないため、覚えやすくもあります。

「頓着」の読み方は?

「頓着」の読み方は「とんちゃく」といいます。「着(ちゃく)」の字はごく簡単なのでさておき、「頓(とん)」の字はやや見慣れないかもしれませんが、「頓挫(とんざ)」など他の言葉でも出番がある漢字です。

元々は「貪着(とんちゃく/とんじゃく)」という言葉が語源であり、執着すること、ものごとにこだわること。求めても求めても満足せず、足るを知らないことなどを表す仏教用語が語源です。「貪着」と表記しても間違いではありませんが、現代では「頓着」表記が一般的となります。

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「頓着」ってどうやって使うの?

「頓着」は以下のように使用します。

1.さっきから何度も言ってるだろう?どうしてそこまでこの問題に「頓着」するんだ?
2.お金に「頓着」している場合じゃない。早く空港まで辿り着かなくてはならない。
3.彼は誰かと親しくなることにあまり「頓着」していないようだから、食事に誘っても無駄よ。

「頓着」は名詞でもありますが、「頓着する」という言い方にすると動詞にもなります。そのため、「ある/ない」などの言葉も繋がりますが、「する/しない」というのもよく繋がる言葉です。

1は執着というニュアンスが強い「頓着」ですが、2は「こだわり」というニュアンスが強くなった「頓着」と言えます。3はどちらかというと「気にする」程度のニュアンスでしかなく、同じ「頓着」でもこだわり具合に差があることがわかるでしょう。

「頓着」の有無について

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上記のトピックでは大まかな「頓着」の意味を説明しましたが、さらに詳細なことを解説していきます。「頓着」は「ある/ない」という表現もしますが、「する/しない」という表現も使われる言葉であり、それぞれニュアンスが微妙に異なってくるため、その点を意識しましょう。

「頓着」する・しないとは?

「頓着する・しない」とは、自分の意志で「頓着」するかどうかを決めている場合に使います。また、「頓着」しているという自覚がある場合。他にも、人から見て「頓着している」とみなされた場合に「する・しない」という言葉が繋がります。

決めるというと、いかにも自分の意志でそれを選んだ風に聞こえますが、現実には感情の部分で「頓着してしまう」というケースもとても多いです。そういう場合にも「頓着する・しない」という言い方を使用します。

「頓着」がある・ないとは?

「頓着」が「ある・ない」とは「頓着」の有無を示しています。「する・しない」とは異なり自然発生的なニュアンスがやや強まる他、自分の意志ではなく他人の頓着に対して使ったり、自分の無自覚の頓着に対して使ったりという使用法です。「する・しない」と大きく意味が変わるわけではありませんが、それでも微妙にニュアンスは異なります。文脈に応じて使い分けしましょう。

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「無頓着」とは興味が無いことなのか?

「無頓着」という言葉があります。これはしばしば「興味が無い」という意味に取られることもありますが、それは部分的にしか正解ではありません。確かに「興味が無い」という意味で使われることもあります。しかしそれだけではなく、同時に「気にしない」という意味があるのです。

「興味が無い」というのはそれがどうなろうと一向に構わないという意味ですが、「気にしない」とは興味のあるなしに関わらず、考えなければならないことを気にしていない、という意味になります。どちらも「無頓着」で表現できますが、ニュアンスが変わるのです。

「頓着」の類義語は?

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「頓着」の類義語は「こだわり/執着/固執/気がかり/心配/意識」などです。並べるとよりわかりやすくなりますが、総じて「気にする」という意味の言葉ではあるものの、その程度は軽いものから重いものまですべて内包されています。

見ようによっては場面を問わず使えるということの表れでもありますが、一方でこだわりの程度がどれほどなのか、相手に伝わりづらいという側面も持っているわけです。使用の際はそういったことにも気を付けつつ文章を組み立てる必要があります。

「頓着」に対義語はあるの?

「頓着」の対義語を調べると、一般的には「無頓着」と出てきます。しかしこれは「頓着」という言葉に否定を意味する「無」を付けただけであり、「頓着」の派生語とも言える言葉です。そのため、意味合い的には確かに対になってはいますが、本当の意味での対義語と言えるかどうかは微妙な部分があります。

「頓着」を英語で言うと?

「頓着」は幅広い範囲のことを指す言葉であるため、英語で置き換えられる範囲もまた広いです。具体的には「mind/heed/caution/warning/obsession」などが該当します。これらはほんの一部であり、単語も慣用句も無数に存在しているのです。そのため英訳の際は、日本語以上に注意が必要とされることになるため、注意深く読みましょう。

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「頓着」はバランスが重要

「頓着」は人生において必要か不要かと言われると、どちらもという答えがおそらく正解でしょう。世の中のものすべてに「頓着」していては身が持ちませんが、反対に世の中のものすべてに「無頓着」でも充実した人生にはなりません。自分が本当に大切にしたいものを考え、こだわるべきポイントとそうでないポイントを見極めましょう。

自分の「頓着」と行動がともなっていなければ、人はすぐに疲弊してしまいます。優先順位を付けたら、それに沿った行動を起こすのが、より良い日々を過ごすコツなのです。

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国語言葉の意味

意味の範囲が広すぎる?「頓着」の意味や使い方・類義語などを言葉大好きライターがわかりやすく解説!

この記事では「頓着」について解説する。「頓着」は一見すると難しそうな言葉ですが、実は意味としてはシンプルだし、日常でも使いやすい。気構えせずに学習できるから、サクサク覚えてしまった方が良いぞ。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「頓着」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「頓着」ってどういう意味?

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「頓着」の意味は以下のとおりです。

深く気にかけてこだわること。執着すること。

出典:goo辞書「頓着 意味」

「気にかける」「こだわる」「執着」はそれぞれ微妙にニュアンスが異なりますが、すべて「頓着」という言葉に置き換え可能です。総合して気にしているという意味の言葉になりますが、その程度がどれくらいであるのかは使われる状況によって変化してきます。

意味としてはほぼ一つですが、程度に差があるという意味ではやや受け取り方が難しい言葉であるとも言えるでしょう。しかし一方で、意味上大きく異なるというわけではないため、覚えやすくもあります。

「頓着」の読み方は?

「頓着」の読み方は「とんちゃく」といいます。「着(ちゃく)」の字はごく簡単なのでさておき、「頓(とん)」の字はやや見慣れないかもしれませんが、「頓挫(とんざ)」など他の言葉でも出番がある漢字です。

元々は「貪着(とんちゃく/とんじゃく)」という言葉が語源であり、執着すること、ものごとにこだわること。求めても求めても満足せず、足るを知らないことなどを表す仏教用語が語源です。「貪着」と表記しても間違いではありませんが、現代では「頓着」表記が一般的となります。

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