この記事では「恰幅」について解説する。

端的に言えば恰幅の意味は「からだつき」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

放送局の制作現場の最前線で10年の経験を積んだsinpeito88を呼んです。一緒に「恰幅」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/sinpeito88

放送局の現場で10年間、ニュース原稿などを日々執筆。より正確な情報を届けられるよう言葉の探求を続けている。

「恰幅」の意味や使い方まとめ

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それでは早速「恰幅」の意味や使い方を見ていきましょう。

「恰幅」の意味は?

「恰幅」には、次のような意味があります。

肉づきや押し出しから見た、からだの格好や姿。からだつき。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「恰幅」

「恰幅」は「かっぷく」と読みます。「肉付き」や「押し出し」から見た、からだの格好や姿を意味している言葉です。基本的には「恰幅」とくれば「良い」が続きます。「体つきが良い」という意味になるわけですが、これが文脈によって良い方向にも悪い方向にも使われるというのが「恰幅が良い」という言葉です。

つまり、肩幅が広く、大きな筋肉がついたいかにも男らしい、いわゆる「ゴリマッチョ系」の男性のことを「恰幅が良い」というときもあれば、おなかが出ていて、脂肪だらけで太っているような人に対しても、「恰幅が良い」と使うことがあります。本来の意味で言えば、前者のみですが、後者の体型をそのまま口にして傷つけるようなことがないようにするために使うこともできるのです。

「恰幅」の使い方・例文

「恰幅」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「恰幅」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.今回のスポーツイベントに集まった人は、皆、恰幅の良いラグビー選手のような男性ばかりだ。

2.夫人は社長の肥満が心配なようだが、恰幅の良さが威厳につながっている。

このように、「恰幅が良い」というときは、筋肉質で、肩幅が広く、男らしい厚みのある体系をした人を表すことから、単なるデブな人まで使うことが出来るのです。ただし、筋肉があっても、最近のアイドルのようなスリムで背が高い、細いシルエットの人を「恰幅が良い」ということはできません。

「恰幅」が表しているのは、体つきの中でも「厚み」や「幅」です。体全体から「威圧感」や「貫禄」を感じられたり、逆に「やさしそうな雰囲気」や「安心感」を感じるような体型を表して使われます。

ラグビーのプロップやアメリカンフットボールのラインマン、大相撲の力士などが、良い意味での「恰幅が良い」で、いかにも肥満体型で、脂肪でおなかが出ているような人に使うときが、悪い意味での「恰幅が良い」と覚えましょう。受け取り方が悪くなることがない言葉なので便利ですが、良い意味で使っているなら、さらにほかの言葉を付け加えて、意味を補強したいところです。

「恰幅」の類義語は?違いは?

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「肉づきや押し出しから見た、からだの格好や姿。からだつき」を表して使われる、「恰幅」ということば。その類義語としてあげられるのは「風体」「体格」「外見」といった言葉があります。それぞれ、人の体についての印象を語る際に使われる言葉でありますが、違いは、注目しているポイントです。

「風体」と言えば、そこから身分や職業などを想像されるような部分を注目してみています。「体格」となれば、からだの見た目でも「恰幅」のように、幅や厚みがない場合の体についても使うことが可能です。さらに、「外見」は「風体」や「体格」を包括して使うことが出来るので、どちらを強調して伝えたいときにも使える言葉となります。

その1「風体」

「身分や職業をうかがわせるような様子」という意味を持つ「風体」という言葉。読み方は「ふうたい」とも「ふうてい」とも読みます。「恰幅」は主に体型についての印象でしたが、「風体」は体つきだけでなく、服装や持ち物、しぐさといったものから受ける印象も含んだ表現です。

交差点の向こう側に立つ彼はスーツ姿に革靴で、いかにもサラリーマンらしい風体だ。

\次のページで「その2「体格」」を解説!/

その2「体格」

「骨格や肉付き、太さ」などを包括的に表すのが「体格」という言葉です。「恰幅」のように体の厚みや幅といったところに縛られることなく、身長や筋肉質かどうかなど、様々な体つきを表す際に使うことが出来ます。また、太くても細くても「体格」で表すことが出来る点も「恰幅」との違いです。

平均身長は180㎝と体格の良い選手が揃っているが、野球の実力は未知数だ。

その3「外見」

「外側から見た様子」を意味するのが「外見」です。客観的な「見た目」を表す言葉のため、良いか悪いかということに加えて、派手か地味か、あるいは、優しそうか恐そうかといったものまで表して使われます。また、「恰幅」や「体格」といったものが、人や生き物に対してのみ使われるのに対して、「外見」は人間以外のモノに対しても使われる言葉です。

派手な外見から受けたイメージとは正反対の、大人しい性格の女性だった。

「恰幅」の対義語は?

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「恰幅」は「肉づきや押し出しから見た、からだの格好や姿。からだつき」という意味の言葉です。このような意味合いの反対の意味を持つ言葉は見当たりません。また、「恰幅が良い」という言葉には、「骨格的に幅が広く、分厚い筋肉などを身に着けているからだ」から、「脂肪がついてしまって、おなかが出ているなど油断がみられるからだ」までを表しており、その意味でも対義語となるような言葉はないということになります。

また、「恰幅」はあくまで体つきなどから受ける印象であり、内面的なものまでを言い表すことが出来ません。「精神的にタフで、窮地に立たされても動じることがないさま」を「図太い」といったり「奢ってくれるなど金払いが良く、気前の良いさま」を「太っ腹」というときはありますが、それを「恰幅が良い」ということはできないので注意が必要です。

\次のページで「「恰幅」を使いこなそう」を解説!/

「恰幅」を使いこなそう

この記事では「恰幅」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「体つき」の中でも特に「幅が広く、厚みがある」ような体型をした人を指して「恰幅が良い」と表現するときに使われるこの言葉。

やせ細っていたり、スリムで健康的な体型を「恰幅が悪い」ということはありません。

「恰幅が良い」は「ゴリマッチョ」と「デブ」の両方に使えるフレーズです。

誰かに向けていう場合は、相手が受け取り方を間違えないようにしてあげましょう。

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国語言葉の意味

「恰幅」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「恰幅」について解説する。

端的に言えば恰幅の意味は「からだつき」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

放送局の制作現場の最前線で10年の経験を積んだsinpeito88を呼んです。一緒に「恰幅」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/sinpeito88

放送局の現場で10年間、ニュース原稿などを日々執筆。より正確な情報を届けられるよう言葉の探求を続けている。

「恰幅」の意味や使い方まとめ

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それでは早速「恰幅」の意味や使い方を見ていきましょう。

「恰幅」の意味は?

「恰幅」には、次のような意味があります。

肉づきや押し出しから見た、からだの格好や姿。からだつき。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「恰幅」

「恰幅」は「かっぷく」と読みます。「肉付き」や「押し出し」から見た、からだの格好や姿を意味している言葉です。基本的には「恰幅」とくれば「良い」が続きます。「体つきが良い」という意味になるわけですが、これが文脈によって良い方向にも悪い方向にも使われるというのが「恰幅が良い」という言葉です。

つまり、肩幅が広く、大きな筋肉がついたいかにも男らしい、いわゆる「ゴリマッチョ系」の男性のことを「恰幅が良い」というときもあれば、おなかが出ていて、脂肪だらけで太っているような人に対しても、「恰幅が良い」と使うことがあります。本来の意味で言えば、前者のみですが、後者の体型をそのまま口にして傷つけるようなことがないようにするために使うこともできるのです。

「恰幅」の使い方・例文

「恰幅」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「恰幅」の類義語は?違いは?」を解説!/

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