
「合点」って聞くと、かつてテレビで放送されていた番組名を思い出すぜ。語感に江戸っ子な印象があって、耳に残りやすいせいかな。しかしあらためて言葉の意味を説明しろ、と言われると戸惑っちまうな。
そこで今回は「合点」のいかないことはとことんやらないライターである、ぷーやんを呼んです。この記事の執筆については納得済みらしいから、さっさと「合点」の意味と使われ方について、説明してもらおうか。

ライター/ぷーやん
webライター歴7年。鍛えられた語彙と文章力は本業でも発揮され、社内ルールの書き換え担当に。背景と動機が明確ではないことだと、だれからの指示でも動かないメンドクサイ男。
辞書にみる「合点」
「合点」を辞書で引くと、次のように書かれています。なお「合点」の読み方は「がってん」もしくは「がてん」です。少々特殊な読み方なので、ご注意を。
[名](スル
1 同意すること。うなずくこと。承知。がてん。「おっと―」
「頸 (くび) に力を入れ、しっかり―しつつ」〈宮本・伸子〉
2 理解すること。納得すること。得心。がてん。「一向に―がいかない」
3 和歌・連歌・俳諧などを批評して、そのよいと思うものの肩につける「〽」「○」「合点」などの印。また、その印をつけること。
4 回状などを見終わり了承の意を表すために、自分の名前の肩に印をつけること。
5 考え。心づもり。所存。
「ただ今より真人間になって孝行尽くす―なれども」〈浄・油地獄〉
出典:デジタル大辞泉(小学館) 「合点」
上記の1か2の意味で使われることが多いですね。なにかの創作物で、『がってんだ』というセリフを聞いたことがないでしょうか。「合点」はその「がってん」のことで、「納得感をもってわかる」というニュアンスの言葉です。
「合点」の使い方を例文でみてみよう
辞書で意味を押さえましたので、次は使い方の例文をみていきましょう。
1.その話は不明瞭な部分が多すぎて、「合点」がいかない。腹を割って、肝心なところを包み隠さずに話してほしいな。
2.彼の素直に自分の感情を出せない難儀な性格も、その生い立ちを聞いたら「合点」がいった。
3.上司に頼みごとをしたら、『「合点」承知の助』と言われた。私はまだギリギリ理解できる世代だが、私より下の世代に同じことを言って、ポカンとされやしないかとヒヤヒヤする。
例文1では、伝えづらいことを隠してなにか依頼された場面でしょうか。人を動かしたいなら、ある程度はオープンに話しをしたほうが誠実でしょう。例文2はある人の理解できなかった言動が、その形成された背景を知ることで納得できたということですね。
例文3は、昭和生まれならば聞いたことのあるセリフかもしれません。たとえ知らなくても、年配の方の精一杯のフランクさだと思って、温かく見守ってあげてください。
理解:ものごとがわかること
言うまでもない単語かもしれませんね。まじまじと漢字をみてみると、『理(ことわり)を解する』の組み合わせです。したがって「理解」といった場合には、単に知っただけではなく、その成り立ちまで把握したような意味合いになります。
承知:聞いて知ること
似たような言葉に「了解」があります。目上の人に対しては、「了解」よりも「承知」を使ったほうが無難なようです。
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得心:納得すること
日常では、あまり使わない言葉かもしれませんね。しかし映画『もののけ姫』に、『だが得心がいかぬ』というセリフがありますので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
「合点」の対義語はなにがある?
似た意味の言葉を確認したら、今度は反対の意味の言葉もきになってくるもの。「合点」の対義語にはなにがあるのか、みていきましょう。
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