この記事では「尚早」について解説する。

端的に言えば尚早の意味は「まだ早すぎること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「尚早」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読み続けていく中で、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「尚早」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんも「時期尚早」という言葉を、一度は見聞きしたことがあるのではないでしょうか。日常生活は勿論、ビジネスシーンでもよく使われる言葉です。なんとなく、「まだ早いこと」とイメージはつきますが、正しい意味と使い方を理解する事によって、適切な場面で使う事が出来ます。それでは早速「尚早」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「尚早」の意味は?

「尚早」には、次のような意味があります。

そのことをするにはまだ早すぎること。「時期尚早」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「尚早」

「尚早」は「しょうそう」と読みます。よく、「そうしょう」と間違われる方も多いため、読み方には注意しましょう。「尚早」とは、「そのことをするにはまだ早すぎること」という意味。また、「そのことをするには早すぎるため、今しても上手くはいかない」というニュアンスも入っています。

「尚早」の語源は?

次に「尚早」の語源を確認しておきましょう。「尚早」は、「尚早い」という言葉から来ていると言われています。「尚」という感じは、「まだ」という意味を含んでおり、「早」は言葉通り「はやい」という意味です。この2つの漢字が組み合わさる事で、「尚早」になり、「まだ早いこと」という意味になります。

\次のページで「「尚早」の使い方・例文」を解説!/

「尚早」の使い方・例文

「尚早」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.我がチームが今回の大会に出場するのは時期尚早だとは思うが、出るからにはしっかりと結果を残したい。
2.その計画を実行するには時期尚早である。
3.悲観するのは尚早だ。もう少し待てば結果はついてくるだろう。

これらの例文について、1つ1つ詳しく見ていきましょう。「そのことをするには、まだ時が早すぎる」という事を表したい際には、例文1のように「時期尚早」を使う事が多いです。例文1の場合「自分達のチームが、この大会に出場するには、まだ早すぎると思うが」という意味の文章になります。

また、何かを行うことに焦っている人に対し、「まだ早い」と落ち着かせるために「時期尚早」を使う事も多いです。様々なケースを想定し、機会が訪れたら行うべきというニュアンスになります。例文2の場合、「この計画を行うには、まだ早い」という意味の文章になるのです。

ここまで「時期尚早」を使った例文を紹介してきましたが、「尚早」を用いるケースもあります。焦っていたり、落ち着かせる場合に使われる事が多く、もう少し待つことを促す場合に使われる事が多いです。

「尚早」の類義語は?違いは?

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「尚早」とは「そのことをするにはまだ早すぎること」という意味がありました。そんな「尚早」の類義語についても見ていきましょう。

その1「早計」

「早計」は「そうけい」と読み、「早まった考え。軽率な考え。」という意味。「早い」という意味では、「尚早」と同じ意味を持っています。異なる点として、「早計」は作戦や計画などに使われる事が多く、「尚早」と違い時期などに関して用いられる事はありません。

\次のページで「その2「拙速」」を解説!/

・試合はまだ始まってもいないのに、勝てないと決めつけるのは早計だ。

・早計な判断は、あとで痛い目に合うよ。

・彼女のあのときの行動は実に早計だった。

その2「拙速」

「拙速」は「せっそく」と読み、「できはよくないが、仕事が早いこと」という意味。こちらも、「早い」というニュアンスでは、「尚早」と同じ意味を持っています。しかし、「拙速」の意味にもある通り、こちらは「既に完成している」という点で違うため、上手に使い分けることが出来るでしょう。

・彼女をエースにするのは、拙速に過ぎる。

・この件に関しては、明るみに出ると問題になるため、拙速に事を運んでもらいたい。

・拙速ではございますが、広告クリエイティブが完成いたしましたので、ご確認のほどよろしくお願いいたします。

「尚早」の対義語は?

「尚早」の類義語や意味についてご紹介させて頂きましたが、対義語についても見ていきましょう。

「駆け込み」

「尚早」の対義語には、「駆け込み」が挙げられます。「尚早」は「まだ早い」という意味で、スタートのタイミングに関わる表現です。「駆け込み」は「その時期・機会を逃すまいと、大急ぎですること。」という意味で、ゴールに関わる表現であり、「急ぐ」ことを表現します。肯定と否定、どちらの場合でも使われますが、否定の場合は「時期尚早」の言い換え語としても使えるでしょう。

・時間がギリギリで、電車に駆け込んだら怒られてしまった。

・突然雨が降り出したため、僕は慌てて近くのコンビニに駆け込んだ。

・財布がない事に気づき、急いで警察に駆け込んだ。

\次のページで「「尚早」の英訳は?」を解説!/

「尚早」の英訳は?

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「尚早」の意味や類義語について見ていきましたが、英語で表現する際に適している単語についても見ていきましょう。

「It is too early 」

「尚早」は「まだ早い」を意味する言葉なので、英語で表現する場合、「It is too early.」が適しているでしょう。「今はまだ早い」と表現する際には「It is too early now.」とすると伝わります。他にも「premature」で「時期尚早だ」と同じ意味合いになるなどがありますが、基本的には「it is too early.」で表せるでしょう。

・It is still too early to do that.(時期尚早だ)

・It is too early―premature.(時期未だ早し)

・It is an hour too early―an hour too soon.(まだ1時間早い)

「尚早」を使いこなそう

この記事では「尚早」の意味・使い方・類語などを説明しました。「尚早」は「しょうそう」と読み、「そのことをするにはまだ早すぎること。」という意味。読み方が少し難しいため、「そうしょう」と間違われる方も多いので、読み方には注意しましょう。

「尚早」を使う場合、「時期尚早」という四字熟語を用いる場合が多いです。「尚早」と「時期尚早」、どちらも「ある物事を始めるにはまだ早すぎること」を表現する言葉なので、よく覚えておきましょう。

日常生活で、物事のタイミングについて迷う事が多いですが、そうした状況を言葉で表す際に参考にしてみてください。

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国語言葉の意味

「尚早」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「尚早」について解説する。

端的に言えば尚早の意味は「まだ早すぎること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「尚早」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読み続けていく中で、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「尚早」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんも「時期尚早」という言葉を、一度は見聞きしたことがあるのではないでしょうか。日常生活は勿論、ビジネスシーンでもよく使われる言葉です。なんとなく、「まだ早いこと」とイメージはつきますが、正しい意味と使い方を理解する事によって、適切な場面で使う事が出来ます。それでは早速「尚早」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「尚早」の意味は?

「尚早」には、次のような意味があります。

そのことをするにはまだ早すぎること。「時期尚早」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「尚早」

「尚早」は「しょうそう」と読みます。よく、「そうしょう」と間違われる方も多いため、読み方には注意しましょう。「尚早」とは、「そのことをするにはまだ早すぎること」という意味。また、「そのことをするには早すぎるため、今しても上手くはいかない」というニュアンスも入っています。

「尚早」の語源は?

次に「尚早」の語源を確認しておきましょう。「尚早」は、「尚早い」という言葉から来ていると言われています。「尚」という感じは、「まだ」という意味を含んでおり、「早」は言葉通り「はやい」という意味です。この2つの漢字が組み合わさる事で、「尚早」になり、「まだ早いこと」という意味になります。

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