
「買いかぶる」の対義語は?
「買いかぶる」の対義語には「侮る(あなどる)」があげられます。
「侮る(あなどる)」
「侮る(あなどる)」とは、相手を軽くみることです。「買いかぶる」が実力より高く評価することですから、まさに反対の意味といえるでしょう。
「君を侮っていたよ」といったら、「君の実力はもっと低いと思っていたよ」ということ。良きライバルに「君を侮っていたよ」と言わせたのなら、一泡吹かせてやった感じがします。逆に「君を買いかぶっていたよ」と言われたらショックですね。
しかし、「侮る」という言葉は「軽蔑する」「バカにする」という意味を含む場合もあります。ふざけた態度で接してくる人がいれば、それはこちらを「侮って」いるから。それはそれでうれしくない態度といえます。
「overestimate」
「overestimate」は、まさに「買いかぶる」という意味をあらわす言葉です。「estimate」は「見積もる」「見こむ」という意味。そこに「over(越えて)」がつくので、直訳すれば「越えて見積もる」。日本語の「過大評価(する)」という意味にピッタリくる言葉なのです。
英語が母国語の人にとっても、「overestimate」を「過大評価する」と和訳するのはわりと簡単かもしれませんね。逆に「買いかぶる」と和訳するのはけっこう難しいのではないでしょうか。売買の「買う」という意味を含まない「買いかぶる」という言葉、これを使いこなせる外国のかたは日本語ツウといえそうです。
I think you overestimate him.
(あなたは彼のことを買いかぶっていると思うな。)

考えてみると、日本人でも「買いかぶる」をあまり使わないのではないだろうか。「あなたは○○を買いかぶっている」というのは、「○○にそんな実力はない」と言っているのと同じで、けっこう勇気ある発言といえる。ほめられたときに謙遜して「買いかぶらないでください」と使うくらいかもしれないな。
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