
「買いかぶる」の使い方・例文
「買いかぶる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.きみの翻訳レベルは上級クラスと考えていたが、すこし買いかぶっていたかもしれないな。
2.ぼくが作った無料ゲームアプリが人気になったのは運が良かっただけですし、プレイ動画をネットにアップした友人が話題になったのもたまたまですよ。買いかぶらないでください、プロデューサーなんて無理ですって。
3.自分の営業手腕を買いかぶって自慢してくるのはウザいけど、この人についてるとフォロー役の私の評価が上がるし、便利に利用させてもらっちゃおっと。
どの例文も「実力より高く評価する」ニュアンスが感じられますね。
1の例文の「買いかぶっていた」は、上級クラスのレベルには届いていないのに、上級クラスに相当すると評価してしまっていた、という意味です。
2の例文では、「買いかぶらないでください」と使って、たまたま成功したのを実力だと思わないでほしいと訴えています。本人は自分に実力がないと思っているようですが、それが正しいかどうかは分かりません。しかし彼からすると、相手の人は「自分を買いかぶっている」のですね。
3の例文は、自分を優秀だと思っている人に対し、そうでもないと考えている人の気持ち。自分の力を買いかぶって自慢する人、それを利用する人、どっちもどっちですね。WIN-WINの関係であるならこれで良いのかもしれません。

「実際の価値より高い値段で買う」という意味で使われていた「買いかぶる」は、だまされるときだけじゃなく、自分から高値で買ってやるときにも使ったようだぞ。「お前の頼みなら、ちょっとぐらい買いかぶってやらあ」って感じにな。情に厚い「江戸っ子気質」ってやつか。
「過大評価する」
「過大評価する」とは、読んで字のごとく、過大に評価すること。実際よりも高く評価することですね。「買いかぶる」と同じ意味といえます。
お互い言い換えができますが、「過大評価する」は漢字がすべて音読みの「漢語」、「買いかぶる」は訓読みの「和語」のため、ニュアンスは少し違うかもしれません。
「実力のない人ほど自分を過大評価する」という文章は、ビジネスマン向けの自己啓発の言葉かのように感じます。一方「実力のない人ほど自分を買いかぶる」というと、ひそひそ陰口でも言っているような雰囲気じゃないでしょうか。言い換えて使っても意味は通じるのですが、ニュアンスが変わりますね。
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