この記事では「門前払い」について解説する。

端的に言えば門残払いの意味は「面会せずに帰らせること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章に携わってきたライターのKAIKAIを紹介する。一緒に「門残払い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章に携わってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で、言葉の意味には自信あり。

「門残払い」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「門残払い」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「門残払い」の意味は?

「門残払い」には、次のような意味があります。

1.来訪に面会せずに、帰らせること。「門残新井を食う」
2.江戸時代の追放刑の中で最も軽いもので、奉行所の門前から追い出すこと。


出典:デジタル大辞泉 コトバンク(小学館)「門残払い」

「門残払い」(もんぜんばらい)訪れてきた人に一目会うこともなく、退散させてしまうことを言います。「門前払いを食う」というフレーズでよく表現されますね。「食う」は、「よくないことを身に受けとめる」の意味で、「締め出しを食う」とか「大目玉を食う」といった使い方をします。

「門前払い」の語源は?

次に「門残払い」の語源を確認しておきましょう。

もともとは、江戸時代の軽い刑罰用語で、無宿物の犯罪者を奉行所の門前から追放したことを言いました。それが転じた結果、訪問者などに一目でも会うこともなく帰ってもらうことの意味で使われるようになったのです。

\次のページで「「門残払い」の使い方・例文」を解説!/

「門残払い」の使い方・例文

「門残払い」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼女の父親に門残払いを食うと思っていたが、意外にも会ってもらえた。
2.道場破りを試みたが、そのたびに門前払いを食ってばかりいる。
3.門残払いを承知のうえで、お世話になった先生のもとへ挨拶に駆けつけた。
4.来訪者は門前払いをされそうになったが、粘ってドアを開けてもらえた。
5.たとえ何度門残払いを食っても彼氏の自宅に贈り物を届けなければならなかった。

例文のあるように、「門前払いを食う」という言い回しで使われることが多いです。「食う」は、「よくないことを身に受け止める」の意味になります。日常生活でもビジネスシーンでもよく使われますね。よく類似した言葉で「玄関払い」がありますがも「門前払い」と全く同じ意味で使われます。

「門残払い」の類義語は?違いは?

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「門残払い」の類語語や違いについて見てみましょう。

その1「門前雀羅」

「門前雀羅」は読み方は難しいですが、「もんぜんじゃくら」と読みます。そこに訪れる人がいなくてひっそりしている状態のことです。「門前雀羅を張る」という言い回しで使われます。「雀羅」の「羅」は「網」という意味で、「雀羅」は雀を捕まえるための網のことです。門前がひっそりしているので、雀がたくさん集まってきており、網で簡単に捕まえることができそうだというのが語源になります。「かつて人気があったお店だが、最近は門前雀羅を張っている」などと使うのです。

\次のページで「その2「足切り」」を解説!/

その2「足切り」

「足切り」(あしきり)は、何かの選考や競技などで一定の基準に達しない場合はその時点で選考や協議の候補からはずれることです。対象人数などを絞り込む意味で、入学試験やスポーツ大会などでよく使われます。ちなみに、「足切り」という言葉は、残酷なイメージがありますのでテレビなどでは不適切な言葉とされる場合もありますね。「今年の試験は足切りの点数が高くて、不合格となった」などと使われます。

その3「一蹴」

「一蹴」(いっしゅう)とは、相手の要求や申し入れなどをあっさり断ったり、却下したりすることです。文字だけ見ると「蹴」はけとばすことであり、一回けとばすということですが、もっと広い意味で使われます。「大統領は民衆の要求を一蹴した」などと使われるのです。また、「一蹴」は、簡単に相手をやっつけるという解釈もあり、「サッカーの試合で日本はブラジルを一蹴した」などと使われます。

「門残払い」の対義語は?

「門残払い」の対義語はなんでしょうか。

その1「門前市を成す」

「門前市を成す」(もんぜんいちをなす)とは、家を訪ねてくる人がたくさんいることです。人や馬などがたくさん集まって来ていて、まるで家の門の前に市場ができたのようだということで、このように使われるようになりました。商売が繁盛して来客がたくさん来ている様子とか、有名人の魅力や名声などに敬意を表してたくさんの人が訪ねて来る様子を言います。「きれいな彼女の周辺は、門前市を成すように男性が集まって来る」などと使われるのです。

「門前払い」の英訳は?

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「門残払い」は英語ではどのように表現するのでしょうか。

「turn~away at the door」

「門前払い」は英語では、単語ではなく慣用句として「門前払いを食う」の意味で「turn~away at the door」、「be turned away at the door」「get turned away at the door」があります。また、門前払いをくらわすの意味で「shut the door on」「close the door on」「be not at home to」があるのです。

\次のページで「「門前払い」を使いこなそう」を解説!/

He turned a visitor away at the door.(彼は来客を門前払いした)
She shut the door in my face.(彼女に門残払いを食わされた)
He tuend her away at the door.(彼は彼女を門残払いした)
I am not at home to you if you calls.(来たら門残払いにしてやる)

「門前払い」を使いこなそう

この記事では「門前払い」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「門前払い」は、尋ねた相手に顔を見てもらうこともなく、むげに帰されてしまうことです。例えば、ビジネスにおいてクレーム対応で謝罪に入ったら取引先に「門前払い」されてしまったとか、彼女の両親に娘と結婚させてくださいとお願いに行ったが、門前払いされてしまったというように、「門前払い」は乗り越えなければならない試練というべきものかもしれません。これからも人生さまざまな試練が待っていますので覚悟して臨みましょう。

たくさんの「門前払い」と向き合って、強く、たくましく、賢く人間として成長していきたいものですね。

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国語言葉の意味

「門前払い」の意味や使い方は?例文や類語をたくさんの文章に携わってきたライターがわかりやすく解説!

この記事では「門前払い」について解説する。

端的に言えば門残払いの意味は「面会せずに帰らせること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章に携わってきたライターのKAIKAIを紹介する。一緒に「門残払い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章に携わってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で、言葉の意味には自信あり。

「門残払い」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「門残払い」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「門残払い」の意味は?

「門残払い」には、次のような意味があります。

1.来訪に面会せずに、帰らせること。「門残新井を食う」
2.江戸時代の追放刑の中で最も軽いもので、奉行所の門前から追い出すこと。


出典:デジタル大辞泉 コトバンク(小学館)「門残払い」

「門残払い」(もんぜんばらい)訪れてきた人に一目会うこともなく、退散させてしまうことを言います。「門前払いを食う」というフレーズでよく表現されますね。「食う」は、「よくないことを身に受けとめる」の意味で、「締め出しを食う」とか「大目玉を食う」といった使い方をします。

「門前払い」の語源は?

次に「門残払い」の語源を確認しておきましょう。

もともとは、江戸時代の軽い刑罰用語で、無宿物の犯罪者を奉行所の門前から追放したことを言いました。それが転じた結果、訪問者などに一目でも会うこともなく帰ってもらうことの意味で使われるようになったのです。

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