
2000年代以降の中立進化説

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科学技術が進歩し、分子生物学の発達によって、遺伝子レベルで古生物の形態を調べることが可能になりました。このことによって、多くの中立的な突然変異が起こっていることが明らかになりましたよ。現在集団遺伝学の分野で指示されている学説は、「総合説」ですよ。
「総合説」について詳しく見ていきましょう
総合説
総合説とは、メンデルによる遺伝の法則とダーウィンの自然選択とを結びつけて進化を総合的に理解しようとするものですよ。ちなみにメンデルの遺伝の法則は、1866年に唱えられたものですから、ダーウィンの自然選択説よりも新しい説なのですよ。さらに、総合説では、自然選択や突然変異以外でも遺伝的浮動や隔離についてさまざまな要因を含んで進化について研究する考え方ですよ。
現代では、次世代シークエンサーやワークステーションなどのより洗練された機器や手法を使って古代生物のゲノム解析が可能となっておりますので、今後集団遺伝学において新たな発見があるかもしれませんね。
近代的な進化説に貢献した中立説
19世紀になると、進化や遺伝についての研究が進み始めました。ラマルクの用不用説、ダーウィンの自然選択説、ドフリースの突然変異説は現在の集団遺伝学の研究の要素にも含まれています。ラマルクやダーウィンは種を残すためにより有利な遺伝子の存在についてフォーカスしていますが、木村資生先生は種を残すために有利でも不利でもない中立的な存在の遺伝子に注目したことは大きな功績ですね。一見すると、木村資生先生の中立進化説はダーウィンの自然選択説を否定しているようにも見えますが、こちらもしっかりと現在の集団遺伝学の要素に含まれていますね。
微生物を含むすべての生物のゲノム解析が進めば、今後変異のメカニズムがわかってくるかもしれませんね。