

ライター/mimosa
もともと文系出身で、独学で生物学、生化学を勉強し、現在医学系研究所の研究アシスタントとして理系の世界へ飛び込んだ。理科が苦手な方へも興味を持ってもらうべくわかりやすい説明を心掛けている。
進化のしくみ研究の曙期

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進化のしくみについて研究が進んできたのは、19世紀になってからです。冒頭で触れたダーウィンも1859年に有名な『種の起源』を発表していますよ。進化論の曙期の様々な理論について見ていきましょうね。
用不用説と自然選択説

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19世紀で主流だった、「用不用説」と「自然選択説」について説明していきますね。用不用説とは、フランスのラマルクによって彼の著書『動物哲学』(1809年)で提唱されました。用不用説とは、よく使われる器官は発達し、発達した形質が子孫に伝えられて進化が起こるというものですよ。18世紀の中ごろまでは、生物の種は変化しないとされてきましたので、ラマルクによる生物が進化するということを明確にしたのはセンセーショナルなことでした。
「自然選択説」は、ダーウィン自身の著書である『種の起源』(1859年)で提唱されました。これは、「自然淘汰説」とも言いますよ。ダーウィンは、船で世界中を廻って、ガラパゴス諸島のゾウガメやフィンチ(鳥の仲間)などのガラパゴス諸島の固有種の観察によって、生物は1つの種から進化したのではないかと考え、この説を導き出したそうです。
自然選択説の要点をまとめると下記のようになりますよ。
1.生物は多くの子を産むが、それらの間には違った形質(変異)が見られる。
*例えば、キリンなら、首が長いものとそうでない個体が生まれたとする。
2.これらのうち、より環境に適したものが生き残って子孫を残す。
*前足や首がより長い個体の方が高い位置に生えている葉を食べることができる。
3.自然選択の結果、適した形質が子孫に伝えられ、このような変化が積み重なって進化した。
*だから、キリンは首が長い個体である。
突然変異説

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突然変異説はオランダの遺伝学者ド フリースによって提唱されました。ド フリースは、オオマツヨイグサを栽培して代々自家受精していました。ある時、その中にいくつか変異が突然生じ、さらにそれが遺伝することをド フリースは発見しました。ド フリースは、この現象を突然変異と呼び、突然変異によって新しい種が急速に生じるとする突然変異説を提唱しました。
しかしあがら、突然変異が起こったものは突然変異説は、なぜ突然変異が起こったものが次の世代に受け継がれるのかは検証されていません。
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