この記事では「蛇の道は蛇」について解説する。

端的に言えば蛇の道は蛇の意味は「同類は同類の行動をよく知っている」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は難関私大の文学部を卒業し、表現技法にも造詣が深い十木陽来を呼んです。一緒に「蛇の道は蛇」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/十木陽来

難関私大の文学部卒ライター。現代文芸の表現技法を学びながら趣味で小説を書いたりもしてきた。その知識を使って様々な言葉の意味をわかりやすく丁寧に解説する記事を書いている。

「蛇の道は蛇」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんは「蛇の道は蛇」ということわざを適切に使えているでしょうか? ことわざの持つ意味だけでなく、そのニュアンスもしっかり理解していないとマナー違反となってしまいかねません。それでは早速「蛇の道は蛇」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「蛇の道は蛇」の意味は?

「蛇の道は蛇」には、次のような意味があります。

同類は同類の行動をよく知っている、同業者・同じ専門の者は仲間の考えや行動をよく知っている、といった意味の言い回し。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「蛇の道は蛇」

「蛇の道は蛇」の読み方は「じゃのみちはへび」です。「へびのみちはへび」とは読まないので注意しましょう。これは同類は同じような者の考え方をよく知っていることを例えたことわざです。また、専門家はその道のことをよく知っていることも表します。特殊な状況を打破したい時は専門家を頼るべし、というアドバイスで使用されることが多いです。

ただし「蛇」は昔から邪悪であったり害をなしたりというイメージが強かったため、「蛇の道は蛇」が指す専門家はアウトロー悪徳といったものを指すことが多くなっています。そのため「蛇の道は蛇」を誉め言葉として使いたい場合は注意が必要です。

「蛇の道は蛇」の語源は?

次に「蛇の道は蛇」の語源を確認しておきましょう。「じゃのみちはへび」と読むことは先ほどの項目で解説しましたが、最初にある「蛇(じゃ)」とは大きな蛇を指し、最後にある「蛇(へび)」は小さな蛇を指します。大蛇が通る道は小蛇がよく知っている、というのがこのことわざの由来の一つです。また、蛇の通る道は同類である他の蛇もよくわかっているからという説もあります。

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「蛇の道は蛇」の使い方・例文

「蛇の道は蛇」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.泥棒の手口の多くを知りたければ、最近釈放された前科者に聞くのが一番だ。蛇の道は蛇だよ。
2.裁判沙汰になりたくなければ、弁護士を頼りなさい。蛇の道は蛇というし、法律関連はその道の達人に任せるべきだ。
3.マンション買取ビジネスを商売として成り立たせたいなら、蛇の道は蛇と豪語する彼らに調査を依頼してはどうだろうか。

例文1は悪いことは悪人がよく知っているというようなニュアンスで用いられており、アウトローな雰囲気を醸し出しています。このように「蛇の道は蛇」ということわざはあくどい知識に精通している者に対して使われることが多いです。

例文2は単純な誉め言葉として用いていますが、弁護士という職業も相まってどうにも悪徳なイメージを払しょくしきれていないように見えます。こういった事例もあるので、日常会話で「蛇の道は蛇」と使う際は注意が必要です。

例文3のように「専門知識のある自分に任せろ!」みたいな感じで、自分自身に対して「蛇の道は蛇」を使うことも可能ではあります。ただしことわざが持つイメージも相まってどうにもうさん臭さが出てしまっている模様。自称の一部として用いたいなら、他の語彙を用いた方がベストでしょう。

「蛇の道は蛇」の類義語は?違いは?

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「蛇の道は蛇」と似たような意味を持つことわざはたくさんあります。今回はそのうちのいくつかをご紹介しましょう。

その1「餅は餅屋」

「餅は餅屋」とはその道のことは専門家に任せるのが一番良いことをたとえたことわざです。餅はやはり餅屋がついたものがおいしいことから来ています。こちらのことわざは「蛇の道は蛇」とほとんど同じような意味を持っていますが、「蛇の道は蛇」とは対照的にポジティブなイメージが強いです。同じ意味のことわざであっても、場面によって使い分けることが大切になってきますね。

\次のページで「その2「馬は馬方」」を解説!/

その2「馬は馬方」

「馬は馬方」とはその道の専門家に任せるだけのことはあることをたとえたことわざです。「馬方」とは馬に人や荷物を運ばせる人のことで、素人が馬を扱うのは難しくても、それを職業としている者であれば馬を意のままに操れることから来ています。こちらも「蛇の道は蛇」と似たような意味を持ちますが、「餅は餅屋」と同様ポジティブなイメージが強いです。

「蛇の道は蛇」の対義語は?

「蛇の道は蛇」の反対の意味を持つことわざとして「左官の垣根」というものがあります。

「左官の垣根」

「左官の垣根」とは専門外の者がやってもうまくはいかないことをたとえたことわざです。「左官」とは壁を塗る職業を指しますが、壁の専門家が垣根を作ろうとしてもうまくいくはずがない、というところから来ています。

「蛇の道は蛇」の英訳は?

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「蛇の道は蛇」ということわざの英語での書き方はいくつかありますが、今回はその一つをご紹介しましょう。

「The wolf knows what the ill beast thinks.」

「The wolf knows what the ill beast thinks.」は直訳すると「狼は悪い獣の考えることを知っている」となりますが、これは英語圏において「蛇の道は蛇」を表すことわざの一つです。蛇を狼に置き換えたようなもので、ネガティブなニュアンス的にも「蛇の道は蛇」と非常に似通っていることがわかりますね。

\次のページで「「蛇の道は蛇」を使いこなそう」を解説!/

「蛇の道は蛇」を使いこなそう

この記事では「蛇の道は蛇」の意味・使い方・類語などを説明しました。「蛇の道は蛇」はそのことわざの持つネガティブなニュアンスから日常生活で使うのは注意が必要ですが、語彙の一つとして覚えておくことは決して損にはならないでしょう。Sutdy-Zには言葉の意味を解説する記事がこの他にもたくさん掲載されています。知識を深めたい方も、ギモンを解決したい方も、ぜひサイト内検索で興味のある記事を読んでみてくださいね。

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国語言葉の意味

【ことわざ】「蛇の道は蛇」の意味や使い方は?例文や類語を文学部卒Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「蛇の道は蛇」について解説する。

端的に言えば蛇の道は蛇の意味は「同類は同類の行動をよく知っている」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は難関私大の文学部を卒業し、表現技法にも造詣が深い十木陽来を呼んです。一緒に「蛇の道は蛇」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/十木陽来

難関私大の文学部卒ライター。現代文芸の表現技法を学びながら趣味で小説を書いたりもしてきた。その知識を使って様々な言葉の意味をわかりやすく丁寧に解説する記事を書いている。

「蛇の道は蛇」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんは「蛇の道は蛇」ということわざを適切に使えているでしょうか? ことわざの持つ意味だけでなく、そのニュアンスもしっかり理解していないとマナー違反となってしまいかねません。それでは早速「蛇の道は蛇」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「蛇の道は蛇」の意味は?

「蛇の道は蛇」には、次のような意味があります。

同類は同類の行動をよく知っている、同業者・同じ専門の者は仲間の考えや行動をよく知っている、といった意味の言い回し。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「蛇の道は蛇」

「蛇の道は蛇」の読み方は「じゃのみちはへび」です。「へびのみちはへび」とは読まないので注意しましょう。これは同類は同じような者の考え方をよく知っていることを例えたことわざです。また、専門家はその道のことをよく知っていることも表します。特殊な状況を打破したい時は専門家を頼るべし、というアドバイスで使用されることが多いです。

ただし「蛇」は昔から邪悪であったり害をなしたりというイメージが強かったため、「蛇の道は蛇」が指す専門家はアウトロー悪徳といったものを指すことが多くなっています。そのため「蛇の道は蛇」を誉め言葉として使いたい場合は注意が必要です。

「蛇の道は蛇」の語源は?

次に「蛇の道は蛇」の語源を確認しておきましょう。「じゃのみちはへび」と読むことは先ほどの項目で解説しましたが、最初にある「蛇(じゃ)」とは大きな蛇を指し、最後にある「蛇(へび)」は小さな蛇を指します。大蛇が通る道は小蛇がよく知っている、というのがこのことわざの由来の一つです。また、蛇の通る道は同類である他の蛇もよくわかっているからという説もあります。

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